Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

しつけの基本について

2020.08.03 08:48

基本のしつけである「おすわり」「待て」「伏せ」の上手な教え方を学ぶ前に、犬をしつけるにはお互いの心持ちも大切です。今回は、しつけについて考える上で重要なポイントをお伝えします。


飼い主さんも、“正しいしつけ方”を学びましょう

犬はもともと高い学習能力や順応性を持っているので、飼い主さんのしつけ方により行動も驚くほど変化します。つまり、しつけは愛犬と飼い主さんとの共同作業であるため、しつけをする飼い主さん本人も、しつけの正しい方法を学ぶ必要があります。


信頼関係を築きましょう

しつけの基本は、飼い主さんの指示に犬がきちんと従うようになることです。しかし、しつけのルールはあくまでも人間が決めたことです。その中には犬の本能に反するものもあります。飼い主さんが望んでいないことでも、犬にとってはきちんとした理由があって行動しているケースもあることを知っておくことが大切です。

「犬がどんな気持ちで、なぜそのような行動をしているのか」を、飼い主さんが理解することがとても大切です。犬の気持ちを考えながらしつけのトレーニングをすると、それが愛犬とのコミュニケーションの時間となり、よりよい信頼関係を築くことができます。また、日頃から愛犬とのスキンシップの時間をたっぷりとることで、さらに信頼関係を深めることができるでしょう。

信頼関係を築くことができれば犬は飼い主さんをリーダーとして信頼し、指示に従うようになります。


言葉を統一しましょう

例えば人間にとって「おすわり」と「すわって」は同じ行動を示す言葉ですが、その言葉を知らない犬にとってはまったく違う言葉であるため、バラバラの号令をかけると混乱してしまいます。そのため、しつけの号令は同じ言葉に統一させましょう。


ルールを決めましょう

家族でしつけを行う場合、「こうしたらほめる」「こうしたら注意する」などのルールを決めておきましょう。同じことをしているのにほめられる時とそうでない時があっては、犬はどうすればいいのか分らなくなってしまいます。犬に「例外」は通用しません。ルールを決めたら、家族全員で実行するようにしましょう。


焦らず、愛犬を信じましょう

犬の学習能力には個体差があります。他の犬と比べて焦ったり感情的になってしまうと、愛犬はそんな飼い主さんの気持ちを敏感に察知します。例え覚えが悪くても、他の犬と比べないようにしましょう。


ほめ上手はしつけ上手

犬は経験から学習をします。楽しいことは喜んで繰り返しますが、イヤなことはなるべく避けたいと考え、イヤな思いばかりしていると犬は反発したり怖がったりするようになります。そのような場合、言うことを聞いたとしても「叱られるのがイヤ」だから、しぶしぶ従っているに過ぎません。

しつけで最も大切なのは「ほめること」です。飼い主さんがほめ上手になって犬をやる気にさせれば、しつけを成功させる近道になるので、積極的にほめながらしつけをしましょう。


「おすわり」のトレーニング

頭の上でオモチャや食べ物など、愛犬が好きなものを見せ、そのまま犬のやや後ろへ動かします。すると犬は上を見上げるような姿勢になるため、自然と床に腰を下ろします。

「おすわり」と言いながら誘導し、床にお尻がついた瞬間にたっぷりほめてご褒美を与えます。


「ふせ」のトレーニング

まず「おすわり」をさせ、犬の鼻先におやつなどをかざし、それを犬の前方の床まで移動させます。犬がつられて体を低くすれば、自然に「ふせ」の姿勢になります。胸を床につけたら、ほめてご褒美を与えます。

また、その方法ではなかなかふせをしてくれない場合は低い場所をくぐらせて必然的にふせの姿勢をとらせる方法もあります。例えば飼い主さんが床に座り、犬がふせの状態で通れるくらいの高さに足を折り、おやつで誘導しながらその足の下をくぐらせます。

その後、「ふせ」と言いながら同じ動作を繰り返し、成功したらご褒美を与えます。


「まて」のトレーニング

犬と並んで立ち、おすわりをさせた状態で犬の注意を飼い主さんに引きつけます。次に犬の正面に立って「まて」と言いながら手のひらを犬の顔の前に向けます。

このとき、犬が動こうとしたらもう一度「まて」と言いながら手のひらを犬に向け、動きを止めます。じっとしていられたら、その後「よし」と声をかけて解放し、ほめてご褒美を与えます。それをごく短い時間から始め、待たせる時間を少しずつ延ばしていきます。


しつけを日常生活に活かしましょう

「おすわり」「ふせ」「まて」を覚えたら、それでしつけは完了したと思う飼い主さんもいるようです。

しかし、本当に大切なのはきちんと覚えたこれらの行動を、日常生活の中でどのように活かしていくか、ということです。また、しつけを日常生活に取り入れることによって、今後、飼い主さんへの服従や自制心を養っていくことにもつながります。


しつけ本来の目的は、ただ単に教えたことをできるようにさせるのではなく、犬が人間社会の中で快適に暮らしていくためのルールを覚えることです。そのためには飼い主さんが「主人=リーダー」であることを犬に認識させ、服従させることが重要です。

人と犬が仲良く暮らすためにどちらか一方が我慢するのではなく、理解し合ってお互いが気持ちよく暮らせるようになることが、理想の生活といえるでしょう。