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サクラス・インターン通信

withコロナ時代の生存戦略

2020.08.10 02:08
今回はインターンの竹田が、東大卒YouTuberのもっちゃんに、サクラス株式会社社長の池上さんを交えて、withコロナ時代の「生存戦略」について話を聞きました。

YouTuberといえば「好きなことで、生きていく」イメージが強いですが、実際のところはどうなのでしょうか。

(写真はすべて池上さん提供)

もっちゃん(上段左)

東京大学経済学部卒。東大留年を機にYouTubeを始めたことで話題になり「もっちゃんねる」は現在チャンネル登録者数5万人以上。

2019年からは映画の紹介や解説をメインに発信しており、役者としても活動中。


竹田: もっちゃんがYouTubeを始めたきっかけは何ですか?


もっちゃん: 大学4年生の3月に単位を落としてしまい留年が決まったことがきっかけです。そのときに「転んでもただでは起きない!どうせレールから外れたんだったら好きなことをしよう!」と思い、YouTube を始めました。その後、学生と会社員、YouTube の三足のわらじを履いていましたが、サクラスを通してフリーランスへの背中を押されました。しゅんダイアリー(当時サクラスインターン・YouTuber)達を見て、自分もYouTube に専念しようと思ったんです。今は、YouTubeの編集やディレクションなどの裏方の業務を主にしています。


池上さん: 映画関連の監督もしてるよね。


もっちゃん: そうですね。映画が好きなので自主映画に出たり監督をしたりしています。興味を持ったことに何でもチャレンジできるのは、フリーランスならではですね。


竹田: 会社員を辞めることに不安はありましたか?

もっちゃん: 幸いにも、サクラスを含めて仕事をくださる会社がいくつかあったので、収入面の不安はありませんでした。私の働いていた会社はベンチャーで、もともと給料があまり高くなかったのもあるかもしれませんが(笑)


池上: 東大生は大企業や公務員を選ぶ人が多いよね。そういう環境の中でベンチャー企業に入った時点で、そもそも腹を括っていたんだね。


竹田: どうしてそういう決断をできたのですか?


もっちゃん: 就活の軸が「自分の興味」だったからです。私は就活が上手くいかず、興味があったメディア・広告系の業界から内定がもらえませんでした。しかし、興味がない分野に進むのではなく、ベンチャーであっても興味のある分野に進みたいと考えました。そのため「食」や「メディア」に関連するベンチャーを選びました。


竹田: YouTuberといえば「好きなことで、生きていく」イメージですが、実際のところどうですか。


もっちゃん: 「好きなことで、生きていく」ことを甘く見ると、痛い目にあいます。上手くいっていないと実際は辛いです。軌道に乗っていたら新しい仕事がどんどん入ってくるし、活動が広がります。しかし、チャンネル登録者数が伸びなくてYouTubeを辞めてしまう人も周りには多くいます。

▲もっちゃんのTwitterより出演動画のサムネイル


池上: 自分が好きな動画を配信するだけでは結果を出せないから、YouTuberも甘い世界じゃないね。視聴者が求めるものを作らないといけなから、初めから「好きなことで生きていく」ことが出来るわけではない。もし現実逃避で会社を辞める人がいるとしたら、考え直したほうがいいのかもね。


もっちゃん: そうですね。あと、お金があることは本当に大事です。一時期、仕事が一気に無くなって絶望しました。ご祝儀を払うのがきつくて、結婚式に呼ばれたくないような時期もありました。


池上: 苦労していたんだね……。


もっちゃん: はい。本当に好きなことをやるにはお金が必要です。YouTuberを主な仕事とすると、お金を稼ぐことへの焦りが生まれて「自分のやりたいこと」から離れていきます。


池上: 今の時期はコロナの影響を大きく受けた人もいると思います。もっちゃんはどうですか?


もっちゃん: 幸いなことに大きな影響はありません。私はフリーランスですが、今は月単位で決まった仕事と定額収入があるので。ただ、フリーランスは景気が悪化すると「切られる」リスクもあります。だからそれが恐れる気持ちの方が大きいです。


池上: 日本は解雇規制が厳しい国なので、その分有期雇用や業務委託契約を終了するところから人件費に手をつけていくようなイメージがあるね。


竹田: withコロナ時代の「生存戦略」というと、何が大切なのでしょうか。


もっちゃん: 仮に景気が悪くなったとしても、YouTubeやオンラインサロンなどの「自分の商品」があると強いと思います。私は今YouTubeの更新を一時的に休んでいるので、再開しないといけないなと思ってます。


池上: これからは、フリーランスの人の中でも二極化が進むかもしれないね。その人ならではの「(無形)資産」があると生き残ると思います。


もっちゃん: フリーランスの仕事には、「いつまで続けられるのか」「今契約している会社との関係がこれからも続くのか」といった、今後のキャリアへの不安がつきものです。そういう時のために、フリーランスといえど人脈は作っておく必要があると思います。例えば「こういう事情で仕事がなくなりました。誰かご飯に行きませんか?」とFacebookに投稿すれば、知り合いが雇ってくれるかもしれない。通常の就職ルートが難しくても、YouTubeの活動を見て興味を持ってくれる人はいます。過去の自分の「遺産」を食いつぶす前に、未来に向けた投資をして「実績」や「信用」、「人脈」といった無形資産を積み上げておくことができれば、いざと言う時に身を守ることもできるのだと思います。


竹田: そうした「無形資産」はどんな方法で見つけることが出来るのでしょうか。


もっちゃん: 学生のうちは、働いてみるしかないと思います。例えば、興味のあるインターンやバイトに挑戦してみるのも良いでしょう。それを恐れて挑戦せずに就職してしまうと、就職後に悩むことになります。学生のうちは全然リスクがないし、入って自分に合わない場合は1ヵ月で辞めても後の仕事に響きません。だから学生の方はどんどん挑戦したらいいと思います。最終的に「無形資産」が積み上がってきたらフリーランスとして独立してもいいですし。


竹田: もっちゃんと池上さんが今大学生だったら今後のキャリアのために何をしますか。


池上: 社会に出たときに大変な思いをしないように、「給料以外」の方法でお金を稼ぐような経験をできたらいいな。道端で何かを売ってもいいし、ウェブサイトを作って「家庭教師をします」って自分を売ってもいい。親でも知人でもない「他人」からお金をもらうのは大変です。社会に出るとその苦しさに気づきます。僕の場合は、新卒の時にその苦しさに気づきました。コンサルになって働き始めると、お客さんから1日に20万円近いお金をもらうことになる。そのときに、1日走り回って資料を集めたとしても、仮説がそもそも間違っていたら、「今日のお金を頂きます、20万円です。」なんて言えないよね。自分の身内ではない人からお金を貰う経験は甘えが通用しません。「なんで僕はこの人たちからお金をもらっていいんだろう」と悩む日々でした。


竹田: もっちゃんはどうですか?


もっちゃん: 絶対YouTubeをやりますね。マーケティングの力が身に付く上に、人から興味を持ってもらえます。大企業に就職した友人にも、趣味としてYouTubeを始めようとしている人が何人かいます。副業としても良いのではないでしょうか。


竹田: それは素敵ですね!最後に、もっちゃんの今後の展望を教えてください。


もっちゃん: 展望ですか.....。YouTube再開。


池上: おおっ。


竹田: もっちゃんのこれからの活動が楽しみですね。

▲左はYouTuberのバンカラジオきいたさん


もっちゃんの話から、自分の強みを見つけて無形資産を積み上げていくことがwithコロナ時代を乗り越えるために必要なのだと感じた。

大学の環境や就活、働き方が大きく変化した今、無形資産を積み上げていくために様々なことに挑戦したい。

もっちゃんのYouTube チャンネルはこちら↓

(文/竹田つかさ=筑波大学 社会・国際学群 国際総合学類)