指輪が抜けなくなった!? トラブルの対処法3選 優先度順に説明します
つけっぱなしにしていて指輪がいつの間にか抜けなくなった。
そんな経験はございませんか?
みなさま、こんにちは。。
オーダメイドリングの専門店「itoaware -いとあはれ- 京都店」です。
ジュエリー業界に勤めていると…
「ちょっとキツイ気がする…抜けなくなったらどうしよう…」
「完全に抜けなくなった! どうしよう!?」
…そんなお声を聞くことがあります。
でも大丈夫!
ちゃんと対処方法を知っておけば、心配はありません。
なぜ指輪が抜けなくなる? その原因は…
一番の原因は「むくみ」です。
誰だって朝と夕方とで身体がむくみますし、もちろん男女とわず指もすこし細くなったり太くなったりします。
やっぱり特に女性。
女性ならむくみやすい時期って絶対ありますもんね。
ただでさえむくみやすい女性の体質に、お酒の飲みすぎや水分の摂りすぎ、それにストレスなどが重なればさらにむくんで指輪が抜けにくくなることがあります。
そしてついには自力ではうんともすんともいかなくなる場合も…
そんな時は下の方法を試してみましょう。
1. 石鹸、ハンドクリーム、オイル
抜けない指輪を抜くには?
…と考えたときに、まず思いつくのが「滑らせて抜く」という方法ででしょう。
ハンドソープや台所用洗剤、ハンドクリームにオリーブオイルなど、滑りをよくするものならなんでも構いません。
ただ指に塗ってなじませ、そのまま指輪をクイクイと動かしながら抜くだけです。
ご自宅には普通にあるものばかりですし、とりあえず試すにはぴったりの方法と言えるでしょう。
これでダメなら次の段階に進みましょう。
2. 糸を使った指輪の抜き方
石鹸などでヌルヌルにしても指輪が抜けないなら、糸を使う方法があります。
ちょっとしたコツがあるので、お教えしますね。
① 裁縫用の糸やタコ糸など、ある程度細い糸を用意する
糸状のものならなんでもOKです。
② リングと指の間に、糸を通して、下に垂らす
ピンセットや細い毛抜きで、糸を先をつまむとやりやすいですよ。
③ 糸の反対側を持ち、指先に向けてグルグルと締め付ける
きつ過ぎずゆる過ぎず、痛みを感じない程度にグルグルと巻いてください。
第一関節を覆うように巻ければそれで十分。
糸の先っぽを固定するとなお良いでしょう。
④ ②で垂らした根本側の糸を持ち、ひっぱりながらほどく
指にグルグル巻にされた糸がほどかれるにしたがい、リングが指先に向けて動き始めます。
するとアラ不思議。
あれだけガッチリ食い込んでいた指輪がスルリと指から抜けるはずです。
文字で説明すると、ちょっとややこしく感じるかもしれませんね..
特に利き手の指輪を抜こうとするのなら、反対の手一本で指輪に下に糸を通すことになりますから、よほど器用な方でなければ厳しいかもしれません。
ご家族やご友人が近くいるなら手伝ってもらうといいですよ。
しかし、指輪が深く食い込んでいたら糸を使っても外せない可能性もあります。
そんな時は、禁断の奥の手が…!
リングカッターは最後の手段! 消防署かジュエリーショップへ
◇消防署
消防署にはリングカッターという、その名の通り指輪を切るためだけの道具があります。
しかも無料で、24時間対応してくれます。
さすが緊急時の公共サービスですね。
消防士の友人から聞いたところによると、どうやら都会の大きな消防署だと週に2〜3回はリングカッターを使う機会があるそうですよ。
だから消防署の人たちはとても慣れてますし、自分ではずせないのなら無理せず消防に頼りましょう。
ただ、カッターを使える職員さんがみんな出払ってしまって、対応してくれない可能性がまったくのゼロではありません。
なので、念のため電話で確認しておいたほうがいいかもしれませんね。
また、全ての消防隊員さんが指輪で優先してくれるという訳ではありません。
糸を使った方法でリングを外せるような場合でも、いきなりリングカッターで切断されてしまうかも…
人命を優先するのがお仕事ですもんね。
確実に、そして迅速に指輪を抜きたい場合は消防署を選ぶと良いでしょう。
その代わり、ほとんどの場合指輪は真っ二つに切断されることになります。
捨てることになるか、仮に修理できても修理代が高くつくことになるでしょう。
◇ジュエリーショップ
ジュエリーショップは指輪へのダメージを最小限にしてで抜くことを優先しれくます。
お客様が指輪にどれだけの思い入れがあるかも十分に汲み取ってくれるはずでしょう。
もしカッターを使うことになっても、その後の加工や修理することを考えて切ってくれますよ。
なのでカッターを使った後はどうするのかもしっかり伝えておくといいですね。
消防とは違いあくまでもショップのサービスなので、無料でカットしてくれるお店もあれば、1000円〜3000円ほどの代金をとるお店もあります。
また、消防署と違って24時間ではありませんし、またリングカッターを置いてない場合も。
あらかじめ電話などで確認しておいたほうが無難ですね。
カットした後の事も考えてくれますから、可能であればジュエリーショップでカットしてもらうことをオススメします。
私たち職人は、修理しやすいようカットを一箇所だけにする他、リフォームの提案をする場合だってありますよ。
◇病院
消防署もジュエリーショップも近くない場合は、病院を外してもらうこともできます。
私自身があまり見聞きしたことはありませんが、緊急外来や、整形外科の病院なら対応してくれますよ。
これもリングカッターがあるかどうか、家を出る前に確認しておくべきでしょう。
まとめ
というわけで、指輪が抜けなくなった時は…
1.ヌルヌル作戦
一番手軽な方法として、ハンドソープやオイルで滑らせて外す
⇓
2.糸を使う
一人ではたいへんだけど、糸を指に巻きつけてほどく
ほとんどはこれで解決
⇓
3. リングカッター
それでも抜けないなら最終手段
消防署(人命優先) or ジュエリーショップ(指輪優先)に行き、カットしてもらう
病院という選択肢も
…という流れで対処すればよろしいかと思います。
たいていの場合はむくみが収まって自然に抜けるようになったり、1番の滑らせる方法で解決するでしょう。
ただ万が一のため、少しテクニックのいる糸を使った外し方や、消防署という切り札も覚えておきたいところですね。
せっかくのジュエリーですから、できれば切断せずに済ませたいものです。
また、やむを得ずカットしてしまっても、まだ諦める必要はありません。
専門の工房なら、カットされてしまった指輪を治したり別のアクセサリーに加工することだってできちゃいます。
お読みいただきありがとうございました。