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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

新世界より3-清教徒迫害「丘の上の町」へ

2020.08.26 11:04

1628年8月23日、英国王チャールス1世の寵臣バッキンガム公がジョン・フェルトンに暗殺された。フェルトンはラ・ロシェル遠征に従った軍人でPTSDに悩まされ、遠征失敗でバッキンガム公を恨んでいた。暗殺の知らせをきいたロンドン市民は歓喜に沸いたという。

翌29年3月2日、国王は議会を解散し、絶対王政を行おうとした。権利請願を行ったリーダー9人は投獄され、その中のジョン・エリオットは獄死した。国王は王権神授説を唱えるウィリアム・ロードをカンタベリー総主教にして、宗教からも王権を強化しようとした。

ロードは、強硬な宗教統一論者で、英国教会で国民を統一しようとし、反抗するピューリタンを高等宗務官裁判所や星室庁を使って徹底的に弾圧した。さらに政治にも介入して、徴税を強化、土地囲い込みを禁止した。しかしそれは、羊毛産業で利益を得ているジェントリの反発を呼ぶことになる。

弾圧されたピューリタンは、アメリカに新天地を求めた。29年には、400人がマサチューセッツ植民地をつくる。ピューリタン入植者達の40人に一人は大卒者の牧師だった。30年ジョン・ウィンスロップが最初の知事に選ばれ、アメリカを福音書の「丘の上の町」と呼び、神の理想を実現しようとする。

下はアメリカに到達したジョン・ウィンスロップ一行