「目標達成できなかった場合も別の方式は考えていない」ー2020年町田市議会第1回定例会本会議その①ー2020年町田市議会第1回定例会本会議その①
令和2(2020)年度第1回定例会につき、3/18の代表質疑内での中学校給食関連の内容をまとめました。
※なお、正式な議事録ではなく、録画放映から私共が書き起こしているものです。
●まちだ市民クラブ わたべ真美議員
わたべ議員:
「子どもを産み育てたい人たちの希望を叶えられるような環境づくりとある。子育て環境充実のひとつとして中学校給食がある。我々会派は、様々な手法も視野に入れ、中学校給食の改善・充実をすべきと考えています。市長の中学校給食に対する考え方と、町田市の方針について伺います。
石阪市長:
町田市では学校給食法に基づき中学校給食を実施しております。中学校給食では、生徒や保護者が必要に応じて選択できる環境を整備することが大切であると考え、弁当併用外注方式による給食を実施しております。今後もより利用しやすいものとするため、内容の充実をはかってまいります。
わたべ議員:(再質問)
中学校給食のところで質疑をしたいと思います。いまのところ弁当併用外注方式を選択して継続しているということで、2019年には学校給食問題審議会も開かれて、喫食率を上げるための取り組みを話し合われて、その内容が予算に盛り込まれていると承知しております。いまのところ、この弁当併用型外注方式でいくというところで、しかしこの取り組みを実践して、継続した場合、目標とする喫食率を達成しなかった場合、達成のためにいろいろがんばっておられるのは理解しているのですが、うちの会派としてはいろんな選択肢も考えたほうがいいんじゃないか、という考えをもっています。
いろんな「打つ手」というのでしょうか、弁当併用外注方式のこの先の展開として、何か検討なさっておられることがあれば教えてください。
学校教育部長:
中学校給食についてお答えいたします。目標達成できなかった場合別の方式を検討していくのかということでございますが、新年度から生徒からのリクエストを献立に取り入れることや、1年生の取り組みを進めること、これは利用登録がある1年生に5食ぶんを無償提供するなどの取り組みを進める予定でございまして、現在は別の方式は考えておりません。
わたべ議員:
中学校給食のところで、了解しましたというところですが、2017年12月議会で市長が給食についての思いを語られた中で、一つのアイデアを話されたことがあって、給食を作ってもらうことへの感謝というか、それは家庭でのお弁当でもいいのですが、作ってくれた人への感謝の念を感じるために、自分でたまに、子どもたちが自分で弁当を作って学校へ持っていく日もあってもいいのではないか、というようなことを考えています、とおっしゃっていて、古い話で恐縮ですが、そういう今の弁当併用外注方式のなかでも、給食についての間違ったイメージが先行したりして頼みづらいなどの状況があるなかで、感謝していただくきっかけづくりっていうのを、市長のアイデアがいい取り組みだなぁと感じて、実際にそういう取り組みを行っている学校もあると聞いていますが、市長の思いがあればもう一度お伺いしたいと思います。
市長:
弁当の話は…前にいったことをほとんど覚えていないのですが…昨日何食べたか覚えていないんですけども(笑)
基本的には個人の領域の問題として私は申し上げたつもりです。
それは何かというと、明治以来の「家庭機能の外部化」という、特にここ数十年、20年くらいですかね、家庭機能の社会化、外部化という(流れがありまして)、着る物について自分のところでやってる人はいませんし、住宅も分で作っている人もいません。教育も明治このかた外部化、社会化になった訳ですね。残ったのが、衣食住のなかで言えば「食」なんです。ここの家庭機能を外部化していくと、家庭機能が空洞化していくのではないかというのが私の懸念なんですね。
そんなことを懸念している人は最近いないので、私もかなり絶滅危惧種になりつつあるのですが、家庭の機能というものにそんなに価値を置かない、という考え方からすれば、「食の機能をそんなに頑張る必要はないよ」と言われそうなのであります。作る人への感謝、弁当を作る人への感謝、というのは家庭という一つの人間と人間の繋がりというものを、最後に残っているのが食の機能ではないかというのは、私の考え方なのですが、一言で言えばノスタルジーみたいなもので、そのうち絶滅すると思います。
●保守の会 白川哲也議員
白川議員:
次に、中学校給食利用促進事業についてでございます。私たち保守の会会派が提唱してきた無料試食実験は、昨年度無料試食会という形で実施されました。この無料試食会の実施の結果を、2020年の予算にどのように反映させているのかお伺いいたします。
石阪市長:
ご質疑については担当からお答えいたします。
学校教育部長:
「無料試食会実施の結果を2020年度予算にどのように反映させているか」についてお答えいたします。町田市ではいまの中学校給食を、多くの生徒にじっさいに食べてもらうとともに、給食を利用する生徒がより利用しやすくなるよう、さらなる環境づくりを進めることを目的に、中学校給食の無料試食会を実施いたしました。 試食会実施にあわせ、生徒および保護者から、中学校給食についてアンケートをとり、実際に食べた感想や、利用促進に向けた意見をいただいております。 試食会の参加率は、2・3年生に比べて1年生の参加率が高い傾向が見られました。また、試食後の喫食率についても、2・3年生はほぼ横這いでしたが、1年生は上昇傾向が見られました。 これらの結果から、1年生に対しての取り組みを進めていくことが、利用促進につながると考えております。このため、新一年生のうち、給食予約システムに利用登録をしていただいた方を対象に、5食分の給食を提供することで、給食利用のきっかけとしていただく取り組みを進めてまいります。 また、給食の写真の入ったカラー献立表の配布や、生徒からのリクエスト内容を献立に反映する取り組みも進めてまいります。
(再質問なし)
●日本共産党 細野龍子議員
細野議員:
ユニセフの取り組みに賛同し名乗りを上げられて市長が署名した「子供に優しい町を世界に広げる市長町長宣言」、子どもの権利条約の具現化を目指す取り組みであり、ぜひ全面的に進めていただきたいと思いますが、町田市においてどのように実現していくのか。伺いたいと思います。
二項目目、子どもに優しい町は高齢者や障碍者にも優しい町、みんなに優しい町、と市長はおっしゃっておられますが、理念だけではなく、具体的な施策でも実感できるような町田の施策が必要だと思います。その内容と根拠をお聞かせ下さい。
石阪市長:
宣言は昨年10月に、ドイツのケルン市で開催されました「子どもに優しい町 世界サミット2019」において採択をされております。このサミットは、ユニセフが出資する「子どもに優しい町づくり」に取り組む世界67か国から251の自治体が参加し、その事業のいっそうの推進をはかるために、ユニセフの主催により開催されたものです。
宣言の実現には、着実に「子どもに優しい町」事業を進めていくことが重要であると考えております。
この「子どもに優しい町」事業につきましては、日本では町田市を含む5つの自治体が参加し、2020年10月までの予定で、日本ユニセフ協会が定める「子どもに優しい町モデル検証作業」を行っております。この検証作業については、子どもの参画、子どもの人権を保障する施策、子どもに関する予算など、10項目のチェックリストがありますので、このリストに従って、子どもに優しい町とは何かを、町田市を含めた5つの自治体が検証を行っております。この検証作業は、参加自治体の担当部署だけではなく、すべての部署で子どもに対しての自己評価を行います。検証作業によって現れる問題を、ユニセフと共有しながら、チェックリストのブラッシュアップを行っております。
その後の展開につきましては、この検証作業のなかで評価がよかった部分だけではなく、基準に届かなかった部分においては、特に考察を加え、改善し、町田市の子ども施策に発展につなげ、子どもに優しい町の実現を目指します。
次に、(2)の「子どもに優しい町は高齢者や障碍者にも優しい町、みんなに優しい町の内容と根拠を問う」についてお答えいたします。
子どもに優しい町、とは、けっして「子どもにだけ優しい町」ということではありません。例えば、ベビーカーを押しやすい道路というのは、車いすの方や高齢者にとっても歩きやすい道路でもあります。子どもに優しい町は、誰にとっても寛容で、あたたかみのある優しい町、であると思っております。
具体的な取り組みといたしましては、「若者が市長と語る会」の開催や、高校生を評価人に迎えた市民参加型事業評価の実施など、子どもの市政参加を進めるとともに、日本ユニセフ協会が定めたチェックリストに従い、「日本型子どもに優しい町モデル」の検証作業を行っているところであります。
これら、子どもに優しい町づくりを進めることが、ひいてはみんなに優しい町になると考えております。
細野議員:
子どもに優しい町が高齢者、障碍者、みんなに優しい町という、このコンセプトです。理念としてはとてもよくわかりますし、市民がみな子どもに優しく、高齢者や障碍者にも優しい気持ちで、またユニバーサルデザインが作られている町というようなイメージで伺ったのですが、市民の皆さんそれぞれの立場の方にしてみれば、それぞれの施策が自分たちにとってどのような優しい施策が進められているのかというのも、優しい町という一つの観点になるのかと思います。
そのさい、町田市はかつては「福祉のまち」と言われていた時期もあり、全国的にも知られていた状況もあるわけですが、町田市が独自に作ってきた福祉の施策が削減され廃止され、予算としても削られてきたという背景があるわけです。具体的には、例えば高齢者の無料入浴券とか調髪券、それから石阪市長の時から始められた家庭ごみの収集袋の配布とか、それも削減されているのかなと思いますし、あと障碍者の方の自動車ガソリン補助なども廃止、削減されたのもありますし、そうした施策ひとつひとつが削られてきたという一方で、子どもに優しい町というのを目指すという状況があります。
じゃあ、子どもはというと、いま様々な手当てとか、保育園とかがんばっていただいている部分もあると思いますが、子どもにとって、例えば教育でいうと、音楽教室とか、校外学習の交通費補助などがなくなってきたわけですけれど、こういった施策がなくなっていくという、子どもにとってもそういう点があります。
そうしたことで、市長の市政方針には「福祉」という文言が見当たらないのではないか、ということについて、市長の見解をうかがっていきたいと思います。
(中略) 続きまして、もう一つ具体的にお伺いしたいのですが、子どもたちに教育や保健の基礎的なサービスを提供するというのが、子どもたちに優しい町づくりの項目の中にあるかと思います。そういった目的のひとつに、栄養バランスの取れたあたたかい給食を提供する、食育だけでなく栄養の格差をなくす、というためにも、選ばれた町田市が、ぜひ中学生の、育ち盛りの子どもたちにも、そういう給食を提供していただきたいと思いますが、日本で5つの自治体が選ばれたわけですが、(町田以外の)残り4自治体は、どこもそういった全員対象の中学校給食を提供していると聞いています。町田市としても、ほかの面で進んだ面もあると思いますが、落ちている点があるとすれば市長はそれを拾うというか、上げていくような努力もされるという話がありました。市長の見解が伺いたいと思います。
学校給食部長:
学校給食の運用形態は、学校の設置者である自治体が、地域の実情をふまえて決定するものと認識しております。町田市の中学校給食は、選択制ではありますが、学校給食法にのっとり、提供しております。必要であれば給食を頼むことができる環境を整えており、現在はその利用促進に努めているところであります。
細野議員:
子どもに優しい町をめざす町田市として、ぜひ、すべての子どもたちにしっかりと栄養を保障できる、また食育も保証できる学校教育を実現していただきたいと思います。
(了)