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朝日新聞紙面モニター体験記

2014.08.05 12:21

 朝日新聞の読者モニターが三月で任期終了となり、引き続き「クイックモニター」なるタスクに就いたことをまえに報告した。

 その日の朝刊でひとつ記事を選び感想文を書く。その日の午前11時までにメールで入稿する。その日の夕方5時に結果発表。「参考になった感想文」が選り出されメールで通知される。「朝出して夕方ばっちり」。クリーニング屋のようなシステムである。

  

 早朝から新聞を読まなければならない。会社員には到底ムリ。主婦も猫の手も借りたい時間帯。自営業者はどうか。ヒマだから書いていると来客ありで〆切に間に合わず。定年退職組がしぜんメインとなってくる。

 やりたいとき書きたい記事があったときに参加すればよい決まりゆえ気楽だが、やらないとだんだん疎かになっていく。精一杯やらずに任期終了となって後悔しないために早起きした日はマーカーペンを手に新聞を広げる。これはとひさびさに筆を取ったのが次の記事だった。


 「女が生きる男が生きる/STAP騒動から考える」(7月9日付)。騒動に絡む一連の報道姿勢に疑問を感じた女性記者が「隠れた意識」をキーワードに男女共生について考える。 

 一見いまさらなネタに思えるが、先ごろ物議を醸した都議会での「セクハラヤジ」を同質の問題と捉えたことでタイムリーな総括となった。自信に満ちた力強い論調を生んでいる。

  

 小保方晴子というなんの変哲もないキャラクターが関係者、それにマスコミの正常な感覚を麻痺させたことは事実で、それに至った深層心理があぶりだされる。と同時に女性の社会での在り方を問う。

 「STAP報道に通底する不愉快さの正体をみる思いがした」と私は例によってフルスイングしたが選外だった。選出分含めてすべての感想文を読んだが意外にシニカルな意見が多く、場合によってはそれもまた女性蔑視と受け取れかねない意見もあった。

 

 翌日には下編が掲載された。読者から感想を広く呼び掛けたこともありツィッターほかで大反響となった。現在シリーズ六編目。活発な意見が飛び交う。しかし――。なにもかも「隠れた意識」と片付けてしまい、男性社会のなかで女性が地位を向上させることがいかに大変かという嘆き節に終始している感は否めない。そうした意見を寄せたところ「参考になりました」に選出され図書カードが本日送られてきた〓写真。

 

 それにしても。割烹着もヴィヴィアンのリングも一昔前の写真にみえる。はやくも風化した感があるが、本日、悲劇が起ってしまった。「騒動」から「事件」へ。ここは慎重にもう一度この問題と向き合う必要がありそうだ。