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簡単な英単語の発音を日本人はなぜ間違えているのか

2020.08.10 07:57

無知は罪 という言葉があります。

一方で、知らぬが仏 という諺もあります。

みなさんは どちらの言葉に共鳴しますか?


『知らない』のではなく『知ってるつもり』ということもあります。

『知らない』のであれば、自分の知識が十分でないということは認識しているので、いつか「調べてみよう」という気持ちになる日がくるかもしれません。


でも、「知っている」と思って、間違った認識をしていることに気づかない人は、それを「調べてみよう」「確認してみよう」と思う日は来ないかもしれません。


そこに落とし穴が潜んでいたりします。


『知っているつもり』でも、自分が既に持っている情報を 補強、あるいは、Update するつもりで、

もう一度調べてみると新たな情報や更に深い理解が得られることがあります。


そんな作業を大切にしていますか? 


現代人は 忙しいので、そんな時間 なかなか無いかもしれませんね。。

日本人は、一般的に、英語の発音に無頓着な方が多いと思います。


英文の意味さえ分かれば、発音はさほど重要ではない、という共通意識で英語教育が行われてきた期間が長かったためでしょうか。


欧米の傾向に敏感で、いち早く情報を取り入れ、発信するThought Leader や翻訳者にも 残念ながら受験勉強としての英語学習がメインだった人たちが少なくないため、日本人の英語の発音は、全体的に かなりザンネンな状況と言えます。


ビジネスやマネジメント関連書籍でも、英語からカタカナに変換された 謂わばカタカナ英語の乱用が目立ちますが、例えば


『マインドフルネス』という語の 『フル』の部分を強調して発音するのも、私は個人的に非常に気になりますが、メンタリストDaigo さんや中田敦彦さんのような ス―パーグレート インフルエンサーたちでさえ、(慣例に倣って?)そのようなイントネーションで言っていらっしゃるのは、わたし的にはザンネンな想いです。


彼らのような 膨大な数のファンやフォロワーを抱えていらっしゃる方々が、英語では正しくはこう発音する、、と発信してくださったら、日本人の英語力は全体的に底上げされると期待できるのですが、、、。


具体的に言うと・・


本来、英語では、beautiful と同様、語頭にアクセントを置いて発音する単語です。

 

mindfulness  /máindflnəs/


mentor   を 『メンター』と発音しているのも、気になります。 正しくは /méntɔr/  です。


これは、もしかしたら、 『doctor』 を『ドクター』と日本語で言うことから、辞書で発音記号調べるまでもなく、『mentor』も『メンター』なのだろうという早合点をした人が広めてしまったのが、日本人の間では慣用的となってしまったのかもしれません。


でも、違います。


mentor の正しい英語発音は 『めんと―』のような音です。


『コンフォートゾーン』も気になります。 自己啓発セミナーなどに参加して「あなたのコンフォートゾーンから出てみましょうよ」などと言われた経験がある人もおおいのではないでしょうか。


comfort


『o』を見ると、ローマ字というものに慣れ親しんでしまっている日本人の多くは、『お』と結び付けてしまいがちですが、

comfort  /kʌ́mfərt/

ですので、『お』の音は入っていません。 

あえてカタカナで書くとしたら 『かんふぁt』みたいな感じです。


『o』は、『お』と発音するより、『おう』か『あ』と発音されることが多いです。

この『おう』も『あ』も、日本語と全く同じ発音ではないですが、代用することで 英語は通じやすくなります。


日本語表記で説明して正確に説明することは出来ませんが、発音記号が分からない人もいることを想定して敢えて日本語表記にしてみますが、

少なくとも、『こんふぉーと』と発音するより『かmふぁt』と発音した方が、相手には聞きやすい英語発音になります。


drone  /dróun/  では 『おう』 のような音が入りますが、

この語から『r』を抜いた『done』という語は /dʌ́n/ と発音されます。


『v』が逆さになっている この発音記号は 軽い『あ』の音を表します。

love や oven、one や cup には この音が入ります。


その他、英語で silent letter(s) と呼ばれる "発音しない音"というのもあります。 

  aunt の 『u』、

  cupboard の 『p』、

  debris の 『s』、

  says の 『y』、

  towel ・jewel・answer ・brewery などの 『w』、

などがそれです。


他にも沢山あります。


その一方で、文字としてはそこにない音が発音される必要がある場合もあります。例えば、

question  /kwéstʃən/  の 『w』

choir   /kwáiər/  の 『w』

などです。


更に、ローマ字読みすると、確実に間違える英単語もあります。


先ほど、『o』は、単語中で、『おう』か『あ』で発音されることが多い、と書きましたが、そのどちらでもないケースもまま有ります。例えば・・

women の発音記号は  /wímin/   


更に更に、この『女性』という意味の単語を、

men  /mén/

という、対となる『男性』という単語と比較すると

両方の単語とも men という文字列を含むものの、発音が異なることが判ります。


・・でも、これ、アルクの英辞郎では、両方 『メン』と書いてあるんですよね、、。 

辞書の中の小さなミスとも言えるのですが、利用者の数を考えると、由々しき問題です。

ですが、もうずっとこんな感じの状態が続いています。


直接、アルクの英辞郎担当部署に連絡して誤りを指摘しても修正してくれなくなったので、修正リクエストをするのも虚しくなりました。

(初期の頃は言えば、品詞の間違い、意味の間違い、語の由来等、間違いを指摘すれば修正してくれていた時期もあるのですが、時を経てプロセス and/or 担当者さんが変わったのでしょうか?? )


とは言え、概ね正しいと思われるので、一般の英語学習者の方々は、オンライン英和辞典に信頼を寄せて使っていて、問題ないとは思います。


私も 英辞郎さんにはお世話になっていますし、生徒さんたちに紹介・案内もしています。


が、正確な発音を目指す英語学習者は、英和辞典だけでなく英英辞典の発音記号や音声ファイルで確認することを強くお勧めします。


発音記号も、日本で使われているものは、IPA や ICAO といった国外の規格と若干異なりますが、基本の音素さえ分かれば、それに相応する発音記号とのマッチングは、誰でも徐々にできるようになります。最近は辞書に音声ファイルもついていますから、それを活用するといいと思います。


正しい発音を知ることは、英語スキル向上への早道です。


ここまでお読み下さり、有難うございました。

もっと例を出したい思いもありますが、それはまたいつか。。

言葉足らずの点がもしかしたらあるかもしれませんが、あしからず、、





写真提供:八木迷々さん https://www.photo-ac.com/profile/668846