本当のこと
物事の本質は非常に見えづらいですね・・・。
https://diamond.jp/articles/-/245304
見掛けと中身は大違い・・・なんてことは生きていれば結構ありますが(笑)、
以前お話ししました”EVを超えるHVの衝撃!”
https://www.sequencenergy.com/posts/8130121?categoryIds=2169483
では、ライフサイクルアセスメントではEVをHVが凌駕するというものでしたが、
今回の記事では、な・なんと、EVをディーゼル車が凌駕するというものです(T_T)
発表したのがEVの急先鋒であるVW社というのが何ともですが、文面から読み取るとEUの補助金政策に端を発しているようですね。
製造~使用~廃棄のライフサイクルアセスメントを真摯に追及されていて、これはこれでしっかりと受け止めなければならない内容なんですが、僕の焦点は別にあります。
蓄電池や再エネを推す僕にとっては改めて思い知らされた感がありますが、ライフサイクルアセスメントの中でも”使用”期間におけるエネルギーリソースに関してのことです。
そう、どれだけ使用状況下においてCO2を排出しないEVと言えども、その充電に使うリソースが石炭や石油、液化天然ガスなどの火力発電であったら
”そのCO2排出量はディーゼル車を超えますよ”という警鐘だと受け止めました。
これをリチウムイオン蓄電池に置き換えてみましょう。
蓄電池に充電する時間って、経済効果から深夜の安い電気を使われていませんか?
オール電化系の契約ですと、深夜の時間帯は安く、昼間の時間帯は高く設定されています。何故なら、昼間に人間は活動することが多く、例えばオフィスのエアコンや照明など、人間の活動に伴うエネルギーの消費が集中するから足りなくなる訳です。
そこで深夜など、主には人間が活動を休止する時間帯には電気を安くするというものです。
ただ、この安い深夜帯の電気は、基本的に化石燃料系のエネルギーなんです。
火力や原発など、都度稼働を止めることが出来ない所謂”ベース電源”と呼ばれるものがこれにあたります。
そう、お分かりだと思いますが、先程の”EVをディーゼル車が凌駕する”の記事を当て嵌めると、地球にやさしくする為に導入されたに再エネや蓄電池も、その用法や使い方によっては
”そんなにやさしくない”モノに変貌してしまうということなんです。
必ずしも深夜の安い電気で充電することが悪いなんて申しません。
例えばEVは仕事終わりの帰宅後に充電されるでしょうし、EQ(エコキュート)だって殆どが深夜帯の安い電気を使って炊き上げることでしょう。
見方を変えれば、LED照明よりも販売されなくなった白熱電球の方が”あたたかみ”があって、モノを照らしたときに得も言われぬ感情を呼び起こすことだってあるでしょう?
すべてのモノやコトに利便性や経済性、環境性を唱えても始まりませんし、
感情(こころ)を支えに生きる人間は人間らしさを失ってしまいます。
”いい塩梅(あんばい)”という言葉があるように、ちょうどいい感じで生きることが大切なんだと思いますし、それでも何処か頭の片隅には
”どんなエネルギーリソースを使おうか・・・”
という自問自答が必要のような気がしました。
物事の本質は見えにくいけど、見る努力を忘れないようにすることが、僕らこの世界で生きる住人には必要なんだと改めて考えさせられました。