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学会事務局からのお知らせ

七夕人形・押絵雛・姉様人形 / ベラミ人形店

2020.08.05 10:40

松本は月遅れで、8月7日が七夕です。

この時期、松本では、お店の軒先に、七夕人形が飾ってあるのを見かけます。


ベラミ人形店さんでは、松本の七夕人形、押絵雛、姉様人形などを作って販売しています。


松本の七夕人形

松本の七夕人形は、流し雛、人型、着物かけ型、紙雛型の4種類あるそうです。

↑ 手前は、よく見かける、紙雛型の七夕人形です。


↑ 後方には、着物かけ型の七夕人形が写っています(ちょっと分かりにくいですが…)。

顔付きの衣紋掛けに、実物の着物や浴衣を着せて飾るそうです。

着物を掛ける前は、こんな風です ↓

七夕は中国から伝わった文化のため、顔立ちが大陸風なのだそうです。

確かに、日本人形とは違いますね。ちょっと韓流にも似ているような…

着物かけ型は、梅雨干しも兼ねていたそうです。

なるほどですね…

↓ こちらの写真の左側も、着物かけ型の七夕人形です。

↑ 中央は、流し雛。川に流すタイプですね…

1番右は人型の七夕人形です。

↓人型は、毎年1枚ずつ和紙の着物を着せていくそうです。

↑どんどん、増えていくんですね… 

流し雛、人型は白くて小さくて、形もシンプルです。

夜に見たら、ちょっと怖いかも…(ゴメンナサイ!)

↑ 色とりどりの紙びな。

小さくてかわいいです。

↑ 他のとはだいぶ趣が異なりますが、こちらも七夕に飾る人形、「カータリ」「足長」です。

これ、松本の郷土文化を紹介する本で見たことがあります!本物を初めて見ました…

カータリは、「川渡り」に語源があるそうです。

七夕に雨が降って川が増水したときに、織り姫や彦星を背負って川を渡るそうで、そのために着物の丈が短いのだそうです。

雨が降る=豊作ということで、豊作祈願にもなっているそうです。


押絵雛

お店には伝統工芸品の押絵雛が大きなガラスケースに所狭しとならんでいて、圧巻です。

押絵雛は武士の妻が内職に始めたそうで、明治20年代が最盛期だったそうです。

しかし、松本の大火で武家屋敷が焼失したことや、鉄道が通って県外から立体雛が入ってきたこと、押絵雛の粗製濫造などによって、明治末には途絶えてしまったそうです。

ベラミ人形店さんでは、押絵雛の修復の依頼を受けていたことから、昔の押絵雛を復元されているそうです。

歌舞伎を題材にしたものなどもあります。


押絵雛は、パーツ毎に型紙を作り、綿をのせて、布でくるみ、のりで止めていくという手作業だそうです。

裏に竹串がついていて、それを藁苞(わらづと)や土台に刺して、飾ります。

↑ 額に入れて飾ってあるのもありました。

竹串が下に出ているのが見えますね。

↑ 掛け軸タイプのお雛様もありました。

この押絵雛は、掛け軸にひっかけてあるだけで、収納するときは外せるそうです。

すごい、機能的!! 昔の人の知恵ってすごいですね…

↑ かわいいお雛様もありました。

趣があって、収納するときはコンパクトになるし、すごくいいかもー!!


押絵雛は手作業なので、作るのにとても時間がかかるそうです。

15人揃いのお雛様を注文すると、1年目にお雛様とお内裏様、2年目に三人官女、3年目に5人囃子…というふうに納品されるそうです。。

(ってことは、私のお給料ではきっと手が出ないお値段に違いない(+.+;)  聞けなかったけど…)


姉様人形

昔懐かしい感じのお人形です。

顔が書いてないのですが、自分で想像するためだそうです。

松本の姉様人形の特徴は、

・前掛けをしている

・髪型いろいろある:丸髷、桃割れ、結綿(ゆいわた)、高島田、銀杏返し など

・髪が白い

だそうです。

髪が白いのは、昔は紙が貴重だったので、とうもろこしの皮を使って髪を作っていた名残だそうです。興味深いですね…

姉様人形は、江戸時代に、参勤交代によって各地の城下町に伝わったそうです。

松本の他には、静岡姉さま、庄内姉様(山形)などが有名だそうです。


松本てまり

松本手まりも、ありました。

作り方を伺いました。

もみがらを和紙2-3枚でくるみ、白い木綿糸でしっかり巻いて、丸く形を整えます。

刺繍糸で、模様を縫いつけていくそうです(「色の糸を刺す」と表現するそうです)。

大きな手まりは、カップに入れた豆も中に入っているそうで、カラカラと音がしました。

丸い形に整えること、模様を均一にすることが難しいそうです。

手まりは、昔は転がして遊んでいたそうで、跳ねないので、まりつきはできないそうです。

手まりは、転がる→うまく物事が運ぶ、丸く収まるということで、縁起物として、飾られているそうです。


松本の姉様人形はトウモロコシの皮を使っていたし、手まりはもみがら、木綿糸を使っていて、日常生活にある物を使って作られていたということです。。。

ちなみに、金沢の手まりは絹糸を使っているそうです。金箔も有名ですよね…

さすが、加賀百万石!! ←松本は7万石です…


とてもおもしろいお話を、たくさん聞かせていただきました!!!


ベラミ人形店  松本駅から徒歩15分

ベラミはフランス語のBel-Ami で、「美しい友達」という意味だそうです。モダンなお名前ですね。

七夕人形作り体験もできるそうです。


*お店の方の許可を得て、写真を撮らせていただきました