BETTAKO -其の175-
私事では御座いますが、兼ねてから
誠文堂新光社様から、オファーを受けて
おりました、焼酎語辞典という本を、
この度、発売させて頂く形と相成りました。
著者として、2度目の執筆作業。
1度目は、究極の焼酎を求めて(小学館)
2008年11月30日に発売
当時、焼酎に関した書籍は、蔵元や銘柄に
フォーカスをあてられた、綺麗に纏められた
内容の本が、各書店に並べられている中、
焼酎の裏話を詰め込んだ本は、日本全国の
酒販店から叱責を受けた記憶がございます。
12年という月日が流れた2020年。
2冊目は今一度焼酎とは何なのか?をテーマに
初心者目線でデザイナーのイラストと共に
ライトなサブカル焼酎本として、発売に至った
経緯と相成りました。
ご依頼を受けたのが2018年。
編集長から書籍のコンセプトをお聞きして、
提案を投げさせていただきました。
単に焼酎ヲタクとして長年付き合ってきた
僕の世界観による執筆するよりも、
より具体的、的確な視点を本の中に盛り込む為
焼酎メーカーの視点を取り入れた方が、
いいのでは?という提案です。
そこで、十数年来の友人でもあり、酒ヲタク
そして、神の舌を持つ沢田貴幸氏にお声を
かけたところ、心良く引き受けてくれたことは、
この本にとって一番大きいのかもしれません。
焼酎は日本酒に比べ、狭い世界観で歩んでます。
個人的な意見を投じ合える日本酒は、醸造酒
ならではの世界観です。
しかし焼酎はそうはいきません。
さつま芋や、麦、米、黒糖、麹、酵母など、
形となる主原料が、蒸留機で気体となり、
冷やされ液体となる。それは何十層もの
主原料レイヤーとして構築されています。
ベニハルカという芋だけを焼酎の瓶の中から
引き出せますか?
黒麹の旨味だけを、瓶の中から引き出せますか?
皆さんはどうでしょう。
焼酎はそれ相応のスキルがなければ、その銘柄
本来の味わいを引き出すことはできません。
僕がこの本に対し、一番意識を置いたのは、
甲類焼酎でしょう。
今までにない本に仕上げさせてもらいました。
へぇー。そうなんだ。こんなに?といった
読んだ人に、発見を与えられる本。
それこそ、この誠文堂新光社さんのコンセプト
と僕と沢田のチームで出来上がった一冊です。
最後に、編集長さん、編集担当者さん、
奈良に住むデザイナーさん、製本屋さん、
いろんな人達に、感謝申し上げます。