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杉原杏璃 著「......and LOVE」 まるで蓮の如し

2015.07.06 06:38

【芸能ニュース】 投資家でグラドルの杉原杏璃(壬戌)が、処女作となる「......and LOVE/双葉社」を発売した。やや自伝的要素がある小説で、紳士が書店で購入するには少々恥ずかしい表紙となっている。中身は官能的要素もあり、男子向け、というよりは女子(グラドルやグラドルを目指す者)向けであろうか。

<結婚しない宣言>

 杉原の芸歴は、十年を超えるベテランのグラドル。その間に起きた杉原の経験や心情が、本著の節々に撒かれている。レビューを兼ねて、本著から引用したい(「」内)。前書きには、杉原が結婚しない旨を述べている。


「結婚だけはないから、安心して下さい・・・だぶん、おそらく、結婚はないでしょうし」


本著では複数の男子が登場する。杉原は優れたプロポーションの持ち主で、表情や声も愛嬌も良い。芸能界である以上、様々な男子を観てきたのであろう。そんな杉原の本音が前書きに記されていた。蓋然性は高い。何故ならば、グラドル特有のポージングについて次の件があった。

「恥ずかしいと思うなら、はじめからやらなければいい―――。それがプロフェッショナルとしての自覚でありプライドだったから」


杉原を取材してきて、この件には大いに納得がいく。



<粋であるが、か弱い杉原杏璃>

 肝心の中身はどうであろうか。先ずは文体である。杉原の爽やか・律義さ・勇ましさ・弱さ・甘え等、美しさが体現されているであろう。雑誌グラビアやTVだけで杉原を知っているユーザには、イメージの異なりを与えるやも知れない。構成は五章。<旅立ち・デビュー・苦悩・卒業・アンリのその後>とグラドル人生の順を追って描かれている。<旅立ち>からは次の一文。


「男だったら、自分の魅力で振り向かせるのが当然でしょう!!」


杉原はアラサーだ。彼女が二〇歳くらいまでは、まだ社会の男子が“男らしさ”をもっていた(気にしていた)時代。しかし、この辺りから変な男子が増え始めたのも事実。その一文は、現代の男子は如何に思うのであろうか。その思いは、他にも散見される。


「おっぱいにしか興味のない、今思えば本当につまらない男だった」


男子が紳士になれない点が、ここだ。性欲にふけ、本人の心をみない。若しくは、みれない(性欲に負けてしまうので)。杉原だけでなくとも、Busty系なれば誰しもが出会う場面だ。大方、その場だけの優しさや甘さで性欲を満たすコトのみ望み、本人の未来(こころ)を鑑みない男子への苦言でもある。だが、<デビュー>で翻す。



<巨乳の価値を知る>

「一におっぱい、二におっぱい。三・四がなくて五におっぱい!これが、アンリがスカウトされるために編み出した必殺ファッションだった」


 杉原は視点を変えた。親から与えられた五体満足の自身を武器にする。杉原は、“神様がプレゼントした”と表現。<苦悩>では、心の闇について触れる。恐らく、本心では全て芸能界で闘う為。然しながら、心で見切りをつけた積りでも様々な現実で揺らぐ時が来る。その周囲の流れや心情が、Busty系女子の悩み・不安として男子は覚えられたい。<卒業>では、次の一文。


「結局は、ピーマン、ニンジン、玉ねぎ、ホルモンのようなワタシが大嫌いな男たちが、一夜のセックスを求めて行列を作っている」


心が痛む一文。日本男子の情けなさに頭を悩ませつつも、彼等が現代のG界を支えている事実も否定できない。少なくとも、イエローキャブ後期あたりから現代になる迄に、G界を取り巻く男子達は劣化していった。イエローキャブが悪いのではなく、下世話が増えた。



最後に紹介する件。


「恋もセックスも、きれいなだけじゃ済まされない。そこにはズルさや、醜さがいっぱい詰まっている」


G界のリリースするDVDは、低品質(まるでR18指定)なものが増えている。杉原らのトップ級グラドルがG界の品位を保つ為に抗って事実を知られたい。ほんの少し脚を突っ込んでしまう時もあるかもしれないが、彼女達(マネージャを含む)の強い意志のお陰でG界の品位は保っている。彼女達はグラビア アイドル。本来、健康的で爽やかな、水着を主とするアイドル(偶像)なのだ。最終章の<アンリのその後>は、直接読まれたい。肝要であろう。


然し、残念なのであろうか。“蓮”は綺麗な水では、花を咲かせない。


記者:金剛