最期の言葉
https://dot.asahi.com/dot/2014050100068.html?page=1 【「一日が一生」壮絶な人生を歩んだ大阿闍梨 最期の言葉】 より
仕事、結婚、子育て、介護などライフステージの変化が伴う人生には、新たな悩みや不安が絶えないもの。その向き合い方に苦心している人も多いかもしれません。
現代の「生き仏」とも称された天台宗大阿闍梨の酒井雄哉さんは、著書『続・一日一生』の中で、「一日が一生、今日のことは今日でおしまい。明日はまた新しい自分になって、新しい感覚で進んでいけばいいんだ」と語っています。
酒井氏は、比叡山延暦寺の荒行「千日回峰行」を2度満行。比叡山の峰や谷を一千日かけて巡り、礼拝し続ける修業は、総走行距離は地球1周分に相当する約40万キロ近くに達する過酷なもの。2度成し遂げた人は、400年間で3人しかいないそうです。
酒井氏の人生も、修業のように壮絶だったといいます。志願して予科練の少年航空兵になり、特攻隊基地に配属され終戦を迎えた後、株屋やラーメン店、セールスなどの職を転々。妻は結婚してわずか2カ月後に自殺。人生の辛酸をなめた酒井さんは、導かれるように比叡山に向かい39歳の時、得度。そんな酒井さんの言葉は、心にしみいります。
「どうしようもなくなったら、空っぽになってみるの。しらっと、とぼけちゃって、自分をちょっと外から静観してみるとかさ」
「いつ死んでも、人間として恥ずかしくない生き方をしていたら、それでいいのとちがうかな。投げやりではなく、静かな覚悟ということ」
「修業って、寺でやるものだとみんな思うけど、人は生きること自体、すべて、行なんだよ」
本書は、15万部以上のベストセラーを記録した前作『一日一生』の続編。今回は生きる上で避けては通れない「生老病死」について、「戦争」や「修業」など酒井さん自身が経験した出来事を振り返りながら真の意味を説いています。
酒井氏は2013年9月23日、「生老病死」のすべてを歩み、仏さまのもとへと向かわれました。酒井氏が残した珠玉の言葉の数々は、これから歩み続ける多くの者の人生に希望をもたらすに違いありません。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022735511/dot_asahi-22/ より
「寺ですることだけが修行ではないよ。誰にとっても、生きていることが修行なんだな」
「今日失敗したからって、へなへなすることない、落ち込むこともない、明日はまた新しい人生が生まれてくるじゃない」比叡山の峰々を1000日かけて約4万キロ歩く「千日回峰行」を2度も満行し、2013年9月に87歳で逝去した酒井雄哉・天台宗大阿闍梨。
行者としての体験から得た人生の意味や生きる姿勢を、平易に、慈雨のような言葉で説く。
累計16万部を超えるベストセラーとなり、多くの人々の心を癒した『一日一生』の第2弾。
亡くなる3日前、大阿闍梨が遺した「最期の言葉」は――
「人間って、なにか持っているつもりでいて、なにも持っていないんだな……」
【目次】
第一章 一日一生
・今日この一日に、「ありがとう」・今日を大事にしなかったら、明日はない
・自分の人生をお返ししていく・つまらない仕事も、つまらない人生もないんだよ
・人生は「いま」この瞬間にしかないから・人は恵み恵まれ、徳は巡り巡っていく
・コツコツと経験を積んでいけば、どこかにたどり着く・行いが結果になって表れる
・「お前はこの世に何しに来た」そう問い続けよ
・得意なことを一生懸命にやる、それが「一隅を照らす」ということ
●千日回峰行とは
第二章 生
・いまここに立っているのは、経験、苦難を経てきたからこそ
・苦しいときには心が成長する・人生には無常の風がふきまくっている
・人間は、三つの柱で立たされている・まずは、三日辛抱してみたらいい
・薄情の道がある・「一分の情」を忘るるべからず
・人間はたいしたことないよなあと思い知った瞬間・仏さんにうそはつけない
・長い道のりも、一歩一歩の積み重ね・人生に終点はない
●堂入りとは
第三章 老
・人は何度も新しく生まれることができる・これから、いまから、明日から、どうやって生きていくか・たたえられるようになったら気をつけよ・こだわらないようにすること
・うっかりしても、ニコニコと「すんません」・いま生きているということは、何か世の中に対してすることがある・終わらない自分の道を歩き続ける・人間、終わりはない
・それは、「執着」ではないかな?・自分の原点に戻ってみる・年を取ることの醍醐味
・人生の旅のなかでは、恥こそ土産・無理せず、急がず、はみださず、力まず、ひがまず、いばらない
●赤山苦行から京都大廻りへ
第四章 病
・人の体は心の持ちよう・病気になるのも生きてる証・もうだめだというとき、自分を超える自分が出てくる・どうしようもなくなったら、空っぽになってみる・回復には三倍の時間をかけなさい・人は助け合って、生かされているんだよ・人生にも「心の杖」を持とう・生きていることは、それだけで光に包まれている
●堂行三昧とは
第五章 死
・人生は、だれにとってもほんのわずかな時間・生きていれば、必ず世の中に役に立つことがある・「行き道は いずこの里の 土まんじゅう」・自分の人生の論文を書く・死後の世界、地獄や極楽はあるの?・生と死は隣り合わせ、紙一重・人生は夢のまた夢・愛別離苦を超えて
・死のまぎわに、残る感覚・命のなかで、生きて生かされる喜び・「あいつめ、とうとう逝きよったな」と言われたい
過去三日間、酒井雄哉師の「最期の言葉」
※最期の大阿闍梨インタビュー――「続・一日一生」編集を終えて