ブルボン朝誕生6-仏王母子戦争勃発
2020.07.29 10:43
国王になったというものの、母はちっとも引退しようとしないフランス王ルイ13世。宮廷は母マリーのお気に入りの廷臣コンチーニ侯爵夫妻に牛耳られていた。腹にすえかなねたルイは、宮廷クーデターを計画する。実行者の親衛隊長には暗殺も暗黙の許可を与えた。
1616年4月24日、ルーブル宮の橋の上で、コンチーニは親衛隊長に捕捉されようとして剣を抜こうとしたところ、親衛隊員に射殺された。知らせをきいたルイは「これで国王になれた」と呟いたという。そして妻も逮捕されたが、死刑にするために、なんと魔女をでっちあげられた。
ルイは母マリーをブロア城に閉じ込めて、親政を行おうとする。しかしまだ16、7歳、ここでクーデターに功のあったリュイヌ公シャルルを重用し、結局政治の実権を渡してしまう。しかしこのリュイヌ公も同じで、自分と一族の栄達しか考えていなかった。
時代はドイツで戦争が始まる不穏なとき。不満を持つ貴族達は、母マリーの復権を画策し、母もヤル気満々。なんと母子戦争が勃発するわけだが、そこで頭角を現すのがかのリシュリュー枢機卿である。
下はルーベンスの「マリー・ド・メディシスの生涯」より左摂政マリーの至福、右ルイ13世国王就任