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酒場BETTAKO

BETTAKO -其の173-

2020.08.08 01:24

蝉の音を聞くと夏らしさを想ふ。

鈴虫の音を聞くと初秋らしさを想ふ。


あっという間に、8月になった感。


漁師、生産者、製造者の人々に感謝。

市場の人々に感謝。客人さん達に感謝。

素材を見なければレシピは生まれず。

手にした素材でお前は何ができる?

常に閃きだけは忘れたくも無くしたくもない。


酒と料理。

己にとっては芸人でしかない。

己が抱えるネタの数。

雑な組み合わせは、見てくれはいいが、

味覚と風味に雑が生まれ、単純なネタは

飽きられる。


ほう。そうきたか。


態々このご時世、カウンターという

場舞台の前に腰を下ろし、己の芸を

見にきてくれるわけだから、感謝しかない。

料理とつまみは紙一重で異なる。

つまみとおかずは、二重で異なる。


それは酒の世界も混一である、故に

路地裏に足を伸ばしてくれる客人さん達の

ために、今宵も暖簾をかける…そんな

日が日々続く。