ローソップ島皆既日食(1)
1934年(昭和9)2月14日
2020年8月2日の朝、朝日新聞朝刊新連載小説「また会う日まで」(池澤夏樹作)の2回目を読んでいた私は、一人興奮していました。連載1回目から読んでいたのですが、この2回目で主人公が天文学者であることが明かされ、時代も戦後すぐの1947年(昭和22)であることが分かったからです。そして小説内で、1948年の礼文島金環日食、1943年の北海道皆既日食、そして1934年のローソップ島皆既日食と、次々と天文現象が紹介されたことも興奮を加速させました。
1934年ローソップ島皆既日食は、ボルネオ島の西方海上から始まり、当時の日本の南洋委任統治区域にあるセントオーガスチン島、ローソップ島、ナマ島などを通り、北アメリカ北西の太平洋岸沖合いで終わるものでした。ローソップ島には、軍艦「春日」に乗船した、観測隊一行が上陸しました。上は、横浜港を出港する観測隊を乗せた軍艦「春日」です。
ローソップ島船着場に到着した観測隊一行の様子です。
1934年(昭和9)2月11日紀元節の、ローソップ島での祝宴の様子です。
シーロスタット及び、アインシュタインカメラの前部です。
フラッシュスペクトル写真用シーロスタットと運転時計です。
軍艦「春日」甲板上の観測隊一行です。
ローソップ島における、観測準備風景です。
短焦点コロナグラフです。
プリズム分光儀とグレーティング分光儀です。(人物は不明)
11.5mコロナグラフの前部とシーロスタットです。
この皆既日食で撮影された、フラッシュスペクトルの写真です。(レオール島にて撮影)
ローソップ島皆既日食成功を報じる新聞記事(大阪朝日新聞)
(参考文献)
日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987
(写真と新聞記事は、伊達英太郎氏天文写真帖及び天文収集帖より)
(追記)
コメントをいただきました、umi様の動画をリンクしました。観測隊が訪れた記念が、今も残されているのに感激しました。ぜひご覧ください。