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きみの香水の名前を聞いておけばよかった

2020.08.21 13:00

世間では”香水"という曲が流行っている。






「君のドルチェアンドガッバーナの

その香水のせいだよ」





歌詞中の男性は3年前の思い出を振り返る。






その曲を聴きながら私は、

この夏で4年目になる思い出を振り返った。






4年前

まだ恋愛に慣れていなかった私は、



その人の誠実さ、礼儀正しさ

そして似た匂いに惹かれた。




ただ相手の恋愛経験だけは

私とは正反対。




正直その人のいい噂は聞かなかった。




けど、噂で判断するのは違うなと思ったし、

怖いもの見たさってものがあったから

会ってみた。




気配りができて意思がハッキリしてて

一緒にいてすごく心地の良い人。




会うたびにその人がつけていた香水が

私の記憶に刻まれた。







しばらしくして

その人と付き合うことになった。




嬉しかったけど正直不安の方が大きい。




その不安は的中して

同時期に他の女性との関係がわかった、


わかったけど理由は伝えず

「私たち友達の方がいいね」

といって別れた。





"好きなのに別れる"





これがこんなにも辛いってことを

20歳になったばかりの私は感じた。







別れたあとも

街中でその人の姿を探す私がいた。




バイト先にその人が来たことが数回

あったけどなぜか私は隠れた。






頭の中で



”会ってはいけない人”



に書き換わっていたんだと思う。








あるとき私は

通学中の電車でおじさんの隣に座った。






するとおじさんからは

私の記憶に刻み込まれた”あの香り”がした。





どうしてもその香水の名前が知りたくて

おじさんに話しかけた。





その香水は若い男性がつけるにしては

渋いブランド。






香りを確かめたら

全く同じじゃないけど似た香り。






結局、


答え合わせはできなかった。







今、あの夏から4年もたったのかと思う。





その人とは全く連絡をとってないし

生きてるのかさえわからない。









“きみの香水の名前を聞いておけばよかった”







そう思ってたけど、



もう後悔するのはやめる。








あのとき出会ってくれてありがとう。




私はこれから

自分の好きな香りと出会うよ。











そんなことを思った、



24歳目前の夏である。