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鳥籠に囚われた姫 不可侵の少女

2016.06.13 07:33

そろそろ日付をまたごうとする時刻。


暗闇がいきなりまばゆい光を発した。


「な、なんだ?」

「眩しい! 目が……」

宿泊客らが両手で目を覆った。

光源はわからない。ただ、真っ白な光が宿場町を埋め尽くした。

誰もが目を開けられない状況だった。

町辻の天水桶がいくつも宙に浮かんだことに、歳三たち以外気付くものはなかった。

人力ではとても動かせない天水桶が夜空に浮かび、篝火の上まで移動した。

「砕!」

それは、特殊能力者だけが発せられる波動であった。

低周波にも似た脈動。

空に浮かんだ天水桶にヒビが入り、一瞬で粉々になった。

いっぱいに満ちていた水がぶちまけられ、篝火はあっという間に消えた。

「すみれ! あのバカ……」

すみれのいる宿の三階を睨みつけ、歳三は下知した。

「一、様子見てこい!」

「はっ」

斎藤一の脚は速い。煙のように、その場から掻き消えた。