Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

タマノカンザシ(玉簪花、玉の簪)

2020.08.06 14:18

http://kigosai.sub.jp/archives/15469  【擬宝珠】

gibosiぎぼうし/ぎばうし

仲夏

擬宝珠の花/花擬宝珠/ぎぼし/玉簪花/高麗擬宝珠

【解説】

ユリ科の多年草。山野に自生する。葉の形が仏教装飾の擬宝珠に似ていることから名づけられた。六、七月頃に長い花茎を出し、筒状の花を横向きにつける。色は白、紫、薄紫など十余りの種類がある

【科学的見解】

擬宝珠の仲間は複数種存在するが、代表的な種としてはオオバギボウシとコバギボウシが挙げられる。オオバギボウシは、北海道西部から九州の丘陵地から山地に自生している。また、コバギボウシは、オオバギボウシより葉が小さく、北海道から九州の湿り気のある草原に生育している。近年、ギボウシ類は品種改良が行われ、斑入りのものなどが作出されており、庭先や公園などに植栽されている。(藤吉正明記)

玉簪花や葉をぬきさける花の時

三伍 「発句題叢」


https://annabelle.at.webry.info/200708/article_26.html  【タマノカンザシ(玉簪花、玉の簪)】より

普通のギボウシは朝咲いて夜に萎む一日花だが、月下美人と同じように夕方から開花して朝萎む一夜花のギボウシがある。

「タマノカンザシ(玉簪花、または玉の簪)」と呼ばれるのもだが、独特の芳香があり、普通のギボウシより花も大きく真っ白なので観賞用として持て囃されている。

我が家では知り合いの方に2株戴いて、半日陰ということで木犀の木の傍の下に植えて置いた。段々大株になり楽しみだったが、年々そこも日陰が多くなって次第に株が弱って来、去年秋に堀りあげて別の場所に移動したら当初より株が小さくなってしまっていた。

随分株も弱っているようで完全に枯らしたら悪く、慌ててスペアとしてまた一株を求めて植えた。

求めたその株に蕾が出来、期待していた初花を見損なったが、今また次々に開花している。

この花は月下美人やヨルガオ、カラスウリなどと同じように夕方から咲き、虫を呼ぶ為に花色が白く芳香を放つので、匂いギボウシとも言われる。

地植えしてあるので夜の開花を懐中電灯で見なくてはならず、夕方忙しくして知らずに朝気が付いて見ると、残念ながらもう開花が終わって萎んでいる。

これはユリ科ギボウシ属だが中国原産のもので、日本原産のギボウシとは違って花期的に遅く、夏の終わり頃から花茎が出、1輪の花は他のギボウシと比べると大きく、この属の中で唯一の芳香がある。

普通のギボウシは東アジアに分布し、特に日本はギボウシ王国で、あちこちの山に大小さまざまに自生しており変異が少ないそうだ。山菜としても若芽を「ウルイ」として食べるようだ。

なお日本のギボウシが外国で品種改良されてホスタ名で葉色の綺麗なものが出回っている。

中国では楊貴妃もその優美な香りを好んだそうだが、日本には昭和初期にヨーロッパ経由で渡来しているようだ。(江戸後期との記述もあるようだ・・・・。)

中国では「玉の簪」にまつわる伝説があり、天女の持つ簪が落ちたところよりギボウシが咲いたとされ、長く大きな蕾を玉(ぎょく)で作った簪に例えたものだそうだ。

詳しい花伝説は下のHPにて。

タマノカンザシ伝説(花言葉;花によせて)HPさま

このタマノカンザシは大株でしかも夜咲きの芳香のあるギボウシなので、小さな株で昼間にその開花を見たいとの願いで、この頃これが交配親として品種改良され、香りを出し昼間咲く小型種なども出回っているようだ。

山野草の店では八重種のものも見かけている。

連日の暑い夜、夕顔と共に毎夜咲いて優美な香りを楽しませてくれていたが、ここ数日の小雨の中で咲き、朝萎えているのを見るとちょっと侘しく感じる。

せっかく戴いたものも枯らさずに育て上げ、何時の日にかの開花を期待したいものだ。

「わが胸は小さくなりぬ花擬宝珠」(石田波郷)

「過ぎし世はやさしかりし花ぎぼうし」(斉藤道子)

「ひらけゆく何あらねどもくだりゆく秋の無量のひかりさす坂」(高嶋健一)

「水の上はただひろらにて降りいづる雨明るしと向ひてゐるも」(々)

 

<タマノカンザシ(玉簪花:広辞苑、 玉の簪)>

ユリ科ギボウシ属

学名:Hosta plantaginea var. japonica

原産地:中国

花期:8月下旬~9月上旬(夜開花、朝萎む)

性状:耐寒性宿根草(冬は地上部のない状態)保水性のある、肥沃な場所

管理:日当たり~半日陰

草丈:高さ50cm

「人知れず玉の簪夜を籠めて花咲き今朝の庭に萎れて」

「膨らみし白き蕾の雨含み玉の簪黄昏に咲く」

「夕暮れてひそかに花の開きゆく玉の簪香を放ちつつ」