鬼の草本 オニシモツケ
2021.12.24 09:00
(2020/7/23 秋田駒ヶ岳)
(2021/6/20 青森市・梵珠山)
鬼下野(おにしもつけ)
バラ科シモツケソウ属/多年草
背丈も花房も大きなシモツケなので、草花の名前で大きいことを表す"鬼"を頭につけて『鬼下野(おにしもつけ)』。
花(花序)の毛の薄いをものを"ウスゲシモツケ(薄毛下野)"、花の毛のないものを"ケナシシモツケ(毛無下野)"と呼び分けたりもする。
シモツケの仲間にはマルバシモツケやシモツケのように木化するものと、オニシモツケやシモツケソウのように草本のものとがある。同じように、バラ科の仲間にはそれぞれ木のものと草のものとがある。どんな条件で木になったり草になったりするのだろうか。
例えば、標高が高く風雪等の自然環境の厳しいところで生きるマルバシモツケは低木だ。方やオニシモツケは里山・低山でも育ち、冬は深い雪の下で息を潜め春に雪が解けると地面から芽を出しぐんぐん伸びて夏までには一気に大きくなる。その成長スピードを考えると、硬い木肌で身を守るよりも柔らかな茎の方が体を大きくしやすいということなのではないかな?と思うがどうだろう
花の名前学(仮)の話。
花の背丈等が大きくがっしりとしていることを意味する接頭語"鬼"。”鬼”を冠した花としては他に”鬼薊(おにあざみ)"・"鬼野芥子(おにのげし)"等がある。これの反対語で小さなことを意味する接頭語は"姫"や"稚児"。両方ある種類は…いまのところないようだ。