#063.読みやすい手書き楽譜の書き方 3
前回、小節線、音部記号、調号についてお話しました。
今回は楽譜に書かれているものをどんどん解説していきますね。
[音符]
音符は分解すると「玉」「棒」「旗」「連桁」「付点」そして場合によって「加線」を一緒に書く場合があります。
玉
玉は五線の間に書いてみるとその平均サイズが見えてきます。これは僕の持論でもありますが、黒い玉はキッチリサイズで書き、白い玉は若干大きめに書くと読みやすいと考えます。特に白い玉の場合「中が白い」と認識して見ているために、白い空間面積が大きいほうが良いと考えています。線の上に白い玉が乗った時が顕著で「白い玉の真ん中に線が貫通している」と認識して音符を見ています。
棒
棒は原則として1オクターブくらいの長さが良いとされているのですが、これも僕の個人的感覚ですが手書きだと1オクターブはちょっと長く感じるのです。ですのでだいたい7度(ドなら上のシ)くらいの長さにしています。そして、玉とはカッチリくっつけなくても大丈夫で、むしろあまり強く玉と繋がると読みにくくなるかもしれません。強くグググっと引くのではなく、シュッと細めに引くのが良いと思います。
単音の場合は第3線を境に棒は下向きに変化します。
旗
8分音符や16分音符単発の音価に書き込む旗は、印刷譜ですとウニョっとカーブしていますが、手書きの場合その必要はありません。真っ直ぐ短く書いたほうが読みやすいです。また、16分音符など旗を2本以上書き込む場合にはおよそ「1間」の距離を開けると読みやすくなります。(間(かん)とは五線の線と線の間を言います。詳しくは前回の記事参照)
棒と対照的に旗は強くグッと引きます。
連桁
旗の付いた音価が2つ以上並ぶと原則的に連桁になります(歌曲では敢えて連桁にしないこともあります)。旗同様、かなりしっかり太く歪みのないように引きます。
付点
付点を書く時には玉と誤解されないようにサイズバランスを整えることが大切です。また、点が遠すぎても玉を誤解されやすくなります。
五線の「間」に玉がある場合は同じ「間」(の少し上めに)書き、線の上に玉がある場合は上の「間」に書き込みます。
加線
手書きの場合、五線と同じ間隔で加線を引くと狭くて読みにくくなるので、若干広く距離をとるのがコツです。
[臨時記号]
臨時記号は調号に比べると若干大きめに書くと読みやすくなります。
隣の音符と接触しないよう、玉と臨時記号はセットで書き込むようにすると良いでしょう。
ちなみにダブルシャープですが、古い手書き譜にはこのような書き方をしていることが稀にあります。注意事項(※)ではありませんので注意してください。
[休符]
全休符と二分休符
まず全休符と二分休符です。原則として第4線から下に飛び出ているのが全休符で、第3線から上に突き出ているのが二分休符です。
適度な長さにグニグニと書けばこれらの休符になりますが、大切なのは位置です。全休符は小節すべてを休む場合に用いられることがほとんどなので、小節間のど真ん中に書きます。一方で二分休符は休符が開始する位置、例えば最初の1,2拍が休みの場合は1拍目に、3,4拍目を休む場合には3拍目の位置に書きます。楽譜を毎日のように見ていても、こうした位置関係が意外にうろ覚えだったりしますよね。
なお、二分音符は二分休符を同じ位置関係ですが、全音符は中央に置くのではなく、1拍目に書きます。
四分休符
四分休符が一体どうなっているのか、印刷譜を見ると謎めいていますよね。四分休符で大切なのは下の半円のような部分で、それ以外はオマケだと思ってください。
第1間からスタートして第2間で止まり、あとは上にシュっと突き出すように書けばOKです。
八分休符と16分休符
八分休符は印刷譜とほとんど同じです。が、最初にクルっと丸くする必要はありません。第3間にU字の曲線が書かれていることが八分休符として重要な形です。
16分休符は第2間にもU字を書き込み、そのぶん、下に長めにおろすと判別しやすくなります。
ということで今回は音符に付随するものを紹介しました。
次回も引き続き読みやすい楽譜の書き方について解説して参りますのでぜひご覧ください。
それではまた次回!
荻原明(おぎわらあきら)
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