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Be ambitious, dear friends.

一期一会~上海編①~

2020.08.02 08:05

一期一会(いちごいちえ)とは、一生に一度きりのチャンス、という意味である。

私は無類の旅好き。しかも好んで海外にひとり旅をする方だ。現在は海外どころか国内でも旅行をするのはばかられる時期だが、いつか再び出かけられる日を切に望む。


海外を旅すると、人との様々な出会いがある。このシリーズでは、これまで経験した生涯一度きりの出会いを綴りたいと思う。続くので是非読んでね。


第1回は上海(シャンハイ)での一期一会の思い出を。

上海は大都市である。私はそこに中国語を勉強しに短期留学で訪れた。働いてすでに10年近く経った頃だけど、何の前触れもなくある日急に「中国語を習いたい!」と思いたち、その3ヶ月後には現地に到着していたのだ(私は行動力はある方なのだ)。別に上海でなくとも首都、北京という選択もあったのだけど、私の望む留学生活とは離れたイメージだったので止めた。その条件とは、①都会であること、②しかもお洒落な都会であること(可愛いカフェがあるとか、街並みが綺麗とか、夜景が美しいなど)、③安全であること、④日本から近いこと。⑤立地の良い日本人経営の語学学校がある場所。以上の理由から最適な場所は上海と決まった。語学を理由にしているわりに、⑤は条件の最後でよしとするあたりが、勉強そのものよりも海外に身を置くことを楽しみにしていたのだなと思う。


留学の最初の日、授業を受けた私はとある現実に直面していた。「中国語は難しい。しかもめちゃめちゃ難しい。はっきり言って英語の比ではない。」


経験者なら理解してくれるだろう、かの言語はなまじ漢字を知る日本人には、簡単な単語なら意味は理解できる。しかし、発音が、超ド級に難しい。もう、入門中の入門、一番最初の段階の四声を指導された授業の無理さ加減に半分泣きそうになり、初日にしてリタイアしたくなった。思えば語学超初心者の辛くて苦しい気持ちを改めて思い出せた日でもあった。有意義だった。


一日を終え疲労困憊。宿泊しているホテルに帰る途中ふと目の前の建物に気づいた。あまり大きくはないサイズのビルに手書き風のローカルな看板が下がっている。どうやら2階は「足つぼマッサージ店」のようだ。やった、入って見よう!現金な私はたちまち元気になって階段を登った。


「こんにちは、予約はしていないのですが、お願いできますか?」

扉を開けると、やや薄暗い店内にお客さんはわずか。スタッフはご夫婦らしい二人。言葉が通じないので、こちらは英語、あちらは中国語のミックス&身振り手振りでコミュニケーションをとった。なんとかなるものだ。私は40分間の足つぼマッサージを注文して、導かれるまま一人がけのソファみたいなところに腰を掛けた。


(つづく)