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妄想列島

少年彩里水の不思議冒険譚 -不思議の国の入り口13

2020.08.27 12:00

13 君たちを閉じ込めておく必要があるみたい



白兎が納得したように言うと、彩里水が元気よく続ける。


「じゃあ、質問に答えたからオールワン遊園地への行き方教えてくれますか?」


「ははっ。君はせっかちだね。まだ教えられないよ。まだ年齢と型を聞いただけじゃない。」


「そうだね。僕らの方がたくさん質問に答えたぐらいじゃない?まだ名前も聞いてないよ。」


「あ、そっかー。すいません。オレは青園彩里水って言います。」


「おまえ、青園って言うんだな。」


白兎が彩里水の名字を聞いていなかったことに気づく。


「ああ!そういや白兎の名字もオレ知らないや。」


「オレは時計白兎です。」


「え?時計?」


彩里水が変わった名字を聞き返す。


「そうだけど?」


白兎は自分の変わった名字をからかわれるのには慣れていた。「時計だってー。変なのー」というようなことを言われるのが当たり前だった。彩里水もどうせからかってくるのだろうと思っていると意外な反応が返って来た。


「へえー、変わった名字だな!おもしろ!」



――からかってくるかと思ったら、ただ感心してるだけだな。まだ出会ってからちょっとしか一緒にいないけど彩里水って、多分いいやつだよな。



2人のやりとりを遮って、双子はまた口々に質問を続ける。


「じゃあ次の質問。」


「彩里水くんは穴に落ちたってことだけど、白兎くんはどうやって来たの?」


「一緒に来たわけじゃないって言ってたよね?」


「それなのに2人ともオールワン遊園地に行きたいの?」


「ああ。オレはオールワン遊園地で弟を探していたらいつの間にか一本道を歩いていて、彩里水に追いかけられていたんです。」


白兎が答えると双子はまた顔を見合わせる。


「彩里水くん、君もオールワン遊園地から穴に落ちたの?」


「んーとー、正確にはオールワン遊園地の裏の雑木林に穴があって、そこから落ちたんです。」


「そう。」


「わかった。」


双子は口々にそう言うと、どこからともなく縄が現れあっという間に彩里水と白兎を縛り上げてしまった。


「え?え?」


彩里水が慌てていると、双子はまた口々に言う。


「ごめんね。君たちを閉じ込めておく必要があるみたいだ。」


「ごめんね。最初はちょっとからかうだけのつもりだったんだけどね。」


白兎は手足をジタバタさせている。


「おい!離せ!」


「ちょ、ちょっと、オレたちにオールワン遊園地への行き方を教えてくれるんじゃなかった!?」


彩里水は縛り上げられてまま双子を見据えて言う。


「いや、そうもいかなくなったんだ。」


「君たちは僕らと一緒に来てもらうね。」


双子がそう言うと、彩里水と白兎はふわりと浮かんだ。双子も一緒に浮かんでいる。


「わわわ!ちょっと!」


「おわ!なんだよこれ!」


彩里水と白兎は空中でジタバタしながら叫ぶが、双子はお構いなしにピュイッと口笛を短く吹くと、縛ったままの彩里水と白兎を連れ森の木々を上方へ抜けた。

縛ったまま急上昇された彩里水と白兎が驚いて固まっていると、遠くから轟音と共に鳥のようなものが迫ってくる。


「わ!わー!白兎!でっかい鳥だ!ってかオレたち浮いてる!すげえ!」


「な!すごいな!うわー、下見ると怖いぞ!」


「さっき落ちてたときは落ちてるって感じだったけど、いまは浮いてるって感じ!」


「ハハハッ。なんだよ、それー!」


2人は捕まえられているにも関わらず空を浮いていることに興奮する。2人が興奮して騒いでいる間にも鳥らしきものはものすごい速さと轟音で近づいてくる。遠くにいるのに巨大とわかるほどの大きさと、近づけば近づくほど聞いたことのないようなものすごい爆音を発しているのだということがわかる。


白兎は鳥が近づいてくるに従って、アレが鳥ではないということに気がつき、目を見開いて彩里水に言う。


「お、おい彩里水!あれ・・・あれって。」


「う、うん、あ、あれは・・・。」


つづく