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あひるのこ 絵本とわらべうた

ゆうさんの子育てコラムvol.7「梅はいとをかし」

2020.08.07 06:00

明けない長ーい梅雨が8月と共に明け、

ローギアから、突然トップギアに切り替わった今年の夏のお天気。

わたしの日常も、夏休みの始まりと共に、プールだ海だ、習い事に宿題と、あっという間に終わってしまう日々の始まり(笑)。

その隙間を見つけてはせっせこ、塩漬けしていた梅を天日干している最近です。


そう梅。たかだか梅。されど梅。

梅シロップから始まった梅仕事を始めて9年目。

梅干し作りを始めて8年目。

わたしの岩手の実家には、

裏山に大きな梅の木が2本あり、

毎年見事な梅を実らせていました。

わたしのおじいちゃん・おばあちゃんにとってはこの梅の実が、貴重な現金収入の一つで、

毎年、毎年、梅の実の収穫のお手伝いと、

その時期になるとお馴染みのおばちゃん達が買いに来て、みんなでお漬物やお茶菓子でお茶飲みをしながら、それはそれは特別に楽しい時間でした。

だからでしょうか。

年々作り続けては、

梅の魅力を知り、

梅の力に魅せられ、

早春に咲く梅の花の香りに始まり、

実が付く梅雨から梅仕事まで、

目で香りで手仕事で、最後に味わってと、

本当にわたしを愉しませてくれる梅さん達。

たかだか梅なのに、私にとっては丁寧語の「お」や「さん」・「ちゃん」をつけて呼んでしまいます(笑)


でもシンプルに梅さんは本当にすごくって、

日本の食べ物と言えば3本の指に「梅干し」は出てきますし、その梅干しがこれまたスゴイ!

1年で1番ジメジメした食中毒の起こりやすい梅雨になる実。

その実を塩漬けして、梅雨が明けたら熱い太陽の下で干し、完成させる梅干し。

ジメジメの時期の副産物は、なんと一手間で殺菌力の強い食べるお薬にもなる食べ物に変身するんです!!

そして出来立ての梅干しを頂けば、熱い夏を元気に乗り切る力を与えてくれるという!!

嗚呼、なんて事で素晴らしいんでしょう!

自然の摂理の見事さ、無駄のなさ、補い合う関係にわたしは1人いつも感動しきっきり。


そんな梅は日本語でも存在感を示しているんです。梅雨にも「梅」、めでたい松竹梅にも「梅」。

また良い塩梅(あんばい)ってことばありますよね。

実は、梅干しを作る時の塩加減が由来の言葉でして、保存性を高める為には塩は濃い方が良いのですが、濃くし過ぎては食べづらく、味を優先させて塩が少なければ保存性にかけてしまう。。。そんな塩味と保存性の絶妙の着地点としての塩梅。つまり絶妙なバランス。


良い加減としての塩梅(あんばい)って、

今を一生懸命生きている、

お母さん達にぴったりな言葉だなぁって。

気持ちのバランスを保つこと、

体のバランスを保つこと、

私の為の時間と子供の為の時間、

家族の時間と夫婦の時間、

言葉かけの強さ・弱さ、

子に触れる手の加減、

良い塩梅(あんばい)でね。


一直線過ぎず、頑張り過ぎず、

適度に曲がりくねり、時には休んだり諦めたり。


子育てと共に私の人生も一緒に進んで行くのだから、なるべくなら楽しく嬉しい時間が多い方が良いじゃない。

お母さんが笑った時間が多い方が、

きっと子どもたちも嬉しいんじゃないかしら。

だから、自分にも常々良いあんばいを目指していて、家族にはどこまで伝わっているかわかりませんが、良く「良いあんばいでやっときな」と言葉掛けしてます。

今の自分の精一杯で良いよ、

疲れているならそれなりに、

エネルギーたっぷりなら使い切るつもりで張り切ってと祈りを込めて。


そんな梅一つで語ってしまうわたし。

娘からは梅中毒と言われて飽きられます(笑)

(ゆう)