Open stent (+弓部置換)
今回はB型解離での緊急手術であった。
今回の症例は左鎖骨下以遠のエントリーで、胸腔内に出血もしていた。ランディングゾーンがぎりぎりで、瘤であればTEVARがありえるが、出血源を確実に止めたかったのでTEVARではなくOpen Stentとなった。
B型解離の手術適応
・血栓閉塞の再開通
・解離腔の拡大
・コントロール不能の疼痛
準備
普段通りの弓部置換と同じ。
両耳体温、両腕A-line, 足A-line(上行は正常なので、上行送血。どちら足でもよい。)
手順
導入
TEEで、下行大動脈のどちら側が真腔か見ておく。オープンステントは循環停止下に挿入されるので、その時点ではどちらが真腔か分からなくなってしまうから。
送血管、脱血管 → pump on
vent挿入 → 冷却開始
retro挿入
冷却中にVfになったとしても、flowがあるのでそのままでよい。ventが入っているが、念のため左室が張ってこないかだけはTEEで確認。
RCPの場合は、SVCにカテーテルを挿入する。
本症例は、前医でFAにシースが挿入されていた。そこからガイドワイヤーを弓部まで進めて、あとでAo切開した時にワイヤーの先端を取り出し、オープンステントに通して、ガイドワイヤーづてにオープンステントを挿入した。そのためのガイドワイヤーをTEEにてガイドした。
25度以下に達したら、、、
ルートベント挿入。
head down
Ao Clamp → ante CP TEEで左室が張ってこないかを確認。
asystoleで循環停止 初症例は、Aoの遮断鉗子、ルートベントを抜去。
Ao切開
RCP開始で、CVPが上がることを確認する。(脳分離(左鎖骨下、左総頸、右腕頭)それぞれ、血圧やINVOSが上がってくることを確認する。)
Open stent 挿入
一度開いたら、位置の変更は出来ない。
遠位端形成と吻合(別症例は1本枝付きのステントグラフト)→ 循環再開&(RCP終了)
遠位端形成では、血管性状が悪く血管が裂けてしまいそうな場合は、フェルトを使用する。血管性状が良い場合には、フェルトなしで直に血管とオープンステントを縫い付ける。
遠位端にはBio Glueはあまり使用しない。偽腔から末梢に流れて塞栓を起こすことを避けたいから。
循環再開したら確認すること
・血流再開個所の圧が出る
・TEEにて以下の点を確認
1. ステントグラフトが折れていないか
2. エンドリークがないか
3. Open stentがA弁と同じ高さの下行大動脈以遠にかかっていないか
胸腰髄を栄養する最も大きな根髄質動脈であるAdamkiewicz動脈の起始は、
75%: Th9-12
15%: Th5-8
10%: L1-2
A弁レベルがおよそTh9となるため、A弁レベルの下行大動脈以遠にOpen stentがかかっている場合は、Adamkiewicz動脈を塞いでしまっている可能性がある。つまり、対麻痺リスクがある。
復温開始
別症例では、3分枝はisland状に縫合 → 脳分離終了