なぜ勉強するのだと思いますか?
小学生の頃「なぜ勉強するの?」と教師に質問したことがある。
日本では6歳になれば義務教育を受ける。定められた小中学校での9年間の後、多くは高等学校に進み、その後大学に進学する者もいる。本分は勉強と古くから言われ続けているように、学生生活のほとんどは学業が中心である。が、忙しく日々の試験や受験に追われている内に「勉強する理由」を見失いがちになってはいないだろうか。あなたは答えられますか?
冒頭の教師は自信ありげに「勉強するのは自分のためだ。将来役に立つ」と答えてくれた。分かったような分からないような解答である。そんなものかと理解しようとしたが、心の底ではあまり納得できていなかったような記憶がある。
あれから時は流れた。教師が口にした「将来」を迎えている私にとって、実のところこれまでの人生で一次関数とか古典とか化学式とかが自分のためになった、または役に立ったと実感したことはほとんどない。
にも関わらず私は今では、なぜ勉強するのかという疑問の答えを確信している。勉強して学んだことがそのまま役立つことはあまりないとしても、姿や形を変えて人生のあらゆる場面に対応できる力となると知っているからである。その力とは。例えば、①集中力、②困難に立ち向かう力、③自分や大切な人を守る力。
①集中力。授業中に教師の話を聞く、宿題をする時間、テストのための学習など、勉強を通してごく自然に集中する訓練ができる。集中力があれば、どんな状況でも揺り動かされない意志を持って取り組むことができる。すなわち強くなれる。
②困難に立ち向かう力。これも勉強で鍛えることができる。好きな科目を勉強するときはどんどん知識や知恵が増える。けれど嫌いだったり苦手だったりする科目に取り組むときはそれと同時に、迷う時や困った時、辛い時に立ち向かう力をも育ててくれる。賢(かしこ)くなれる。
③自分や大切な人を守る力。あなたが将来大切な人を見つけたとき。彼か彼女をどのように守り幸せにするかを考えるだろう。勉強で得た知恵や知識は時に彼等と共に歩むあなたの人生を開く大きなカギとなってくれる。人生を楽しめる。
以上が私がもし生徒に「なぜ勉強するのか」と聞かれたときの答えである。
強く、賢く、そして人生を楽しむ人となってほしい。だから生徒よ、学びに飽くことなかれ。
Be ambitious, boys and girls!