「まちづくり」という言葉はどういう意味合いで使われているか?
「まちづくり」という言葉は、使う人によってずれることが多い気がしているので、この機会に「どういう意味で使われているのか」を整理してみた。
まず、「まち」や「まちづくり」という概念を、自分とのどれくらいの距離感のものとして捉えているのかで、いくつかレイヤーのようなものが見える気がする。
例えば、自治体職員と話をしていると、「A市」のような行政区での議論、また、近隣市やエリア(また1段大きいと、県や東海地方など)で語る議論が多い印象だ。
また、住民の方と話したりしていると、生活圏内(よくあげられるのは、小学校区単位)で語られるケースが多かったり、ご近所さんという感覚でまちづくりを話題にすることが多い印象を受ける。
図にすると、距離の大小でまちづくりを使うときの「意味」が異なると言えるかもしれない。
また、もう1つの捉え方として、アプローチとしての「まちづくり」もいくつか視点がある。
典型的なのは、「地域活性化」や「まちおこし・地域おこし」など、経済性の意味を帯びた「まちづくり」というものと、生活者同士の関係性などのネットワーキング(繋がり)の意味を帯びた「まちづくり」だろうか。
都市計画や建築の立場だと、都市機能や環境としてのまちづくり(例えば、公園や図書館、道路などの位置関係やその影響など)を語るケースもあるし、また、「市民参加」や「市民の権利」としての「まちへの参加」としてのまちづくりを語るケースもある。
そしてこのアプローチもどれか1つではなく、複数のアプローチや視点が混ざりながら進行することが多く、また、どらくらいの「距離感」で考えるかということも、話し合いや会議の中では、ズレが生じやすい。
それくらい、非常に使い勝手もよい言葉ではあるものの、イマイチまちづくりが「ピンとこない」のも、複数の意味合いを含んでいるからではないだろうか。
だからこそ、その場やプロジェクトの構成員の中で、まちづくりを考える際の意味の共有・構築は丁寧にした方がいいのかもしれないと、ある会議に参加しながら考えていた。