世界は確実に前進している
アフリカでポリオが根絶!!
こんにちは、コームナタ編集長のakiです。今回取り上げるニュースはこちらです。
Africa declared free of wild polio after decades of work(訳:数十年の尽力の結果、アフリカは天然のポリオを撲滅したことを宣言した)
https://www.theguardian.com/global-development/2020/aug/25/africa-to-be-declared-free-of-wild-polio-after-decades-of-work
イギリス・ガーディアン紙 現地2020年8月25日配信
世界の公衆衛生において非常にうれしいニュースが発表されました。ナイジェリアでポリオの根絶が確認され、アフリカ全体でポリオが根絶されました。これで残る国はパキスタンとアフガニスタンの2国のみになりました。いま、新型コロナウイルスで世界の公衆衛生が危機的な状況の中で、また人類は新たなウイルスとの戦いに勝利したことになります。
一筋縄ではいかない疫病の根絶
この疫病の根絶には、ワクチンが非常に大きな役割を果たしました。しかし、ワクチンを接種するというただ単純にも思えることに多大な時間がかかったのです。そこには大きな2つの壁が立ちはだかりました。
ワクチンの効果を否定する人々
大きな壁の1つはワクチンの効果を信用しない人々です。というのも、ナイジェリアではアメリカの大手製薬会社・ファイザーが行った髄膜炎の薬の臨床試験により11人もの子供が死亡するという事件が発生した過去があるからです(その事件の記事はこちら)。この事件は15年にも及ぶ法廷闘争にもつれ込みました。
それにより、ある種の医学不信のようなものが社会に蔓延してしまいました。この医学不信・ワクチン不信を取り除くことに多大な労力がかけられ、大統領が自ら国民に呼びかけるなどのまさに国を挙げた取り組みがなされ、少しずつワクチンの接種を広めることに成功しました。
医療スタッフを無慈悲に殺戮するテロリスト
もう一つの大きな壁は、テロリストの存在です。とくにナイジェリアはイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の勢力圏であり、不安定な情勢に付け込んで勢力を拡大しているテロリストたちはポリオの撲滅によって公衆衛生が安定することを度々妨害してきました。
彼らは、ワクチン接種を広げる活動をしている医療スタッフらを殺害することも厭わず、これまでの一連の活動で、少なくとも70人近い医療スタッフがテロリストの攻撃により死亡しました。痛ましいという言葉では言い尽くせません。
このようなナイジェリアのまさに血のにじむような活動の成果を見ると、疫病の撲滅は非常に困難を極めるということがよくわかります。一方で、このような様々な困難がありつつも最終的に疫病の根絶という結果につながったことは、いまの私たちに大きな希望を与えてくれるように思えます。
お読みいただきありがとうございました。
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