あぐらとうっぷし
歳のせいであぐらがかけなくなってしまった。
他にも寝転んでうっぷして絵を描くことも出来なくなった。
これは私にとっては大きなデメリットなのである。
要は気軽に落書きが出来なくなったからだ。
「落書き」
これを馬鹿にしてはいけない。
落書きしていく事で浮かんがモノが形になって行ったり、
落書きから色んなアイデアが浮かぶ事はたくさんあるのだ。
私の絵の発想は落書きから始まったと言っても過言ではない。
それがあぐらをかけなくなって出来なくなったり、
うっぷして絵を描けなくなったのだから困っている。
作品を作る際はあぐらもうっぷしも要らない。
ちゃんと椅子に座って机の上で作業するから関係ない。
でもアイデアが浮かばなかったら作業にも入れないのである。
昔、ある漫画家が言ってた言葉でこんなのがあった。
「みかん箱さえ置くスペースがあれば何処でもマンガが描ける。」
幼い私にはむちゃくちゃカッコ良い言葉として響いた。
みかん箱の上から世の中の人達を楽しませる作品が出来るんだ!
いや、大人になった今もカッコイイ言葉である。
なのに今の私はみかん箱よりも良いテーブルがあっても、
その前に座ることすら出来ないとは・・・、嘆かわしい。
なんやねん?この尻?坐骨神経痛ってのか?運動不足か?
股関節どないなってるねん?ちゃんと骨入ってるか?
だったら椅子に座って机の上でアイデア練れば良いじゃないか!
そう思った読者の方も多いに違いない。
ど・・・、ど素人め!
椅子に座ってアイデア出せりゃ悩みもせんわい!
人には習慣ちゅうもんがあるんだ。習慣ちゅうもんが!
長年寝転んで、または、あぐらかいてアイデア出してたので、
そういうポーズじゃないと上手く頭が回らんのだ。
そういうもんなんだ。よ~く覚えておけってんだ!
人によって様々だろうが、ある境地に入るには
それに見合った状況や心理状態、はたまたポーズもあるんだわ。
「キスもしないでいきなりなんて・・・痛かったわ。」
そういうのと同じだ!(たぶん)
「お酒も回って気持ち良いわ~、今夜なら落ちちゃいそうよ。」
そういうのと同じだ!(おそらく)
「ああ無理よ。あたしこの体位だといけないの・・・。」
そういうのと同じだ!(きっと)
そんな訳であぐらやうっぷしはとっても重要なのである。
無理してあぐらかいてもうっぷしてもしんどいし痛いので
そっちに神経がいってしまってアイデア出しどころじゃないのだ。
しかし、出来ない・・・苦手なものが増えて行く中で
得意になったものもひとつだけある。
それはおそらく懸命な読者諸君ならもうお解りだろう。
アイデアが浮かばない時の言い訳が得意になったことである。