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妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口12-

2020.08.26 12:00

12 この世界の生物



再び双子は交互に質問し始める。


「・・・なるほど。」


「じゃあ白ウサギは何処で?」


「えーっと、扉を出た後に走って行くのを見かけました。」


「扉からはどうやって出たの?」


「扉に鍵はかかっていなかった?」


「あ、かかってましたけど、鍵を開けて。」


双子は少し驚いた様な顔をし、声を揃えて言う。


「鍵が開けられたの?」


「あ、はい。」


彩里水が答えると双子は考えるように遠くを見つめた後、先程の怪しい含み笑いとは打って変わった愛想のいい顔でニコリと笑って説明する。


「誰かに会ったなら話は早いよ。ドアノブの様な“人が作った物”のことを大別して物型って言うんだ。」


「ブツガタ。」


彩里水はまた聞き慣れない言葉を繰り返す。


「そう、それで、白ウサギはどんな風だった?四つ足で走ってた?それとも人みたいな形をしてたかな?」


「人みたいって言うかー・・・。二足歩行みたいには見えたけど、形は人ってよりはウサギだったかな?」


双子はニコニコとしながら、説明を続ける。


「うん、多分それは大別すると半人半獣型って呼ばれる者かな。」


「ああ、半人半獣。」


白兎は合点がいったと言うように答えた。



――さっきから言ってたのは人型、獣型ってことか。・・・じゃあジュンってのは・・・?



「じゃあ、さっき言ってた純人型の純って言うのは?」


「ん?君はこっちの彼より少し物わかりが早いみたいだね。」


「純って言うのは完全に人の型ってこと。身体の少しだけ、例えば耳だけとか足だけとかの半人半獣型もいるし、半獣半物型ってのもいる。」


「1人1人の顔が違うように、ありとあらゆる型があるし、それは全員違うんだ。わかりやすく呼ぶために大別しているだけで形態は様々なんだよ。」


「さっき言った純花型っていうのは花のこと、半人半花、半人半樹、半獣半花、半獣半魚とか半獣半虫・・・何代にもわたっていろんな形態がミックスされているなんてのもあって、今ではそう言う種類をミックスと言ってる。」


「そして、この世界のほとんどはミックス。ありとあらゆる形態の生き物がいるよ。」


「だから純人や純花など“純”がつく型は珍しいんだ。」


「へええー!すげー!じゃあ、穴を落ちているときに見た変わった生き物の剥製や写真は本物ってこと!?」


「もし君がそういった生き物の写真なんかを見たならそれは本物だと思うよ。」


双子がまるで練習でもしたかのようにすらすらと交互に説明すると、彩里水は興奮して歓声をあげる。

すると白兎が質問する。


「さっき言ってた純人型に“見える”ってのはどういう意味なんですか?見えるけど違う人もいるってこと?」


「うん。というより、君たちは服を着ているから、もしかして服で見えない部分が何か違う生き物かもしれないだろ?例えば服で覆われている場所の一部が獣のようにふさふさの毛が生えているとか。」


「または、見た目は完全に人型だけど、能力だけは虫の能力を持っているなんていうパターンは稀にあるよ。」


「へえー、そういうこと。」


つづく