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一号館一○一教室

オンラインは自分との対面

2020.08.04 15:39

                                       黄 文葦

現代人にとって、オンラインはかけがえのない生き方である。新型コロナ時代、私たちがますますオンライン時間に浸かって、オンラインでの自分の居場所を探さなくてはならない。 


オンラインビジネスの礼儀作法 

私は多くの仕事とプライベートのやり取りが中国発のSNSチャットアプリであるWeChat(ウィーチャット)で行う。何時の間にか、WeChatの友達が千人を超えた。オンラインなので、結構気軽につながっていく。その中の一部の方がいつどのようにつながったのか、覚えていない。 

先日、「家買う?」いきなりWeChat上にこの質問が飛び込んできた。「すみませんが、あなたはだれですか」と質問したら、即時にブロックされた。戸惑った。それはオンラインでの気持ちよくないすれ違い。中国では、SNSチャットを利用して、ビジネス勧誘をすることが結構普通である。

 しかし、オンラインビジネスでも礼儀作法が必要と思う。「家買う?」の一言だけで、家を買って貰える?そう簡単にはいかないはず。ビジネスを成立するのは、売買両方の気持ち良いことである。過程を大事にしないと、よい結果を得られるわけではない。 


 ネット誹謗中傷について 

パソコン画面に向かって、まさしく自分との対面するような感覚である。人とネット上でチャットあるいはSNSでコメントする際、自分が打った文字を自らの目に入られる。その意味で自分が気持ちよくする言葉を使わねばならない。一方、人が他人に誹謗中傷の言葉を出した途端、まず自身の目、自身が対面するパソコンあるいは携帯の画面を汚させるではないか。「オンラインは自分との対面」と心得ている。

 十数年前、私もネット攻撃に悩む時期があった。その時、中国語のブログで日本のいいところを謳歌したら、必ず大勢の人からコメントで「あなたは売国奴だ」と罵声を浴びせられる。 

その時、あるベテラン編集者の言葉が私にとって救いであった。「ネットのことに気にしすぎないで、48時間の後、ネットの風景は何もかも変わる。あなたを攻撃する人は、リアル社会では不満があっても何も批判できないから、ネットで日本を八つ当たりの対象にする。かわいそうな人たちだ」。 

知らない人、自分のことを何もわかってない人がいう中傷の言葉を気にする必要がないだろう。ネットで他人を誹謗中傷する人には、自身が大変な悩みまたこころの病を抱いているかもしれない。  

穏やかに生きるためには自身が強くなるしかない。知らない誰かが自分を中傷した。その誰かの過ちを自分で罰してはいけない。 


 在宅勤務意識の日中比較 

友人から聞いた話。同居する彼氏は在宅勤務以来、毎日、出勤時間になる前、スーツを纏い、ネクタイを結ぶ。それからパソコンの前に座り、「仕事中邪魔しないでね」と言われて仕事をスタート… 

今年、中国でも在宅勤務を進められる。数人の友人に尋ねてみると、「在宅勤務は成果主義だ。家の中、仕事の形式にこだわらない。気楽にすればいい」と皆が異口同音。つまり、いい結果が出れば、勤務時間中、ちょっと気分転換にゲームをしたり、外出したりでもいいと多くの人が思われているらしい。

 ただし、在宅勤務は会社出勤よりもっと疲れたと文句を言う人もいった。なぜなら、オンラインなので、夜中でもしばしば上司のメッセージが届いてきて、仕事を頼まれる。まるで休日なく24時間勤務、しかも、残業代をもらえない。 


 オンラインでの人生行事 

2020年、私たちがオンラインでさまざまな新しいことを試した。オンライン飲み会、オンライン授業、オンライン旅行、そして、オンラインでお見合い、婚約、結婚式…オンラインで結婚式など尊い人生行事ができる時代になっている。 

新型コロナ時代、日本と中国の間、離れ離れの家族物語が多かったそうである。先日、80歳の父親が中国故郷で椎間板ヘルニアの手術を受けた。幸い、4時間にわたって手術が無事終了。手術中、家族が手術室外で撮った緊張感あふれるモニター心電図の写真を送ってくれた…自分がずっと手術室の外で待っている気分であった…新型コロナ時代、親の手術をオンラインで見守ること。とても複雑な気持ちになった。 

「オンラインは自分との対面」、あたかも佛語だが、自分にとって新型コロナ時代の精神修練である。オンラインには温度と匂いはないものの、心がある。オンラインで人間同士がもっと優しく接しましょう。


 ~日本と中国、なんでも比べる~ 

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