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断酒32年目の父から娘が学んだこと

2020.08.06 05:23




私の父は今年で61歳になります。

そして32年間、断酒しているそうです。



人生の大半、

ずっとお酒を飲んでいないということです。






なぜ私の父はお酒をやめたのでしょうか?


そこには「命をかける」という

父の壮絶な覚悟がありました。





当時19歳、大学に入ったばかりの父は

大学の男子寮でお酒の味をしりました。



男子大学生なら

「楽しむためにお酒をのむ」ということは

あるとお思います。


しかし19歳の父は

生まれつき「死や地獄」といったものに

恐怖を感じる神経質体質だったそうです。


病気でもなく体質だったため、

治し方もわからず

恐怖を忘れるためにお酒をのんでいたと言います。





1日に飲むお酒の量は


・瓶ビール2本

・日本酒3合

・ウイスキーをボトル5分の1


これを365日。




大学1年生から4年生までの4年間

就職してからの6年間

29歳になるまでの計10年間。


ずっとずっとお酒を飲む毎日。



いえ、

お酒に呑まれていた

と言った方が正しいですね。





お酒の飲み過ぎで

会社に遅刻する日々。


見かねた両親は

父が29歳の時に断酒会へ入れることにしました。



断酒会では同じようにお酒で悩んだり

病気になって人生を挫折した人が、

もうお酒を飲まないと決意していました。



また、

そんなお互いを励ましあっていました。




そのおかげもあって父は、今まで避けていた

「自分がなぜお酒を飲んでしまうのか?」

という根の深い原因を知ることになりました。



父が神経質だったことはお伝えしましたが、

本来の父は「命を生かしきりたい」と思うほど生きることへの執念が強い人でした。




確かに、父はよく家で戦争映画や

ドキュメンタリーを熱心に見ています。

絶対に録画を忘れません。



「命を生かしたい」のに

「生かせないのが怖い」

これが父の抱える大きな

“闇”であり原因だったのです。



徐々に自分の闇に気づいた父は

必死になってお酒から距離をとりました。



お酒をやめると決めても最初の2〜3年は

飲みたいきもちが頻繁にありました。

しかし、20年を超えたあたりから

年に1回しか思わなくなったそうです。



そして30年を超えたあたりから、


「命を生かせることをしよう!」


「命をかける何かを自分に与えよう!」


と思いました。




そして父は覚悟を決めました。





「お酒をのまないことに命をかける」



ここまで至るのに

つまようじで井戸を掘るような

スピードだったと父は話します。




こうして父は

今年で断酒歴32年目をむかえます。

お酒の味がするチョコも

ノンアルコールも絶対のみません。


父は死ぬまでお酒はのまないと決めているそうです。




今回私は父から話を聞いて、

お酒で苦労している人

人生に挫折してしまった人のためになったらと思い文章にしました。




そんな私も1年半ほど断酒をしています。

理由は何かをやめると決めることで「自分を律していたいから」です。


意図的にお酒を飲まない人のことを最近では

「ソーバーキュリアス」と言います。




父に話したら「イマドキやな!笑」と

笑っていました。 




親子だからなのか分かりませんが、

これからも父とは"断酒仲間"として

仲良くしていきたいと思います。







乾杯をするなら炭酸ジュースで。