日本がファイブ・アイズの仲間入り?
国際社会における日本の役割は間違いなく激変する
こんにちは、コームナタ編集長のakiです。
世界はコロナウイルスのよって再び混乱の様相を呈していますが、非常に重要なニュースが最近出ました。今回はそのニュースについて取り上げます。
イギリス・ガーディアン紙:「Five Eyes alliance could expand in scope to counteract China(ファイブ・アイズが中国に対抗するために拡大される可能性がある)」
(英国夏時間:2020年7月29日 午前5時配信)
その前にまず「ファイブ・アイズ」ってなんだよ?と思った方もいると思いますので、その説明をします。「ファイブ・アイズ」というのは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5つの国で構成される軍事同盟です。特に、諜報機関の結びつきが強く機密情報を緊密に共有しています。また、この同盟は「Anglo-Sphere(アングロ・ソフィア:日本語では素直に読めば「英語圏」穿った訳し方をすれば「アングロサクソンの地球儀」という意味)」とも言われます。
ここに日本が呼ばれたということは何を意味するのでしょうか。取り上げた新聞記事にも書かれている通り、現在アメリカやイギリスをはじめとしたファイブ・アイズ各国は中国との対決姿勢を鮮明にしています。さらに、ファイブ・アイズには以前から日本が加盟するという案がありました。対中国の安全保障強化にとって、中国に次いで大きなの経済を持つ資本主義国であり中国の隣国でもある日本を取り込もうとするのは必然の流れとも言えるでしょう。
日本としても、ファイブ・アイズが持つ最高峰の機密情報を手に入れることができればインテリジェンスの世界の中でより優位に立てる可能性があります。安全保障環境が日々変化する現代では非常に有益です。
一方で、日本が加盟を果たすためには壁もあるように感じます。
まずは、日本の中でインテリジェンスに関する国民的な理解が醸成されているとは言えないということです。このような話をすると戦争に結びつくのではないかという懸念を持つ人や、軍事的なことに多大なリソースを割いてどうするのだという人が多くいるでしょう。
インテリジェンスというのは、他国との対決ありきというよりもまず戦争などを回避するために情報を共有しリスク低減に努めることから始まると思いますが、この重要性や必要性を政府がどう説明し、理解を得られるかがカギになります(おそらくいまの政権の間は理解を得られなくても独断で進めるとは思いますが)。
さらに、ファイブ・アイズの現加盟国に比べて日本には知的なリソースが圧倒的に不足しています。もはや民間企業に人材を提供する職業訓練校となり果てている感のある大学で、他国からの膨大な情報を分析し、検討し、その情報を英語を通して交換するだけの人物をどれだけ育成できるかは非常に疑問です。このような技能を身につけるには最低でも修士号、基本的には博士号が必要だと思いますが、就職において不利だという理由から日本の文系生で修士・博士課程に進む人は非常に少ないという現状があります。また、かねてより日本では外交や安全保障に関わるシンクタンクの存在感が弱いと言われており、知能を結集するという意味でもまだまだ道半ばと言えるでしょう。
今回、イギリスの権威ある新聞からこのような情報が出たことで、おそらく日本はこれからファイブ・アイズ加盟に向けて様々な体制を急速に整備していくはずです。安全保障の根幹に関わるようなことが新たにどんどん決まっていく可能性もあります。自らの身を守るためにも、私たちの住む日本が今後どのような安全保障政策をとっていくのかは非常に注目です。