仏陀の言葉6
●信じ込んではいけない10のケース
君よ、多くの人々が「自分の言うことは正しい。あいつの言うことは間違っている」と言うため、誰の言っていることが正しいのか、わからなくなることもあるだろう。他人にだまされ洗脳されて自由を失わぬためには、次のように注意するといい。
①うわさ話を聞かされても、実際に確かめるまでは信じ込まないこと。
②「この国では昔からこうするものだから」などと伝統を持ち出されても、信じ込まないこと。
③それが流行していて評判がよくても、信じ込まないこと。
④聖典やお経や本に書いてあるからといって、信じ込まないこと。
⑤実際に確かめていない憶測を聞かされても、信じ込まないこと。
⑥いかにも正しそうに、「○○理論」や「○○主義」によるとされていても、信じ込まないこと。
⑦常識に合っていても、信じ込まないこと。
⑧たまたま内容が自分の意見に合っていても、「私もそう思ったんですよ」と安直に信じ込まないこと。
⑨相手の服装が立派だったり職業がすばらしかった態度がうやうやしくても、それらの見た目に惑わされて、信じ込まないこと。
⑩相手が自分の先生だからといって、盲目的に信じ込まないこと。
増支部教典
●気持ちよさへの依存から、苦しみが生まれる
ありとあらゆる苦しみは、何かに依存することを縁にして生じる。
たとえば「好きな人に優しくしてもらうことの気持ちよさ」への依存症になると、少しでも優しくないと感じるたびに苦しみが生じ、相手との関係が険悪になる。
あるいは「仕事で目標を達成するうれしさ」への依存症になると、達成した瞬間の快感がサーッと引いたのち、空しさという苦しみが生じる。
依存症になる対象をつくる愚か者は取っかえひっかえ別のものに依存しては脳内麻薬を分泌し、自分から苦しみに近づいてゆく。
苦しみが生まれる元凶を見破ったなら、もはや依存症にかからぬよう、脳内麻薬の快楽から自由になるように。
経集728
●心、この制御しにくきもの
心というしろものは、「やるぞ」と思いきや「やっぱり、やーめた」とすぐ動揺したり、「好き」かと思いきや「気のせいだったかもしれない」などと右往左往する。
「インターネットを使って時間を無駄づかいするのはもうやめよう」と思ったはずが、うっかり「あの情報はどうなっただろうか」と、結局は心が混乱して時間を浪費したりもするだろう。
心というやつは、すこぶるコントロールしにくい。
快感の麻薬を求める欲望に命令されるがままに引きずり回され、それゆえにこの心には自由がない。
自分の心を見張る意識のセンサーを鋭く光らせて、この快・不快に引きずり回される心をコントロールするように。
あたかも、矢をつくる職人が曲がった矢をまっすぐに美しくたたき直すかのごとく。
法句経33
●他人の賛否から自由になる
どれだけ風がビュービュー吹いても、山はどっしり揺らぐことがない。
そんな山に学んでみるならば、他人から「イヤな奴」と非難されても「素敵な人」とおだてられても、そんな言葉はさらりと聞き流し、心はどっしり揺らがず平静なまま。
非難されて苦しくなるならやはり心は暴走して自由を失い、おだてられて調子に乗るならやはり心は乱れて自由を失う。
非難の風が吹こうとも山のごとく風を受け流すなら、君の心はどこまでも自由となるだろう。
法句経81
●こういうもので商売をしてはいけない
次の五つのものを売って商売しないのが、君の身のためになるだろう。
・剣やバクダンや戦闘機などの武器。
・人。
・動物を殺した肉。
・酒。
・毒や麻薬など中毒性のあるもの。
他の生き物を害する悪しき業を積み重ねることなき慈しみの心によって、売り買いするものの種類を選ぶ。
増支部教典