給食の基礎を作ったキッチンスタッフ
今回は、くすの木の「給食」の現場にスポットを当てました。
給食リーダー 竹嶋 嘉余子さん
給食顧問 原 清子さん
食へのこだわりが止まらない
社名「くうねあ」は、“食う・寝る・遊ぶ”が由来。その最初の“食う”=給食には強い思い入れがある。くすの木では、認可保育園に決まった2016年に「自分の園で給食をつくる!」と大園長が宣言。新規保育園では委託か搬入式が多い中、自園調理は大きな挑戦だったそうだ。
ただ、給食調理は、あまりにも奥が深く、ノリと根性だけではできない。そこで頼み込んで給食の基礎を作ってもらったのが原清子さん。元保育士で自然食や保育園給食にも携わり、今でも助っ人や助言に訪れている。
「安心、安全な食材選びは基本で、子どもたちに地元野菜をしっかり食べて欲しいと話し合ったら、スタッフみんなの思いも熱くて止まらないの」
詳しく聞くと本当に話が止まらなくなった。
食材のほんの一例(産地)
- 米(三次市)
土づくりからはじめた低農薬のお米。精米したてを毎月大園長が車で取りに行く。 - 卵(東広島市福富町)
自家配合した餌で平飼いされた国産の有精卵
※日本の採卵鶏のなんと95%は外国鶏だ - 野菜(東広島市志和町)
農薬や化学肥料を使わない有機農家の野菜。旬な野菜を配達してもらう。 - 醤油(島根県仁多郡奥出雲町)①
合成添加物ゼロ、じっくり時間をかけた古式製法による天然醸造の醤油 - 塩(高知県幡多郡黒潮町)②
国産自然塩。加熱処理を一切せず、天日と手揉みで作られるミネラル豊富な天日塩。
「大変だけどおやつも頑張ってる」と教えてくれたのは、給食リーダーの竹嶋嘉余子さん。
小さい子は、1日3回だけでは必要な栄養量が取れないので、おやつは第4の食事と位置付ける。「肉まん、おまんじゅう、食パンピザ、おむすびにお好み焼き・・・長野の郷土料理おやきも、すべて手作りです」。人気ナンバーワンのフライドホテトも手を抜かない。
くすの木では子どもたちと近い場所にキッチンがある。
祇園園舎には大きな窓があり、必ず子どもたちが今日のメニューを聞きに来る。
食器の素材にもこだわる。お皿は陶器、端が垂直に立ち上がっているので、スプーンが返しやすい。もちろんスプーンは脱プラスチックだ。
コップを強化ガラス製にしたのは、「透明なので口の動きが見え、残量もすぐわかるから」と竹嶋さん。眼差しはつねに子どもたちに注がれている。
紙面の都合で割愛するしかないが、まだまだ続いた話はまたの機会に譲りたい。
(左)ユニバーサルプレートと呼ばれる陶器のお皿
(右上)割れても破片で怪我をしにくい強化ガラスコップ
(右下)柄の長い介助スプーンと園児用