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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

30年戦争4-傭兵公ヴァレンシュタイン登場

2020.08.13 09:43

ボヘミアを得たハプスブルクのフェルディナンド2世は、バラバラになった神聖ローマ帝国の皇帝支配を目指す。しかし一人ではできない、そこでスペインとのハプスブルク同盟でというわけである。挟み撃ちを警戒するフランス宰相リシュリューは、オランダ、イングランド、スウェーデン新教国と同盟。

1624年、スペイン領イタリアからスペイン領ネーデルランドに至る要衝の地ヴァルテリーナで、フランスの後押しでスイスのプロテスタント牧師ルク・イェナチュが反乱。皇弟レオポルド大公の軍を破って戦争の幕があがった。スペイン軍の北部への通路を遮断したのだ。

北部ではデンマークが介入。北欧諸国は、ハンザ同盟との戦争に勝ち、北海・バルト海覇権を握って強国となってきていた。デンマーク王クリスチャンセン4世は、ホルシュタインを領有し、実は立派な帝国諸侯なのだ。彼は下ザクセン区長となり、25年5月9日、ドイツに進軍する。

対する旧教側は、バイエルン公マクシミリアンは皇帝に援軍を要請。しかしスペインからの支援が遮断されている。この状況で、皇帝軍総司令官に抜擢されたのが、アルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタイン。傭兵あがりで金持ち未亡人と結婚、ボヘミアプロテスタントの領地をさらった成り上がりである。

下左はクリスチャン4世右はアンソニー・ファン・ダイク作ヴァレンシュタイン