わたくしの巡礼
幼いころから日本史が好きだったので、
そして、また、ちょっぴりカメラ小僧だったので、
歴史的建造物をみてあるくのが大好きでした。
わたくしの世代だとプラモデルが流行っていて、
大体みんな、田宮模型の35分の1ミリタリーシリーズとか、
レベルやハセガワの戦闘機シリーズ。
わたくしはそれも勿論作りましたが、
なぜか、法隆寺金堂とか五重塔、平等院鳳凰堂の寺院模型や、
姫路城、名古屋城、大阪城などの城郭シリーズにも填まっていました。
同級生ではこういうの作っているひと、ほとんどいなかったと、
どちらかというとおとうさん世代の趣味だったと記憶してます。
社会人になったぐらいの頃に、和辻先生の「古寺巡礼」、
そしてわたくしの基礎学にもなっている司馬先生の「街道を行く」の
影響もあって、寺院を中心に探訪するようになりました。
しかし、平成21年9月から40日間、腰椎椎間板ヘルニア治療のために入院、
そして手術も終え、社会復帰し、リハビリ通院も終わった頃、
ちょうど京都に行く用事があったので、そうだ、奈良に寄ろうと、
で、なぜか、強い引力に引っ張られるようにして辿りついたのが奈良西ノ京。
薬師寺でした。
でもそこで、不思議なことに気づきました。
わたくしはなぜ、ここにいるの??
それは、薬師如来さまへの御礼だったのですね。
わたくしは、二年間ヘルニアで保存療法行い、
手術も術後のリハビリも順調で社会復帰できました。
それで今回は御礼参拝だったわけなんですね。
しかし、同時にふと、疑問がわきました。
わたくは当時までおよそ30年間、日本中のありとあらゆる仏閣に
参拝、そして撮影させて頂いてましたが、
一体、なにをみてきたんだろうと???
山門?本堂?回廊? 鐘楼?五重塔???
そうなんです。
お寺というのは、参拝し、本尊におあいするところなんですね?
でも、わたくし、それまで、各寺院のご本尊に相対したどころか、
気にしたことすら、ありませんでした。
えーーー!!
なんだよーーーというこの脱力感。
最初からやり直し、ある意味、薬師寺は再出発??
そう思いました。
その足で唐招提寺に行きました。
このコース、何度も歩いています。
奈良は大好きな場所なので、殆どの寺院には
地図もなく行かれました。
そして今度は鑑真さまの御霊に手を併せたとき、ふと、
今度は閃いたのです。
寺院もいいけど、神様のお社のことを意外にきちんと
しらないなぁって...
伊勢神宮には毎年、年末に行ってました。
それは、太陽神、アマテラスさまと、
生きるための糧をご用意くださる源、トヨウケさまへの感謝です。
そう、参拝って感謝なんですよね。
感謝して、次の実践のお知恵を授かり、やり遂げる力を頂くこと、
それが参拝なのですね。
ここに気づくまで、かれこれ30年。いや、実年齢では、半世紀かかりました。
でも、おかげで分かりました。
こうして、わたくしの本格的な神社参拝が始まったのでした。