HGUC シャア専用ザクII レビュー
2020.08.28 10:02
今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、
“HGUC234 シャア専用ザクⅡ” です。
“機動戦士 ガンダム” より、
主人公アムロ・レイとその後終生のライバルとなるシャア・アズナブルが劇中で最初に乗った赤いモビルスーツ、
“MS-06-S ザクⅡS型(シャア専用機)” が、
新規造形で再びハイグレードユニバーサルセンチュリーに登場しました。
HGUC ガンダムのREVIVEがガンプラ35周年の時ですから、早5年。ようやくシャアザクもREVIVEされましたね。
まぁ、すでにREVIVEの表記がなくなって久しいですが。
こちらもガンプラ40周年の一環となるようです。
ガンダムほどではないですが、シャアザク・・および量産型ザクも繰り返しキット化されてきました。
僕もおおよそは持っていますが、だいたいガンダムと対になる感じで、そのあとを追うような感じで発売されるパターンが多いような気がします。
ザクだけが出ててガンダムが出てないシリーズって、たぶんないですよね。その逆はありますけど。
MGのVer.2.0やオリジン版HGはザクのほうが先に発売されてますが、そのあとちゃんとガンダムも出てるし。
でも、ここからREVIVEザクのバリエ展開が始まるんだろうか?
とりあえず量産型はいつでも出せる感じにはなってますが、R型とかはどうなるんだろう?
R型は、わりと最近新しめのフォーマットで出ている(といってもあれももう7年前になるのか・・)ので、まだしばらくはいいかな、という気もしますが。
結局あのときは、HGUCでもMSVの展開が始まる・・という期待を持たせておいて、R型ザク3つで終わったんだけれども。
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールに一部塗装での仕上げです。
旧HGUCキットはアニメデザインがベースで、ディティールも最小限でしたが、今回もほぼ同様の路線です。
さすがにプロポーションは今どきのバランスに調整され、頭部もわりと小さめになっています。
一方で太腿はムチッと感強め(笑)。
外装表面にはパネルライン等のディティールはほとんどなく、全体につるんとした印象です。
いわゆるガワラ立ちの再現のため、肘にも回転軸が設けられているのですが・・プロポーションが全然ガワラってないので、なんか取って付けた感が(笑)。
またS型ということで、バックパックはメインスラスターだけでなく上部にサブスラスターがあるものになっています。
ランナーにはスイッチが入っているので、今後発売が予想される量産型では少なくともバックパックは変更されるのだろうと思います。
MGみたいにF型とJ型でも変えてくるだろうか?
内部構造としてはオリジン版ザクからのフィードバックがあり、腕部はまず胸部外装ごと、
そして肩間接と、2段階で前方への引き出しが可能。
肩間接の可動軸も水平ではなく斜め上を向いており、より実際の人体の動きに近い可動が再現されています。
ただし、上方への跳ね上げはできません。
モノアイは内部パーツにシールを貼るいつものパターン。
顎下のつまみで左右に動かせるのも同様です。
首の前後の可動域は過去のザク系キットでも最高峰。深く俯いたり、後ろに少し反らすこともできるようになっています。
なお、角飾りの安全フラッグは切りとっています。
個人的にガンダムなどのV字アンテナのフラッグは残すことが多いですが、角飾りやロッドアンテナのフラッグはだいたい切りとってますね。
定番の股下の3㎜穴はなく、スタンドデスプレイの際には専用のアタッチメントを使用します。
まぁ、腰部サイドアーマーやリアアーマーにも3㎜穴があるので、それを使ってもいいんですが。
さて、今回の目玉。
新たな試みとして、通常の硬質プラ製と軟質素材製、2種類の腰部アーマーパーツが付属し、どちらかを選んで組み立てることができるようになっています。
先の全身画像は通常の硬質プラパーツを組んだ状態、そして下が軟質パーツを組んだ状態です。
3㎜穴のあるなしくらいで、見ための違いはほとんどありません。
素材の違いによる成型色の違和感というのも、ほぼないと思います。
硬質プラと軟質素材とで可動域そのものに変化があるわけではなく、軟質素材にした場合、脚部の可動に合わせてアーマーがそれこどスカートのように柔軟に動くので、アニメの描写っぽい雰囲気を味わうことができます。
ガンプラにフィギュア的発想を盛り込んだ・・とでもいいましょうか、とくに初期のジオン系MSではなかなかに効果的と思われます。
なお、組み立て後の交換も比較的容易です。
武装など
今回付属の武装は、すべて先に言ったHGUC R型ザクからの流用になっています。
ザクマシンガン
ザクの代名詞ともいえる実体弾タイプの射撃武装。口径は120㎜。
サブグリップ、スコープが可動し、マガジンの取り外しも可能。
マガジンは予備を含めて2つ付属し、そのまま腰部サイド、およびリアアーマーにマウントできます(硬質プラパーツを組んでいる場合のみ)。
スコープのレンズ部分にはシールが付属しないため、ガンダムマーカー蛍光ピンクで塗りました。てか見えないし・・
ザクバズーカ
同じくザクの代表的な武装。口径は240㎜、あるいは280㎜とも。
こちらもサブグリップ、スコープが可動し、さらにメイングリップも可動することで肩に担ぐような持ち方も可能。
スコープのレンズはマシンガン同様シールがないので、マーカーで塗装しています。
リアアーマーの可動式ラッチにマウントできます。
ヒートホーク
刃の部分を赤熱化させて対象を焼き切る近接用武装。
使用時のほかにストックが縮んだ携帯時の2種類が付属するキットも多いですが、今回は1種類のみ。
専用の右持ち手が付属しますが、べつに汎用の持ち手でも保持できます。
専用アタッチメントを介して腰部にマウントできます(もちろん硬質プラ製パーツで組んだ場合)。
マガジンもついでに。
なお、R型ザクから流用の武装ランナーにはマシンガン、バズーカの保持に使う左銃持ち手も含まれるので、新規造形の右銃持ち手と合わせてマシンガンとバズーカの2丁持ちが実現できるのですが、残念なことに左右で成型色が違ってしまっています・・
ちょっとわかりにくいですが・・ツヤの加減で区別してもらえるかと。
まぁ色というか、パーツの材質が違うんですね。
新規造形のほうはいわゆるKPS、流用パーツのほうは通常の硬質プラ製(素材自体は同じPSなんですが)なので、色を合わせることができないということなんでしょうか?
流用ランナーをKPS製にすれば問題ないのに・・たまにこういうことありますよね。
また、右肩のL字シールドですが、表面に謎のダボ穴が空いています。
本体にほとんどディティールがないだけに、妙に悪目立ちしてしまいます。
なんのために空いているのかと思うと、オリジン版ザクのバズーカのマガジンが付けられましたが・・なんで? という感じです。
比較画像
まずは旧HGUCと。
どちらもアニメデザイン・・つまりは大河原デザインをリスペクトしているのだと思いますが、プロポーションの違いには年月の流れを感じます。
脚部も、太股と脛の比率がけっこう違います。
成型色も、いわゆるシャアピンクはわりと近い色ですが、ボディの臙脂はまるで別の色。旧版はほぼ茶色だし。
可動に関しては言わずもがな。旧版はそもそも胴体が一切可動しません。腰の回転も不可です。
また、旧版のバックパックがただの箱でスラスターのディティールすらなかったのに対し、今回のものはちゃんと別パーツでスラスターが造形されています。
このあたり、アニメデザインを踏襲しながらそのずっと後に補完されたのだろう設定も盛り込んでくるのはREVIVEの面目躍如という感じでしょうか。
オリジン版と。
ディティール量の違いは一目瞭然。
そしてオリジン版(初版)はかなり暗い色調なので、随分とイメージも違います。
同じHGカテゴリながら、これまでにHGUCとHGオリジン間のパーツ流用は例がありませんが、構造的な部分を簡略化しつつ取り入れてくるとは・・
HGUC REVIVEガンダムと。
こちらのガンダムも、どちらかというとアニメ寄りで過度なディティールのないすっきりとしたデザインになっているので、並べてもとくに違和感はありません。
ただ、ガンダムがちょっと細く感じるかな?
以下、画像
腰部アーマーパーツは軟質製のものにしています。
腕部の可動については先にざっと書きましたが、なんというか、ある角度からの見せ方にこだわった構造になっている印象です。
前方への引き出しが水平ではなくわずかに斜め上だったりするところは、昔のリボルテックみたい・・とか、またわかりくいかな?
ザクマシンガンですが、ストックの形状が独特なので相変わらず持たせ辛いですね。
銃持ち手には外向きに角度がついているんですが、それでもやっかいです。
バズーカも両手持ちで。
こっちはすんなり持てるんですけどね。
ヒートホークで。
今回は手首にも可動部が追加されており、微妙な捻りを加えられるようになっています。
なお、平手は左のみ付属。
足首の可動はジオン系の宿命もあってほどほどなので、接地性もそれに順する感じですが、自立は問題ないレベル。
股関節のスライド機構はないものの、立て膝も余裕で決まります。
ここでも軟質製の腰部アーマーがいい仕事しますね。
なお、動力パイプの干渉があるためか、腹部の可動はイマイチ。前後への曲げや反り、左右の捻りも気持ち程度です。回転はできます。