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aiair

うたごえ

2016.06.15 22:09

『歌声』


 ー少女は歌を歌い、街中の人々を笑顔にしましたー


 少女の住む街には約3か月間、雨が降りません。畑の農作物も枯れ果ててしましました。


 飲む水すら乾いてしまいます。


 街中の人々は、水を求めていがみ合いを始めました。それがやがて暴動を生み、枯れ果てた街は、ほとんど崩壊してしまいました。


 少女は考えました。自分に出来ることは何かと。


 少女には、歌がありました。歌を歌うことが大好きな少女は、街の真ん中で歌を歌い出しました。


 しかし、誰も見向きもしません。


 少女は諦めませんでした。毎日毎日、来る日も来る日も歌い続けました。


 すると、街の人達はいつしか少女の歌に耳を貸すようになりました。


 少女の歌声は、透き通るよな、そして心に語り掛けるような優しい歌声です。


 そんな歌声が街の人達の心に届いたのです。街中の人達の心に優しさが再び戻りました。


 やがて暴動はなくなりました。崩壊した街も少しずつ活気を取り戻してきました。


 少女の歌声が争い合うことの愚かさを気づかせてくれたのです。街中の人々は分け合うことを始めました。奪い合うことではなく、分け合うことを思い出したのです。


 そこに人々の幸せがあったのです。


 少女の歌声は、いつまでも街中に響き渡りました。


 今日はこの辺で。


 人は忘れてしまう生き物のようです。でも思い出すことができます。そして想いを伝えることができます。