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落語家・柳亭市寿 WEB

下着・靴下・眼鏡

2020.08.19 12:27

毎日身に付けるものだからこそ上質なものを選びたい。

頭じゃわかっちゃいるけれど

いざ購入の段になると、

ついついお値段が気になってしまうもの。


安物買いの銭失いとはよく言ったもので、

そういう買い物は得てして後悔の元となったりする。

買い物前と、買い物後と、

どうしてこう心境が変わるのか!

繰り返す後悔。


しかし、この度、そこに歯止めがかかった。


下着。

特に下半身に身に付けるタイプでの発見である。

ボクサーブリーフと書けば、

カッコいいような情けないような気がしてくるが、

そのボクサーブリーフにもピンからキリまである。

いわゆる”珍ポジ”なる言葉の表すものは

快・不快の調整である。

その快がブレずに続くのが上質。

毎度調整し続けなくてはならず、

その手間がストレスになるのが下劣。

このボクサーブリーフの上質なものに

とあるアウトレット店舗で出会いがあり

そのブランドに乗り換えをした。


続いて、靴下。

これも毎日はくもの。

どの靴下にも、さして違いがないや!

そう思っていたから、手頃な、

量販店のそれを履いていたのだが、

これにも出会いがあった。

なんじゃこりゃ。

見た目では判断できなかったフィット感。

ただ靴下を履いているだけなのに、

まるでマッサージを受けているような

そんな感覚を想起させる靴下に出会ってしまった。

出会いに感謝。


最後に眼鏡。

前座の中頃に、お正月のお年玉で買った眼鏡を愛用してきた。

デザイン的にも自分に合っているし、値段もはった。

それはすでに上質なものであった。


過去にはコンタクトレンズを使用していたが、

この眼鏡なら一生かけてもいい、とそのくらい惚れ込んでいた。

もう一本同じデザインのものを買おう。

そうして、同様の店舗に足を踏み入れたのだが、

出会いとは偶然か必然か。


ふとかけてみる眼鏡に新しい自分を見出した。

いや、それは新しい自分ではない。

いまの自分なのだ。

いつのまにか、自分に合っていると思っていた前の眼鏡は

3年ちょっとで合わなくなっていた。

いまの自分のモードにフィットする眼鏡を

新しく購入した。


下着・靴下・眼鏡。

人生において何気ないパーツにも思えるそれらが

いま私の心の安らぎを生んでいる。

それは心が求めた必然なのか。

偶然がもたらした奇跡なのか。

どうにもわからないが、

この下着・靴下・眼鏡を

噺に置き換えてみよう。


ねずみ・からぬけ・子ほめ

いまこそ自分をアップデート。