monochrome diary

上野竹林王国物語~白浜王国編~⑩

2016.06.20 04:00

【白浜王国宮殿内書物庫】


某日、海浜はここにいた。

とある調べ物をするために。



事の始まりは、遡ること数日前。


海「最近、あの2人の機嫌が悪くて困ってるんですよ、パパ~。・゚・(*ノД`*)・゚・。」


永明「おや、あの2人とは?」


海「…決まってるじやないですか。陽たんと優ちゃんですよ!」


海浜は呆れながらお茶をすする。

そしていつも思わずにはいられない。


「この呑気な国王で、この国の将来は大丈夫なんだろうか」


と。。。



永明「まあまあ、落ち着きたまえ。あの2人が機嫌悪いくらい可愛いもんだ」


海「僕、今しか知らないもん…」


永明「いいかい、この国で最も怖いのは、陽たんでも優ちゃんでもなく、、、」


海「なく?」


永明「ママ…いや、女王だよ。彼女は色んな意味で最恐だ!」


海「………」


自分の妻を『最恐』とか言ってしまう父。

母が聞いたらどう思うだろうか。


海(やっぱ大丈夫じゃないよな、この国…。

っていうか、その最恐の人のおかげで何とかなってる気さえするよ(;´Д`))



海「で、どうしたらいいですかね?ママが最恐なのは分かったけど、今の僕にはあの2人の方が怖いよ」


変な方向に向いてしまった話を元に戻そうとする海浜。


そのとき、国王は言った。


永明「海くん!」


海「は、はい?」


永明「この城の地下に、書物庫がある。そこで『ここが分からぬ女心』という本を読んでみたまえ!」


海「は、はぁ…」


永明「それを読めば、きっと海くんの悩みは晴れるであろう.+*:゚+。.☆」





そんなわけで、やってきましたとも。

地下の書物庫ってやつに。


海「えーっと、、、『ここが変だよ国王は』、、、と」


すでにタイトルを間違えてる気がするが、ここは海浜が気付くまで放っておくしかない(´-ω-)ウム


海「どこなんだろ。『全て変だようちの国王』っと…」


どんどん違う方向に向かっているが、大丈夫なんだろうか(苦笑)



海「あ、永明ってパパと同じ名前の人の本がある」


知った名前の著者を見つけたらしい。

実際は「パパと同じ名前」の著者ではなく「パパ」そのものなんだが、ここも気付くまで放っておきましょう^^;


海「すごい、結構いっぱい出てる!えーっと『女性はみんな“お嬢さん”』、『明日という字は“明るい日”と書く』………」


一瞬、沈黙したあと、ようやく気付いたらしい。


海「これ、、、パパが書いてる…?」


( ̄▽ ̄;)

急に不安になったらしい。


海「じゃあ、これって…」


海浜の手には『ここが分からぬ女心』が握られていた。

そして海浜は、恐る恐る本を開く。


海「えーっと、“暴れる女性にはそっと美味しい笹を差し出してみよう”?」


…………(゜д゜)


海「あの2人なら投げ返して来そうだ。

で、次は、、、

“触らぬ神に祟りなし!無言を貫こう!”」


…………(゜д゜)


海浜は本を閉じた。


海「ダメだこりゃ。。。(lll __ __)バタッ」


もう自分で考えるしかなさそうだ。


と、そのとき。



海(ん?何だこれ?)


本棚の奥に隠すように置いてあった1冊の本。

海浜は気になって、それを引っ張り出してみる。


海「なになに。『白浜王国の歴史』。へぇ、こんなのあったんだ!」


ページを捲って行くと、そこには様々な歴史が綴られていた。


海浜の知らないことや、知っていることも。

そして、最後の方のページに見慣れた見出しを見つけた。


海「タイムリー!黄金のタケノコのことが書いてある!」


海浜は好奇心半分に読み進めていった。



☆黄金のタケノコを発見するには、幾つかの条件が必要となる。

一つに、一国の王位を継承する資格を持つもの



海「…これがリーリー王子とシンシン王女になるの、、、かな?

この条件なら僕も当てはまってるからパパは最初僕に行かせようと思っていたのかな??」



☆一つに魔法の使い手



海「これがデアさんになるのか…。ふむふむ」



☆一つにさすらえる旅人



海「よく分かんないけど、色んなとこ旅してるから物知りな人が必要ってことか??」



☆一つに穴の掘れる者



海「寧ろいちばん必要じゃない?タケノコ見つけても上手く穴が掘れなかったらダメじゃん…」


海浜は本を閉じた。


海「テキトーな人選だと思ってたけど、意外にちゃんと考えられていたんだね」


感心せずにはいられなかった。


海「ん?でも、桜桃ちゃんは何で…?」


と思ったとき、1枚の紙が落ちてきた。


海「?何だこりゃ」


海浜は落ちた紙を拾い上げる。

そこには、海浜が予想だにしないことが書かれていた。



同じ性を持つ双子、黄金のタケノコを前に覚醒する。



海「………」


内容を理解するのに時間がかかった。


海「パパはこれを知ってたってことか…」



紙には続きが書かれていた。


海「!?」



発見したタケノコを無事に王国に持ち帰れなかった場合、

旅人の未来を約束することはできない。



海「…どうしよう。僕、とんでもないもの見ちゃった気がする…(゜д゜)」






上野竹林王国物語の本編は、いのぱんだ様のブログでお楽しみ下さい・:*+.(( °ω° ))/.:+