monochrome diary

上野竹林王国物語~白浜王国編~11

2016.07.11 23:56

【白浜王国宮殿内書物庫】


海浜は悩んでいた。


陽浜と優浜が旅に行けない理由はここでハッキリした。

それを伝えれば、さすがにあの2人も納得するしかないだろう。

国王が決めたことではなく、古くから伝わる言い伝えが残っていたのだから。


海(言えないよな…。桜桃ちゃんの命の保証がないかもしれないだなんて…ヽ(´Д`;)ノアゥ...)



この夜、部屋に乗り込んできた陽浜を、どうにか説得した海浜。(詳細は過去記事参照で!)


去って行った陽浜と入れ替わりで国王がやって来た。



海「…いつから聞いてたんですか?」

海浜は怪訝な表情で国王の方を見た。


永明「いや、、、陽たんが君の部屋から出てくるのが見えてな。それより…」


海「えぇ、見ましたよ。白浜王国の言い伝えの本」


永明「わ、ワタクシの本は…?」←ちょっと感想が聞きたいらしい(笑)


海「あぁ、見ましたよ。『ここが変だようちの国王』だよね?」

( ̄▽ ̄;)早速ご本人の前で間違えちゃいましたねー(笑)


永明「いや、『ここが分からぬ女心』だ」

海浜に変だと思われるのは、どうもプライドが許さないらしい^^;


海「あれは3ページ読んで閉じましたよ。この国の将来が心配になってきたから」


永明「…どういう意味だね?」


海「どうとでも取って下さいよ。それより!」

仕切り直しで海浜がダラダラした話をぶった切った。


海「何なんですか、あの言い伝えは!あれをそのまま受け止めたら、桜桃ちゃんの命の保証はないかもしれないってことですよね?」


永明「あ、まぁ、それは…」

ハッキリしない国王^^;


海「最初から分かってて桜桃ちゃんに言ったんですか?旅に出ろって」


永明「ワタクシもさすがにそこまで鬼ではない。だがしかし…」


海「僕は反対です!本当のことを知ったら、陽たんと優ちゃんだって反対するに決まってる!」

海浜は声を荒らげる。


永明「しかしだね。あの子たちがいないと黄金のタケノコは手に入らんのだよ」


海「…条件にありましたよね。『一国の王位を継承するもの』って」


永明「あぁ。そのとおりだが」


海「じゃあ、その条件に僕も当てはまります!旅には僕が行きます!」

海浜カッコイイ~(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ


永明「海くんの口から、そんな言葉が出るようになったんだね。ワタクシは嬉しいよ…」


海「真面目に聞いて下さい。桜桃ちゃんを旅に行かせるのは、僕は反対です!」


永明「とは言ってもだね…」

国王が困り果てていると、



??「心配ご無用!」

??「でしゅ!」


謎の声が2つ。


永明&海「桜桃ちゃん!」


桃「海おにーたん、ご心配感謝!」

桜「でしゅ!」


桃「でも、大丈夫!」

桜「でしゅ!」


桃「あたちたちが旅に出ましゅ!」

桜「でしゅよ!」



海「………」

永明「………」



海「でも、、、2人とも、もしかしたら生きて帰れないかもしれないんだよ?」


桃「問題ない」

桜「でしゅ!」


桃「あたちたちは、そんなにヤワじゃない」

桜「でしゅよ!」


桃「『とくしゅのうりょく』もありましゅし( ̄+ー ̄)」


桜「とくしゅのうりょくって何でしゅか?」

桃「それはパパに聞いて下しゃいでしゅ!」



海「………」



桃「おにーたん、とにかく、心配無用でしゅよ!」

桜「2人ならどうにかなりましゅ!」



海「………」


永明「海くん、どうする?」


海「ここまで根拠なき自信を持って語られたら、反対もできないですよ」

海浜は、みんなから視線を逸らした。


気が付けば、時間は流れている。

知らないうちに、人は成長している。

妹たちの成長を目の当たりにした海浜は、何とも言えない気持ちでいっぱいだった。



海「桜桃ちゃん、、、気を付けて行くんだよ。絶対無事で帰って来るんだよ!」


桜桃「あいっ(・ω・)ゞ」



永明「近いうちに、リーリー王子たちがやって来るだろう。それまでに、準備を完了させておかねばだな」


桜桃「あいっ(・ω・)ゞ」




桜桃ちゃんたちが、旅に出るまで、あと少し…。






上野竹林王国物語の本編は、いのぱんだ様のブログでお楽しみ下さい・:*+.(( °ω° ))/.:+