2020/8/27 【英国メディアから#12】BBC News: Bletchley Park: New crisis for code-breaking hub
2020.08.27 22:00
2020年、8/24のBBCニュース、”Bletchley Park: New crisis for code-breaking hub”から。
ロンドンから北西に80km。
Cambridge(ケンブリッジ) と、Oxford (オックスフォード)の中間地点、Milton Keynes(ミルトン・キーンズ)にある、”Bletchley Park(ブレッチリー・パーク)”。
W.W.II下に、英国政府による暗号学校が置かれ、現在は、当時の暗号解読や機密活動(スパイ関連)をテーマとしたミュージアムとなっている。
私が2017年10月に訪れた際には、Google協賛のコンピューターにまつわるキッズ向けexhibition もやっており、”20世紀のテクノロジーの聖地”的な顔も見受けられた。
かつて世界最強と言われた、ナチス・ドイツ軍の暗号”Enigma(エニグマ)”。
この暗号は、天才数学者/暗号研究者のAlan Turing(アラン・チューリング)博士によって、まさにこの場所で解き明かされている。
(数年前の彼の一生をテーマとした映画、”The Imitation Game”のメインシーンで登場した場所。ご興味ある方は、是非映画を見てください!)
彼のこの発見は、近現代におけるIT産業の発展に偉大な一歩をもたらしたと言っても、過言ではない。
(前置きがすっかり長くなったが、)
本記事によると、そんなBletchley Park(ブレッチリー・パーク)が、今コロナで財政面の危機に瀕している、という。
2008年頃にも財政難に陥り、その際には、コンピューター学会のDr.Sue Black氏が、奮闘。the Timesにこの歴史的な聖地を守るべく嘆願書を書いたり、SNSでのセレブリティー達を巻き込んだキャンペーンを仕掛け、the Heritage Lottery Fundなどから寄付を集めることに成功した。
彼女は、再び訪れたコロナによるこの危機を心から嘆いている。
当時、難攻不落と言われていたナチの暗号解読を成功させて情報戦に勝利し、戦火の中で多くの命を救った事実。
戦争の歴史というだけなく、英国テクノロジーの聖地としても、価値のある場所。
戦後75周年を迎えた今、次世代に語り継ぐに値する遺産である。
今コロナ渦で潤っているテック・カンパニー達が、この”テクノロジー生誕の地”に少しでも、同情を示してくれることを期待して、やまない。
▼2017.10に訪れた、Bletchley Park。
→W.W.II下で、世界最強と謳われたドイツ軍の暗号機、Enigma(エニグマ)。展示だけでなく、広い庭園を散策したり、戦争の歴史を体感できる場所。
訪問者は、戦争体験世代の方々が大半だった。
▼一回入場すると、Season Pass(1年間有効)となったパス。入場料を上げても、保存して欲しい場所。
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