「わたしとあそんで」マリー・ホール・エッツ
今週も店舗の方は開けさせて頂いております。
ただ、私事で申し訳ございませんが、水曜日は娘の誕生日のためお休みとさせて頂きます。どうかご了承下さい。
お盆あたりにも、少しお休みを頂くかもしれませんが、こちらはまたお知らせさせて頂きます。
「わたしとあそんで」マリー・ホール・エッツ
「しろいうさぎとくろいうさぎ」ガース・ウィリアムズ
さて、こちらの2冊の絵本は少し前にお客様より買い取りをさせて頂いた絵本です。
どちらも素晴らしい名作絵本ですので、皆さんも親しんできた絵本かと思いますが、この2冊はちょっと古い刷(ともに1970年版)で、帯付きなのが珍しいですね。
紙の質感も現行のツルツルとした紙ではなく、ざらざらとした紙の温かみを感じられるもので、古本としての良さも感じられるかと思います。
エッツの絵本は本当に良いですね。
優しさと暖かさが本の中に溢れている。
それが絵からも、言葉からも滲み出ていて、本を読む自分を風が吹くようにサッとここではない、不思議で素敵な場所へと運びこんでくれます。
絵本が持っている「良いこと」のすべてはもうこの絵本に全て詰まっている気さえします。
「わたしとあそんで」というこのタイトルも、すごく好きです。
ちょっと考えてみれば「あそぶ」と言う動詞は、大人が思っているよりもずっとずっと、子どもにとっては大きく多様な意味を含む、大切な動詞ですよね。
大人の「遊ぶ」って、本当に狭くて小さな意味しか持っていない気がしますけれど、こどもの「あそぶ」は、その中にほんとうに様々な感触が溢れていると思います。前向きに、良く生きると言うことの根っこの部分はすべて、あそぶ、と言うことにあるんだと思います。
子どもの言葉は、きっといつもそうで、少ない語彙の中に、たくさんの意味や感触が含まれています。
絵本も同じかもしれませんね。
シンプルな言葉に様々な響きを響かせている。
この絵本のラストシーン。
ああ わたしは いま、とっても うれしいの
とびきり うれしいの
この言葉に胸がいっぱいになるのは、この「うれしい」が、この子どもの人生の喜びすべてが凝縮された「うれしい」の響きを持っているように読めるからなんですよね。
久しぶりに読んだら本当に良い絵本だったので、この先一ヶ月位は好きな絵本作家三人あげて下さい、と聞かれたら、マリー/ホール/エッツと、きっと答えます…。
触れることの出来たのがエッツの絵本だけになってしまいましたが、ガース・ウィリアムズの「しろいうさぎとくろいうさぎ」も素晴らしい絵本です。こちらはまた別の機会に。
オンラインストアの方でもどうぞご覧下さい。
当店のマリー・ホール・エッツの本はこちらです。