お祭りの茶碗売り
2016.06.14 00:02
札幌で北海道神宮祭が始まります。
お祭りはワクワクします。
私の故郷・登別のお祭りでも楽しみがありました。
露店の「茶碗売り」です。
毎年、決まったおじさんが来て、茶碗を売るのですが、芸ですね。
ゴザを敷いて座って売るスタイルです。
おじさんの周りには、紐で数個ずつ縛った「瀬戸物」が積み上げられて。
お客から「その茶碗をお願い」と言われると、
おじさんがその茶碗を引き寄せて、あれこれと茶碗の説明を始めるのです。
こんな感じでした。
お~、母さん!じゃなかった、お嬢さん!よく、この茶碗に目を付けたね。
さすが、お目が高い!この茶碗、そこら辺の物とは出来が違うんだよ。
ほら!聞いてごらん!叩いた時に出る音!キーン!と高い音が出るだろう?
これはね…。
私は茶碗が好きという訳ではなく、そのおじさんの口上が大好きで。
祭りが始まる=茶碗売りのおじさんの話が聞けるとワクワクしました。
1時間ほど聞くと「この人ってすごいな~」と。
お客さんはその茶碗が特別気に入っている訳ではないのです。
だって、そのお祭りで初めて見るのですから。
おじさんの口上を聞いて手渡された茶碗だから好きなのです。
つまり、何を買いたいか?という話ではなく、誰から買いたいか。
エクスマの藤村さんが言っているように「体験を買いたい」。
あの茶碗売りのおじさんはその象徴のようでした。
メディアコンサルタント 荒川岳志