[見どころ] 右に定評の佐川のV2か 番狂わせ狙う竹本
8月13日(木)後楽園ホール
日本フェザー級タイトルマッチ
王者・佐川遼(三迫)
VS
同級9位・竹本雄利(クラトキ)
佐川=1994年3月13日、青森県出身の26歳。右ボクサーファイター型。戦績:10戦9勝(4KO)1敗。
竹本=1996年5月24日、和歌山県出身の24歳。左ボクサーファイター型。戦績:10戦8勝(4KO)1敗1分。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け日本では3月からボクシングのイベント開催が見合わされてきたが、7月12日に4ヵ月半ぶりに無観客試合として再開。今回、後楽園ホールではコロナ禍以後では初めて観客を入れてイベントが行われる。
日本フェザー級王者の佐川はアマチュアで84戦(62勝22敗)を経験後、4年前に22歳でプロデビュー。2戦目につまづきはあったものの、その後は8連勝と好調を保っている。2年前には世界挑戦の経験を持つ松本亮(大橋)を3回TKOで破り、昨年9月の王座決定戦では世界10傑に名を連ねていた阿部麗也(KG大和)に競り勝って日本王座を獲得した。初防衛戦では変則型の日野僚(川崎新田)を判定で下している。サウスポーの竹本を迎えるにあたり同じ左構えの阿部と日野を連破していることは、地力に加えて大きなアドバンテージといえよう。
竹本は17年6月にプロデビューし、2戦目で判定負け、3戦目で引き分けを経験したが、18年以降は7連勝をマーク。この間、18年12月には全日本新人王に輝き、最優秀選手賞も獲得している。その後も神戸、地元の和歌山、高知を転戦して勝利を重ねている。サウスポーのボクサーファイター型で、左ストレートとタイミングのいい右フックが主武器だ。ランキングは9位と低いが、伸び盛りだけに警戒を要する相手といえる。
長身からの右ストレートに定評のある佐川が、いつものように距離の攻防を制すれば2度目の防衛が濃厚だ。これまで最長で6ラウンドまでしか戦ったことのない挑戦者をじわじわと引き離していき、そのうえで自ら踏み込んでの右ストレート、あるいはカウンターで放つ右が効力を発揮するものと思われる。ただ、竹本は勝てばクラトキジムに50年ぶりに日本王座をもたらすだけでなく、佐川の世界ランク(WBC8位、IBF13位)もいただけるだけに高いモチベーションを抱いてはず。その竹本の左ストレート、右フックが番狂わせを起こす可能性を秘めていることも忘れてはなるまい。(原功)