HG ガンダム(オリジン版) レビュー 2020.08.18 09:25 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード ガンダム ジ・オリジン より、“HG ガンダム” です。 “機動戦士ガンダム ジ・オリジン” より、地球連邦軍の試作型モビルスーツ“RX-78-2 ガンダム” が、前期型と中期型のコンパーチブルキットとして、HGジ・オリジンで発売されました。 ・・というか、初版の発売は3月だったのですが、ぼんやりしている間に予約ができなくなり、発売後数日経った頃に実店舗を何軒が覗くもお目にかかれず、例によってネットでは高騰・・もう当分手に入れられないかな、と諦めかけていたところ、ギリギリで7月再販分の予約に滑り込むことができました。 定価でしたが。 一昔前までは新作のガンプラの入手がここまで困難になるなんてことはなかったのに・・ガンプラを取り巻く環境も変わりましたね。 最近はとくに中韓への忖度がろ・・いえ、なんでもありません。 なにはともあれ、遂に真打ち登場という感じのオリジン版ガンダム。 OVA版ジ・オリジンは、いわゆるファーストガンダム(TVアニメ第1作)の前日譚にあたるシャア・セイラ編が6話で完結。 その劇中においてガンダムの現物は登場しませんでしたが、第4話でテム・レイがRX計画のプレゼンでCG画像とともにその名をぶち上げるシーンは印象的でしたし、最終第6話のエンディングでのちにホワイトベースのメインクルーとなる面々を紹介していく演出などは否が応にもその後の展開・・具体的にはアニメ第1作に相当する部分のオリジン版としてのリメイクを期待せざるをえません。 ただ、焦って長途半端なものを作ってほしくないという気持ちもあるので、悩ましいですね。 今回のHGオリジン版ガンダムの発売も、バンスピからのアニメ制作陣へのプレッシャーのような気もします(笑)。 でも実際、ほどほどに急いでいただかないとスタッフ、演者ともにご高齢の方も多いので・・ それでは、レビューしていきます。 キットは素組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。 とその前に・・TVアニメ第1作とジ・オリジンとでは、一部設定に差異があります。 MSも例外ではなく、とくにガンダムはストーリー展開に応じて様々な改修、仕様変更が行われています。 アニメ第1作でもそのような描写はありましたが、外見上の変化はとくにありませんでした。 オリジン版では外見含めけっこう変わっていくのが特徴ですね。 今回のHGキットでは、ロールアウト直後の前期型と、おそらくはジャブロー到着後に大幅な改修を受けた中期型のどちらかを選択して組むコンパチモデルになっています。 基本的に組んだあとの組み換えは考えられていないので、そうしたい場合は一部パーツ(具体的には胸部前面装甲と肩アーマー側面のスラスターパーツ)でピンを切り飛ばすなどの加工をしておけば、組んだあとでも前期、中期の変更が容易になるかと思います。前期型 基本的なデザインは普通にガンダムのまま。 しかし、バックパック左側にキャノン砲を装備していること、そしてシールドの向きが逆になっていることなどでかなりイメージが変わっています。 ほかにも胸部前面装甲の左側に2連装のショルダーマグナム、右側に収納型のバルカン砲、左前腕ににも2連装のガトリングガンを装備と、アニメ第1作版に較べて固定武装が増え、より兵器らしさが強調されている感じです。 さらに内部構造の話になると、この段階ではまだコアブロックシステムが搭載されていないそうです。 当然キットでもそこは再現はされず、単体のコアファイターも付属しません。 キットの構造としてはオリジン版連邦系(ジム系)フレームをベースに新規パーツを組み込んだものになっており、プロポーション、可動ともに非常に優秀。 個人的に理想的なガンダム像です。最近アレンジ強めのビヨンダムを組んだこともあり、このスマートながらに箱ロボ感も残した絶妙なラインには安心感があります。 色分けもほぼ完璧ですが、腰のV字と肘、膝、足首の丸モールドの内側はシールでの再現。 丸モールドのほうはともかく、腰のV字はビヨンダムでは色分けされていたので、そこは後発キットに譲るかたちになりました。一方で頭部バルカンはちゃんと黄色で色分けできているので、結果的にはイーブンといったところでしょうか。 左右の肩アーマー前面、そして右胸の型式のマーキングシールを貼りました。中期型 前期型と主な違いは、まずショルダーキャノンが外されてバックパックがお馴染みのサーベル2本差しになったことと、肩アーマー上部にフックが追加されたこと。 ほかにも右胸のダクト上部のスリットの形状が変わっていたり(本当、よぅく見ないと違いに気付けません。なんで同じパーツが2個入ってるんだとしばらく悩みました。年々目が衰えて・・)、ショルダーマグナムがなくなっていたり、前腕の形状が左右同じになったのに、ガトリングガンは取り外されていたりと細かく変更点があります。 そして、ここからコアブロックシステムが搭載されたのかな? 肩のフックがなく、前腕の形状もただの箱型であれば、ほぼ万人がイメージするガンダムですね。 なお、シールドは裏面の基部の取り付け向きを変えることで上下逆にできるので、なんとなく逆(オリジン版以外での正位置)に持たせてみました。 あと、コンパチモデルとはいえ、僕みたいに組んだあとでも気分で組み換えるような人は絶対いるので、胸部に貼る型式のマーキングシールは2枚付けてほしかったです・・武装類ショルダーマグナム バルカン砲 ショルダーマグナムは前期型の左肩に装備された2連装の小型実体弾兵器。 バルカン砲は前期、中期ともに右肩に装備しています。口径は頭部のものと同じくらいなのかな? 普段は装甲内に収納されており、キットでは差し換えで開閉を再現。 バルカン砲のパーツは2つ付属し、装甲パーツも左右同じように取り付けられるため、左右の肩にバルカン砲を装備させることもできます。ひょっとしたら中期はそうなのかもしれない・・2連装ガトリングガン 前期型で左の前腕に装備される小型のガトリング砲。 中期型では、装甲が左右ともこのガトリングガンを装備できるものに変更されているのに実際には装備されません。 なお、このガトリングガンのパーツも2個付属するので、やはり中期型において両手に装備させることもできます。ショルダーキャノン 前期型最大の特徴でもある、バックパック左側に装備される実体弾式のキャノン砲。 キットとしては局地型ガンダム 北米線仕様からの流用で、2軸のジョイントアームで仰俯角の変更が可能ですが、左右に振ったりはできません。 右側に付け替えることも可能。ただし、ジョイントがバックパックとフィットしないので、微妙にキャノンの収まりが悪いです。局地型ガンダムでもそうでしたが・・ 2箇所あるセンサーにはシールが付属しないので、ガンダムマーカーメタグリーンで塗っています。直で塗っただけなのであまり目立ってませんが・・ あと、バックパックのバーニアも同じランナーからの流用パーツです。ビームライフル(前期型) 前期型で使用された試作型のビームライフル。 よく知られるガンダム用のビームライフルとはかなり形状が違い、ミリタリー色強めのデザインになっています。 共通点というとスコープくらいですね。その前方にもセンサーがあり、こちらにはシールが付属します。 収納式のサブグリップはもちろん展開可能。スコープも可動します。 左側面にこれも収納式の3㎜軸ジョイントがあり、それを使って腰部リアアーマー等にマウントできます。 保持には銃持ち手を使用。以下、バズーカまで固定用のピンがあり、しっかりと保持できます。 なお、今回は嬉しいことに左右両方の銃持ち手が付属し、ライフルとバズ-カの2丁持ちも可能です。ビームライフル(中期型) ベルファスト入港後に配備されたらしい新型のライフル。 細部にアレンジはありますが、馴染み深いガンダム用のライフルですね。 サブグリップとスコープが可動します。 やはり側面に3㎜軸ジョイントが収納されており、前期型同様各部へのマウントが可能ですが、こちらは反対側も筒抜けになっており、ジョイントを起こすと完全に穴が空いてしまう仕様になっています。 なんで蓋ができなかったのか・・なお、蓋がないので逆向きにジョイントを起こすこともできます。ハイパーバズーカ ビームライフルと並ぶガンダムのメイン射撃武装。 1/144スケールでここまでしっかり色分けされたバズーカは初めてじゃないですかね? グリップは若干の角度変更が可能で、肩に担ぐポーズも楽々。 スコープは可動。内部のレンズ部分はシールでの再現です。ピンクじゃなくて黄色というのもまた珍しい。 専用アタッチメントを使って各部にマウントが可能です。 せっかく銃持ち手が左右分あるんだし、バズーカも2丁欲しかったなぁ・・ビームサーベル 前期型ではバックパック右側に1本、中期型以降は両方に1本ずつ、計2本を装備するビーム斬撃武装。 サーベル刃はいつものピンクの汎用パーツですが、長いなぁ・・ 保持には左右の汎用持ち手を使用。 サーベルホルダーは3㎜軸接続なので若干の角度変更も可能です。 肘が二重関節ということもあって、ちゃんとホルダーに挿した状態のサーベルも握れます。シールド これも基本的なデザインは変わらないのですが、オリジン版では上下を逆に持つのがスタンダード。 まぁ確かに、このままの状態で腕を曲げて正面防御したときにスリットから前を覗くためには、この向きで持つのが自然なので、リアリティを追求した結果ということなのでしょう。 裏面はこのように。 基部がスライドして装甲面の位置変更が可能です。 可動式のジョイントで前腕に取り付け、さらに汎用持ち手でグリップを保持できます。 先にも言ったように、基部の取り付け向きを変えれば装甲面の向きを上下逆にすることもできます。 また、3㎜穴が2つあるのでライフル等のマウントも可能。比較画像 同じオリジンシリーズから、キャノンの流用元である局地型ガンダム 北米線仕様(左)と、連邦系フレームを初搭載したヘビーガンダム(右)と。 局地型ガンダムは1号機・・いわゆるプロトタイプガンダムの予備パーツを使って作られたということになっていますが、少なくともキットではショルダーキャノンとメインバーニア以外共通パーツがありません・・ プロポーションもけっこう違いますね。 一方のヘビーガンダムはジム・ガードカスタムの一般販売に先駆けてオリジン版連邦系フレームが最初に導入されたキット。 ただ、今回のガンダムではそのフレームすべてが流用されているわけではなく、脚部のフレームなどはほぼ新規になっています。 ヘビーガンダムの出自自体が正直よくわからない部分もありますが、内部フレームは共通なような気がするんだがなぁ・・ まぁ、ヘビーガンダムがすでに2年ほど前のキットになりますから、最新キットの2号機が手を加えられるのも仕方がないことですが。 プロポーションは局地型よりもずっと近いです。 HG 局地型ガンダム(北米戦仕様)のレビュー HG ヘビーガンダム の レビュー HGUC ガンダム REVIVE版(左)、ビヨンダム(右)と。 HGUCはあくまでアニメ第1作版。今回のものはもちろんオリジン版。そしてビヨンダムは・・なんなんでしょうね?(笑) それぞれに個性があり(ビヨンダムはあり過ぎますが)、一概にどれがよいともいえません。こうなるともはや好みの問題ですね。 僕個人はさっきも言ったような気がしますが、オリジン版は1番好きです。 早くこのコが活躍するアニメが見たい・・ それにしても、この先もエントリグレード(だったっけ?)だったり、ガンダリウム合金製キット(20万円ですって!?)だったり、ほかにもまだまだ1/144スケール RX-78-2のキットは量産されていくんでしょうね。 HG ガンダム BEYOND GLOBAL レビュー オリジン版シャア専用ザクと。 思えばこのシャアザクが、HGオリジンの第1弾キットでした。 ザクなのにザクマシンガンが付いていないことが衝撃でしたが(笑)。 あれからもう5年か・・ここまでシリーズが続くとは正直思わなかったなぁ・・ オリジンの新作アニメが始まったら、このシャアザクもまたリニューアルして発売されるんだろうか? もうすでに一回やってるけど。以下、画像 まず前期型で。 肩は、可動域自体はそれほど広くはないものの、前方への引き出しと上方への跳ね上げの両方が可能なので、肩の入った力強いポージングが決まります。 肘、膝はとも二重関節。股関節は前方にスライドでき、開脚はほぼ180度可能。足首も柔軟に動くので、かなりの大股開きでもしっかり接地、自立してくれます。 銃持ち手が左右両方付くので、豊富な武装を余すことなく活用できます。 ザクシリーズも悔しがっていることでしょう。 スタンド対応穴は股下にありますが、ライフル等をマウントするための腰部リアアーマーの穴も使えるので、空間ディスプレイの幅も広いです。ただし、リアアーマーのほうの穴はちょっと緩め。 そしてオリジンの連邦系フレームといえば、なんといってもこの胸部から腹部にかけての変態可動(笑)が1番の見所。 もうこの角度からも完全に脊髄損傷してるのがわかる・・(笑) ビヨンダムもよく動きましたが、こちらは90度折れ曲がってますからね。 股関節のスライド可動との合わせ技で立て膝が非常に綺麗に決まります(ただし見る角度限定)。 もちろん、本来のMSの構造としてはおかしい・・とくにガンダムはこの前期型ではまだですが、中期型以降はコアブロックが入っているはずの部分がえらいことになってますからね。 ですが、劇中イメージ再現のためのプラモ的機構としては非常に優れていると思います。 さらに、腹部と腰部の接続がボールジョイントということもあり、念願の後ろに反るポーズも可能。 ただし、こちらも前から見るとお腹が完全に切れている状態ですが・・ 続いて中期型で。 可動に関してはもうとくに言うことがないので、ここからはポーズ集のような感じになります。 まずはジャンプからのライフル両手持ちで。 ビームサーベル抜刀からの、 斬りつけ! なんだろう? 前期型はショルダーキャノンのイメージが強いせいか、サーベルがなんとなく似合わない気がするんですよね。 あと陸戦機的な雰囲気もあるなぁ。 中期型はこれまでのガンダムのイメージに近いから、万能型という感じで地上でも宇宙でもどっちでも活躍しそうだけど、前期型が宇宙で戦う様子があまりピンときません・・ 振り向きポーズ。 爪先が可動するのも好印象。 ビヨンダムもスリッパは1パーツで済ませてましたしね。 むしろビヨンダムより実用的な意味での可動性能は優れているといえます。 ハンドパーツの豊富さも嬉しいポイントで、銃持ち手だけでなく平手も左右分付属します。 というわけで、大気圏を突破して降下してるときのイメージ。 VSシャア専用ザク。 シチュエーション的には前期型と絡ませるのが正しいのかもしれませんが、このまま中期型でいきます。 決して前期型に戻すのが面倒臭いわけではありません! で、やっぱりやりたくなるのがシャアキックを食らうガンダムの図。 というか、折れる腹部はこのためにあるんじゃないかと思うくらい・・(笑) 反撃の体当たりで締め。 たぶん、そう間を置かずに同じような画像を載せるレビューを書くことになるかと思いますが・・(笑) 以上、“HG ガンダム(オリジン版)” でした。 個人的には4ヶ月ほどお預けを食らったこともあり、待ちに待ったという感じのオリジン版ガンダムです。 僕自身いったい何体めのガンダムなのかもう把握できいません(すべてのスケールを併せると、軽く30は超えるでしょうね)が、今回はオリジン版ということでこれまでようにただデザインやアレンジが違うというだけでなく、MSそのものの解釈から少し変更があるようで、とくに前期型における実弾系の固定武装の増設(という表現は正しくないですが)がそれを象徴しているように思います。 兵器としてのMSのリアリティにこだわっているというのか・・ガンタンク、ガンキャノンを始め、とくに連邦系MSの設定にかなり手が加えられている印象ですね。 反面、ジオン系は少なくとも劇中登場機に関しては見ためもあまり変化がない感じですが、そのぶんはMSDで補完、ということですかね。 今回のガンダムは、プロポーション、可動ともに非常に優秀で、豊富な武装とオプションが付属と、まさにHGオリジンシリーズの集大成と言っても過言ではないと思います。 強いて不満を言うならば、前期型と中期型のコンパチモデルということであくまで選択しての組み立てが前提になっているので、そこはもっと気軽に組み換えできるような仕様にしてほしかったかな? というくらい。 銃握り手と平手が両方左右分付属とか、せっかく豊富な武器があるのに宝の持ち腐れ状態になりがちなザクシリーズとは一線を画すところはさすがガンダムというところでしょうか。 しかしこのオリジン版ガンダム、HGオリジンシリーズとしてはかなり久しぶりの一般販売品となりました。 OVAを再編集したTV版放送に合わせてリニューアルされたシャアザクと量産型ザクが発売されたのが2019年の4月ですし、ほぼ1年振り。それを除くと18年11月のジム・インターセプトカスタムまで遡るので、実に1年と4ヶ月振りです。 今度一般販売アイテムが出るのは新作アニメが出るときかなぁ。またOVAが基本で短期劇場公開というかたちになるんでしょうね。TVシリーズとしての放送はキツイ気がする。 なんにしても、またオリジンのアニメが作られて、オリジン版ガンキャノン野岩タンク、グフやドムのキットが発売されることを願っています。 先にキット出してくれてもいいのよ? といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。