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鳥籠に囚われた姫

2016.06.10 14:57

新八、平助、総司、一!」

近藤勇の後方で成り行きを見守っていた原田左之助が、試衛館のみんなを振り返った。

宝蔵流槍術の使い手。手には、穂先のカバーを外した槍があった。

「山岡先生の助太刀するんだな? まかせとけって」

「ちょうど、長旅で体がなまってたとこだったんだよな」

「天然理心流の実力、とくと味あわせてあげるよ」

神道無念流の永倉新八、北辰一刀流の藤堂平助、天才剣士・沖田総司がそれぞれ刀の鯉口を切った。

芹沢鴨には、新見錦や平間重助などの腕利きが脇を固めている。

剣聖とうたわれた山岡といえど、苦戦は必至である。

「やめろ、てめえら!」

土方歳三の怒号が飛んだ。

「どうして止めるんですか? 歳三兄さん」

噛み付く総司。

「近藤さんに恥の上塗りをさせる気かっ? 引っ込んでろ!」

「そうですよ。我々までもが騒いでどうなります? 話がややこしくなるだけではありませんか」

常識人の山南敬助も割って入ったが、もはや収拾がつく雰囲気ではなかった。