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維筋相交によるてんかん様症状の症例

2020.08.24 15:37

✅患者 中学二年生の女子。

✅主訴 立ち眩み。呼吸がしづらい。

✅現病歴 数日前に学校で意識を失い、病院に搬送される。検査の結果、脳波が乱れており、てんかんと診断される。

心配したお母さんが鍼灸で何とかなりませんかということで来院。

✅問診 左足に包帯をしているので、「これはどうしたの?」と尋ねると、陸上部の練習中に捻挫をしたとのこと。

そして、その次の日に失神したという。

この瞬間に、だいたいの原因が分かった。


維筋相交だ❗


また、捻挫したときは生理中だったかどうかを聞くと、初日だったとのこと。


✅経絡腹診 腎肺虚、脾心実、肝平。

✅脉状診 浮、数、虚。

✅比較脉診 腎肺虚、脾心実、肝平。

✅病症の経絡的弁別 立ち眩み、呼吸がしづらいは腎水経の変動、左足首の捻挫は胆経の変動。

✅証決定 腎虚証。

✅適応側の判定 宮脇スタイル(※詳細は下記動画を参照してください)で未来弁証した結果右。

✅本治法 用鍼は、毫鍼が怖いと言うので刺さない鍼。イトウメディカル社製中野てい鍼柳下モデル95㍉で右復溜を補う。検脉すると心と胆に枯に応ずる虚性の邪が浮いてきたので、柳下圓鍼で切経して最も邪が客している左大陵と左懸鐘を瀉法。

✅補助療法

🔸宮脇奇経治療(※下記リンクを参照) 宮脇奇経腹診®より督脉と陰蹻脉と診断。左後谿-右申脈、左照海-右列缺に奇経テスターを貼るとお腹が緩むので、無熱灸で主穴に20壮、従穴に12壮奇経灸。施灸後金銀粒を貼付。

🔸子午治療 足首の捻挫に対して胆心で右通里をてい鍼で補い、無熱灸28壮で止め灸し、経に従い皮内鍼を留める。

✅標治法 足首の捻挫に対して八卦皮内鍼法(※やり方は下記動画を参照)。

✅セルフケア 奇経と子午に自宅でそれぞれ25壮-15壮、35壮ドライヤー灸をするように指導。

✅経過 初診時に、「てんかんではないと思います。もしてんかんだっとしても治るので大丈夫です😊」と伝え、週に2回来院するように指示し、計6回で治癒。

✅反省と考察

〈霊枢・経筋篇〉に「從左之右,右目不開,上過右角,并蹻脈而行,左絡於右,故傷左角,右足不用,命曰維筋相交。」とあります。


左足首を捻挫したために、維筋相交で元神の府である脳に気血が巡らなくなり、一時的に脳波が乱れたのでしょう。

捻挫はきちんと治しておかないと後々様々な問題が起こってきます。

特に胆経は枢ですから。

捻挫したのは生理で血虚になっていたからです。

生理中は運動を控えるべきかもしれません。

なぜなら汗は白い血だからです。

特に長距離選手は無月経が多いです。

立ち眩みは腎が多いです。

奇経は後谿-申脈です。

もし本当にてんかんであれば、

1.食厥が温床となるてんかんは脾虚。

2.普通のてんかんは腎虚。

3.てんかん前に生あくびをするものは肺虚。

で、これまで解決してきました。

奇経は右後谿-右申脈と左公孫-左内関で様子を見てください。

標治法は、百会の前後左右1~2横指の陥凹部に知熱灸なら3壮ずつ、無熱灸なら12壮ずつ、ドライヤー灸なら15壮ずつ施灸します。

発作時に遭遇した場合は湧泉に気つけの鍼を行います(※やり方は下記動画を参照)。

参考になれば幸いです🙇