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40k初心者講座 - ゲームの規模

2020.11.14 03:46

WARHAMMER 40,000 のゲームを遊ぶにはどれくらいのミニチュアが必要で、どのくらい広い戦場が必要なの?

という疑問は8版以前からよく見かけましたが、9版ではこのアーミーと戦場の規模「バトルサイズ」が明確に規定されるようになりました。

9版の戦場がどのような様相になるのか、見ていきましょう。


まずアーミーの規模を表す数値であるパワーレート(パワーレベル)とポイントコストについておさらいです。


【基礎知識:パワーとポイント】

パワーレートもポイントコストも、そのユニットの「強さ」を表した数値で、これらの合計が双方同じ規模のアーミーを編成することで、バランスの取れたバトルができるという仕組みです。

それぞれの違いは以下の通り。


・パワーレート(パワーレベル)

ある規模のユニットに設定されている、そのユニットの強さを示す数値がパワーレート、アーミー全体のパワーレートを合計したものがパワーレベルです。

例えばスペースマリーン:インターセッサー・スカッドの場合、5体1ユニットのパワーレートは5に設定されています。

パワー制ではそのユニットがどんな装備を選択していても(大抵の場合)パワーレートは変化しないため、バランスは非常にざっくりですが、アーミーを速やかに編成してバトルできる手軽さがウリです。

2020年8月時点の最新のパワーレートは、公式FAQ「パワーレート・アップデート2020」またはAppサブスク版で確認することができます。


・ポイントコスト

ユニットのうち兵1体ごと、武器ひとつごとに設定されているコストです。

5体で構成されるスペースマリーン:インターセッサー・スカッドの場合、インターセッサー1体20pts+ボルトライフル0ptsが5体分で、ユニットとしてのポイントコストは100ptsになります。

計算は少々面倒になりますが、パワー制よりバランスのとれたフェアなゲームを遊ぶことができます。

2020年8月時点の最新のポイントコストは、ミュニトルム・フィールドマニュアル、またはAppサブスク版で確認することができます。



さて、ここからが本題です。


【バトルサイズ - ゲームの規模】

9版ではアーミーの編成規模が4種類に分けられ、規模ごとに名前がつくようになりました。

バトルサイズに関する部分をウォーハンマーコミュニティ記事から引用すると、以下の通りとなります。

サイズの基準となる数値は2種類。

パワー制の場合は「TOTAL POWER LEVEL」

ポイント制の場合は「POINT LIMIT」

を指標にします。


注意点としてTOTAL POWER LEVEL は、

「双方」のアーミーのパワーレベルの合計。

対して POINT LIMIT は、

「一方」のアーミーの編成ポイント上限

を示しているそうです。

ポイントとパワーレート、片方の合計か双方かが混在して気持ち悪いですが、おそらくポイント制は試合形式のマッチプレイを前提としているため双方同じポイントで編成する対称なゲームを想定しているのに対し、トータルパワーレベルの方はオープン/ナラティブプレイでの非対称なゲームまで想定しているため、双方の合計という形を取っているのだと思います。

※例:プレイヤーA:20パワー

   プレイヤーB:30パワー

   合計50パワーの非対称戦

   =コンバットパトロール規模


なお1パワー≒20ptsくらいという目安があるため、仮に双方均等なパワーレートで編成したとして、

一方25パワー(×2プレイヤーで合計50パワー)

=一方500pts

と、いずれもコンバットパトロール規模になり、概ね一致するようです。


ゲーム中に策略を使ったり、アーミーを編成するために必要な「指揮ポイント(CP)」の初期値もバトルサイズごとに決められています。


規模ごとに必要な戦場の最小サイズで、単位はmv(=インチ)です。

今後のボードは44”x30”単位で発売され、それを複数組み合わせることでストライクフォース、オンスロートに対応させるようになりそうです。

規模ごとの1ゲームにかかる時間です。

主にマッチプレイで使用される「バトルフォージドアーミー」編成での、編成単位「デタッチメント」を何個まで入れて良いかの指標です。


これを編成規模ごとに纏めると...


・コンバットパトロール

パワーレベル :〜50 (双方合計)

ポイントコスト:〜500pts

戦場のサイズ :最小 44 x 30 mv

プレイ時間  :1時間以内

指揮ポイント :3

デタッチメント:最大1個


2020年8月時点のパワーレートでは、8版スターター「KNOW NO FEAR」のスペースマリーン側がちょうど25パワーで、双方均等に編成した場合のコンバットパトロール規模に相当します。


・インカージョン

パワーレベル :51〜100 (双方合計)

ポイントコスト:501〜1,000pts

戦場のサイズ :最小 44 x 30 mv

プレイ時間  :2時間以内

指揮ポイント :6

デタッチメント:最大2個


9版記念ボックス「インドミトゥス」のスペースマリーン側が48パワー、ネクロン側が47パワーでインカージョンのポイント帯に相当します。



・ストライクフォース

パワーレベル :101〜200 (双方合計)

ポイントコスト:1,001〜2,000pts

戦場のサイズ :最小 44 x 60 mv

プレイ時間  :3時間以内

指揮ポイント :12

デタッチメント:最大3個


アーミー規模としては...さすがにあまり例がありません。先程のインドミトゥスの片側2箱分くらいです。

戦場サイズはメートル換算で1.1×1.5mほど。

主力戦闘部隊同士の戦闘を想定した大規模戦闘をプレイすることができます。


・オンスロート

パワーレベル :201〜300 (双方合計)

ポイントコスト:2,001〜3,000pts

戦場のサイズ :最小 44 x 90 mv

プレイ時間  :4時間以内

指揮ポイント :18

デタッチメント:最大4個


アーミー規模としてはインドミトゥスの片側3箱分、戦場サイズも1.1×2.3メートルと、オンスロート(猛襲、猛攻)の名に相応しい最大規模のバトルサイズです。


・より大規模/小規模なゲーム

40k 9版のゲームバランスについては上記4種の編成帯を主眼にしているため、もしコンバットパトロールより小規模なゲームを楽しみたい場合は、派生ゲームの「WARHAMMER 40,000 : KILLTEAM」を。

オンスロートより大規模なゲームを楽しみたい場合は、派生ゲームの「WARHAMMER 40,000 : APOCALYPSE」でのプレイが推奨されています。


キルチームの公式サイトはこちら。


アポカリプスの公式サイトはこちらになります。



【どのバトルサイズで遊ぶ?】

スターターやスタートコレクティングを持っているビギナーの方は、まずコンバットパトロールでのゲームをこなしてルールやユニットの使い方に慣れてみると良いでしょう。

ユニットの強弱がはっきり出やすいバトルサイズではありますが、初心者だけでなく、小規模なゲームを何回も楽しみたい方にもおすすめです。


少しコレクションが増えたらインカージョンや、ストライクフォース規模でのゲームはどうでしょう。

決戦兵器級の高パワー/ポイントユニットも入れやすくなり、幅広いユニットが活躍できる環境です。また、規模が大きくなったことで単純なユニット単体の強弱だけでない駆け引きの楽しめるゲームになります。

私の周りでは、このバトルサイズが最も遊ばれている印象があります。


普通のゲームもいいけどたまにはお祭り的なゲームがしたい!複数人でチームを組んでバトルしたい!そんな方にはオンスロートはいかがでしょう?

公式作例のような、広大なボードの両端を埋め尽くすアーミー同士の大規模戦が楽しめますよ!


【ゲームボード】

最後にゲームボードの紹介です。

臨場感溢れる戦場を構築するために、ゲームズワークショップから以下の専用ボードが発売されています。


・バトルゾーン:マニファクトラム・バトルフィールド

サイズ:44×30mv  (22x30mv ×2枚)

第9版発売に合わせてリリースされた折り畳み式厚紙製ボードで、これ1セットでコンバットパトロール/インカージョン規模のゲームに対応できます。

スターター:コマンド・エディションにも同様の厚紙製ボードが同梱されていますが、コマンド・エディション版はスターターミッション専用のマーカーが印刷されており、単品売りの方はマーカー無しになっています。

今後、この規格で様々なボードがリリースされることが考えられます。



・戦闘領域ムーンベース・クライサス

[生産終了・店頭在庫限り]

サイズ:3.7×5.5フィート

過去に発売されたプラスチック製テレイン付きの折り畳み式厚紙製ボードセットです。規格は前述のバトルゾーンと同じで、このフォーマットが後に、後述のキルチーム用厚紙製ボード「キルゾーン」や、9版のボードの元になったと考えられます。

これ1セットでストライクフォース規模(44×60mv)の最小戦場サイズを満たすことができます。


・キルゾーン各種

[生産終了・店頭在庫限り]

サイズ:22×30mv

派生ゲーム「キルチーム」用のボードセットで、折り畳み式厚紙製ボード(22x30mv)とテレインが同梱された戦場セットです。

元々キルチーム4人対戦用(キルゾーン2箱分)のボードサイズが44×30mvであり、これをコンバットパトロール/インカージョン用としてある意味逆輸入的採用をしたのが40k第9版の戦場です。

これから複数個まとめて集めるのは困難かもしれませんが、テーマに沿った戦場構築の参考に良いボックスセットです。

キルチーム関連で生産継続しているものでは、キルチームスターター2箱でコンバットパトロール/インカージョン規模の戦場を構築することができます。



・戦闘領域セクターインペリアリス

サイズ:48×72mv  (24×24mv ×6枚)

8版までの推奨戦場サイズ、72×48mvを満たすためのボードセットで、9版の規模とは若干異なりますが、ストライクフォースまでの最小戦場サイズに対応することができます。

お値段も相応ですが、プラスチック製の本格的なボードによるゲームへの没入感は格別です。



・ゾーンモータリス:フロアタイル

サイズ:24x24mv  (12×12mv ×4枚)

派生ゲーム「ネクロムンダ:アンダーハイヴ」用のボードです。

それぞれの規模の最小戦場サイズを満たすには、

・コンバットパトロール/インカージョン用

 48*36mv = 12枚(4×3枚) = 3セット

・ストライクフォース用

 48*60mv = 20枚(4×5枚) = 5セット

・オンスロート用

 48*96mv = 32枚(4×8枚) = 8セット

が必要になり、最も割高ではありますが本格的なプラスチック製ボードで、かつ小型で薄く(プラスチック製としては)持ち運びやすいというメリットがあります。

また、ゾーンモータリスシリーズには、このフロアタイルに結合できる壁や足場のセットも販売されており、立体的で安定した戦場が構築できるというメリットもあります。

途方もない投資を覚悟する必要はありますが、多層都市を舞台に大規模アーミーが激突する夢のような盤面を現実にしたいという方はチャレンジしてみてはいかがでしょう...?



以上、ゲーム規模のお話でした。




※ミニチュアの作例は公式通販サイト商品画像から、

バトルサイズ表は以下の記事から引用しています。