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退屈と惰性と 改

SS オーバーロード レビュー

2020.08.08 05:25

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SS-54 ディセプティコン オーバーロード” です。


 実写映画第2作、“トランスフォーマー リベンジ” に登場したディセプティコンの合体兵士、“デバステーター” を構成する8体のコンストラクティコンのトリを飾る、

“オーバーロード” が発売。

 スクラップメタルに始まるデバステ-ターマラソンが、1年と3ヶ月を経て遂にゴールとなりました。


 スタジオシリーズにおいてコンストラクティコンのリメイク、しかもデバステーターへの合体を再現というニュースを知ったときには、まず自分の目と耳を疑いましたが、そんな嘘のような本当の話も遂に完結の時を迎えました。

 初っ端からして、ほぼ隠れキャラのスクラップメタルをレギュラーメンバーに昇格させるなど、けっこうなサプライズがあったり、個々のメンバーの出来については思うところがあったりなかったり、というようなこともありましたが、ともかくも意外と早くゴールしてくれたことに感謝と労いを。

 ただ、合体状態のデバステーターも含めてのレビューとなるとかなりのボリュームになってしまうので、今回はオーバーロード単体の紹介に留め、デバステーターについてはまた後日、あらためて書きたいと思います。

 さてオーバーロードというと、まず超神マスターフォースに登場したゴッドマスターの彼(彼女)を思い浮かべてしまいますが、このオーバーロードはそちらとは一切関係がなく(スペルも違うようです)、G1オリジナルのコンストラクティコンにも該当するキャラのいないので、実写版のオリジナルキャラということでいいと思います。

 デバステーターへの合体時は腰部を担当しますが、映画ではビークルモードが一瞬登場したのみでロボットモードへ変形することはなく、当時のトイでもスタンダードサイズでは発売されないばかりかシュプリームクラスでもハブられ、唯一EZコレクションでのみ発売されるという、ハイタワー以下の扱いに甘んじることに・・

 しかし、今回のリーダークラスのリメイクでこれまでの不遇も報われたことでしょう。

 それでは、レビューしていきます。


ロボットモード

 ゴツめの胴体に埋まった首など、同じダンプカーに変形するロングハウルのロボットモードと若干似た部分はありますが、決定的に違うのが大きく張り出した肩肩とそこから生える4本の腕。

 異形揃いのコンストラクティコンのなかでも、一際異彩を放つシルエットです。

 コンセプトアートのなかには、この4本腕に加えて4本脚の姿で描かれているものもありますが、今回の2本脚が公式に決定したデザインということになるのだと思います。

 背はそれほど高くはないんですが、肩アーマーを拡げた際の横幅がとにかくすごいです。

 後ろ姿は案外すっきり。

 頭の後ろにある、サソリの尾のように見えるスパイクは基本固定ですが、ジョイントを外すことでそれこそ尻尾のように下ろすことも可能です。

 足首はスイング幅が広く、踵もしっかりあるので接地性は抜群。自立はまったく問題ありません。

 外側の腕を収納して肩全体を下げてやると、やっぱりロングハウルに似てる気がします。


 顔をアップで。

 パッと見、団子っ鼻で歯も剥き出しにしてるみたいで 不細工に見えますが、その鼻みたく見える真ん中の穴・・その奥にあるのがたぶん本来メインとなる目で、左右の目はあくまでサブなんだと思われます。

 そう思ってあらためて見ると、なかなかに格好いいです。


 腕部も先端部分をアップで。

 内側のメインアーム先端はフック状で可動しますが、外側のサブアーム先端のクローは開閉しません。


 オプションパーツとして、デバステーターへの合体時、ミックスマスターのミキサー部分に被せることで劇中のイメージを再現するためのパーツが、なぜかこのオーバーロードに付属します。

 なんだろう? あとから追加しろ! ってことになったんだろうか?

 すごく取って付けた感があるんですが・・


 ロボットモードでは背面に取り付けることができるんですが、

 やはり取って付けて感が否めません。

 せめてこのパーツも多少なりとも変形して、武器っぽくなるとかならまだしも・・


ビークルモード

 劇中ではコマツ・HD465-7 のア-キュレイトダンプトラックに変形・・というか、その姿でしか出てきませんでしたね。

 アーキュレイトダンプトラックとは、トレーラートラックのように荷台部分を牽引するタイプのダンプトラックで、本来車両部分と荷台部分は可動するフレームで連結されているんですが・・

 今回のビークルモードでは完全に固定されています。まっすぐです。

 というか、もはや実車に近付けようという気はないですね。

 それはスクラッパー・・いや、もうスカベンジャーの段階でかなり割り切っていた感はあります。

 ただ、スクラッパーの場合は複雑なディティールがむしろモンスターマシン的な雰囲気で格好良かったですし、スカベンジャーの場合は全体のまとまりはともかく、とりあえず大型油圧ショベルらしいものにはなっていました。

 しかし今回のこれは・・とりあえずダンプには見えないなぁ。荷台部分がほぼフラットですしね。単なる運搬車両という感じ。

 そしてちらりと見えてしまっているフック。ここへきてまたクロー問題が再燃するとは・・もう少し頑張ったら隠せそうなのになぁ。

 荷台部分の後端が左右対称でないのは、ランページとロングハウルで合体用ジョイントの形状が違うためですね。ここもなんで? という思いが少なからずあります。

 6つのタイヤはもちろんちゃんと全部転がるんですが、個体差か、後ろが微妙に浮き気味でした。

 変形は、4本の腕の収納が少し複雑な部分もありますが、それ以外はかなりシンプル。

 合体時全体の重さを支える要となるメンバーですし、そこは強度重視ということですね。


 ビークルモードでは荷台部分にオプションパーツを取り付けることが可能。

 こうなると、飛行機とかに使われるどでかいパーツを運搬するための車両みたいな感じです。


合体モード

 今回の合体ではデバスターの腹部から腰部、そして太腿までを担当。

 ロボットモードからは上下が逆さまになっています。

 後ろにあるスライド式のジョイントでスカベンジャーのホイールパーツと連結、さらに運転席が繋がるパネル状のパーツで補助的に固定するようなかたちで、かなりかっちりと合体できます。

 上方に伸ばしているロボットモードの脚部はとくに固定されす、スカベンジャーに沿わせるようなかたちで位置を調整するのみ。

 ただ、この脚部パーツが姿勢変更、オリジナル合体においてけっこう重要なポイントになってきます。詳しくは後日、デバステーターのレビューで。

 股関節はロボットモードの肩間接がそのまま使われており、硬めのクリック機構で保持力が確保されていますが、それでも合体後の上半身すべての重さがかかるとけっこうあっさり負けてしまうこともあり、油断はできません。


比較画像

 まずはこれまでに唯一発売されていたEZコレクション版と、各モードで。

 EZコレクション版は、当時では設定通りとされた7体(スクラップメタルを除く)での合体を再現しつつ、それぞれ単体でもロボット⇔ビークルへの変形を再現した、小サイズながら非常によくできたアイテムです。

 僕は今でもわりとすぐ手に取れる場所に置いていて、ときどき変形、合体を繰り返すくらいお気に入りです。

 意外と遠くないロボットモード。

 ビークルモードが、やっぱり1番近いフォルムになりますね。

 でも、EZコレクション版のほうが荷台に余計なものが見えていないというのも・・

 合体モードはさすがに随分見ためが違います。

 なお、EZコレクション版ではランページとロングハウルの合体用ジョイントの仕様は共通なので、左右を入れ換えることが可能です。


 ともに胴体担当、かつ同じリーダークラスのスカベンジャーと。ロボットモードで。

 カラーもほとんど共通なのでコンビ感がありますが、なんだこのエイリアンっぽいツーショットは・・(笑)

 当然ボリュームはほぼ同じですが、スカベンジャーが劇中冒頭で大暴れしたデモリッシャーと同じサイズだとしたら、オーバーロードもまためちゃくちゃでかいことになりますね。


 ビークルモードでも。

 例によってこちらのスケール感はかなり怪しい・・

 そして、やはり初期のメンバーに較べてさらに構造やディティールが大味になている感は否めません。

 まぁ、この2体はデバステーターの中枢となる存在ですし、なによりもまず強度の確保が再重要課題だったのだと思いますが。

 それに、実車再現はもうほどほどなんだと割り切ってしまえば、でかい建設車両トイとしての存在感には満足できるものがあります。

 下半身担当組で並べて。まずはロボットモード。

 背の高さはさほど変わりませんが、やはりオーバーロードの横幅!

 で、この並びだとロングハウルが1番小柄に見えるという・・


 ビークルモードでも。

 やはりスケール感はよくわかりません。

以下、画像

 頭部はボールジョイントで上下左右に可動。

 腰は固定。

 脚部も膝は90度までは曲がりませんが、足首が大きくスイングできることもあり、かなりの大股開きでもしっかり接地、自立してくれます。

 特徴的な4本腕については、まず全体が根元で回転、さらに上方に跳ね上げが可能。

 さらにその先、内側のメインアームとアーマーの基部で回転。

 メインアームは根元で回転。肘は二重関節で深く曲げられ、先端のフックも可動します。

 外側のサブアームは、アーマーとの接続部分と肘で可動。前腕にあたる赤い部分に回転軸があり、クローの根元がまた可動。クローの開閉はできません。

 可動部自体はなかなか多いのですが、実際の動きにはけっこうクセがあるのでポージングには苦労しました。

 案外サブアームの扱いに困るんですよね。根元にもう1つ回転軸があればよかったんですが・・あと、クローもやっぱり開閉できるようにしてほしかった。

 各可動部には軟質パーツ(といってもかなり硬めですが)が使われているところがけっこうあり、そういった部分についてはけっこうおそるおそる試しながら動かしていった印象です。

 また、これは個体差かもしれませんが股関節がかなり硬く、折れてしまわないかビクビクでした。まぁ、何度か動かしていくうちに随分スムーズにはなりましたが・・

 それと、スタンド対応穴らしきものはありませんでした。


 簡易ベースの背景は、お馴染みのエジプトの砂漠。

 もう端から台の上には乗せられません。


 ちょっとお遊びということで、スカベンジャーとの2体合体で謎のエイリアンビークルにしてみました。

 カラーも相まって、思った以上に綺麗にまとまりました。

 サソリと恐竜かなにかのキメラ型ビーストマシンのようにも見えます。

 まだまだ、ほかのメンバー含めてオレ変形を楽しめる余地はありそうですし、暇を見ては弄ってみようと思います。


 以上、“SS オーバーロード” でした。


 コンストラクティコンのトリ(スキップジャックがまだ残ってますが、あれはオマケなのでww)を飾るに相応しいインパクト、そしてボリュームのあるアイテムだったと思います、このオーバーロード。

 ロボットモードが劇中未登場ということではハイタワーもそうですが、あちらがスクラップメタルのレギュラー昇格の煽りを受けて(?)デラックスクラスになってしまった(とはいうものの、特異なデザインも相まって印象としてのボリュームはボイジャークラスにも引けを取りませんでしたが)のに対し、こちらはスカベンジャーと並ぶリーダークラスでその存在感をしっかりと示してくれました。

 なにより巨体に4本腕というケレンミたっぷりのロボットモード。腕部の可動にわずかな物足りなさはあるものの、唯一無二のそのデザインはこの先長くトランスフォーマー史において語り継がれるように思います。

 ビークルモードに関しては、すでにその再現度は二の次と割り切られた感もあるので、はもはや深く突っ込むことはしません。カッチリ変形してくれるだけで十分という気持ちすらあります(笑)。

 そして合体モード・・については、またデバステーターのレビューで書きましょうかね。

 単体でも十分楽しめます。もちろん、メンバー8体全員揃っていたほうがより一層楽しめるのは間違いないですが。

 しかし、スクラッパーもそうでしたが、このオーバーロードも通販の予約などはかなり早い段階で難しい状況でしたね。

 僕は結局どこでも予約できないまま発売日を迎えたのですが、その日はたまたま朝から動くことができたので開店直後のヨドバシに行って無事ゲットすることができました。

 シージやアースライズは発売日の半年くらい前から予約が解禁され、ほぼ問題なく予約できるのに、どうしてスタジオシリーズはけっこう迫った時期に解禁され、モノによってはその直後からもう入手困難・・みたいな状況になるのか?

 本当、なにが違うんですかね?


 ともかくも、スタジオシリーズもこれで大きな山を1つ越えた感があります。

 もちろん以降もシリーズは継続し、先日もレッカーズの2番手、トップスピンとリベンジ版サウンドウェーブの日本での予約が開始されたばかりです。

 レッカーズは、レッドフットの日本発売も決定しましたし、当然我が家でも集合してもらうつもりですが、音波さんのほうはなぁ・・

 サウンドウェーブはトランスフォーマーで1番好きなキャラなので、贔屓にはしたいんですが、アレは今さらスタジオシリーズとして出すモノなのだろうか・・?

 せめてラヴィッジが一緒なら・・と思うのですが、ラヴィッジはグラインダーとセットになるらしいし。

 ていうかブラックアウト持ってるから、グラインダーはスルーしたかったんだけど・・

 冬以降の展開が気になります。ザ・ムービー版らしきアイテムの詳細もまだわかりませんしね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。